翔ちゃんの顔が…ピンク色になってきた…





そして……







「…俺…トイレ!」





「えっ…」





翔ちゃんが部屋から飛び出ていった…。










えっと…今のは……





急に俺も落ち着かなくなってきた…







キッチンに向かってお皿を洗って

気持ちを落ち着かせた。








…翔ちゃんといると……






なんて言うか…






自然体って言うのか…







気を遣わなくていいから…楽って言うのか…






言いたいこと言ってるし…






翔ちゃんも…バンバン喋るし…






なんて言うか……








「……青春…?」






首を傾げて…考えた…。









和とは…全く性格も違うし…






今の俺自身が…違うから……






比べられないって言うか…








機嫌を伺ったり…言葉を選んだり…







そう言うのって…疲れることもあって…







でも…それが当たり前だったから…

気付かなかったって言うのか…








翔ちゃんって………







「友だちっ!そう!友だちだ!」







なるほど!友だちだ!






だからだ!うん!納得!!!








ガチャ…





ドキッ!







「…智さん…?」





「え!」







「…俺…思い出したんだけど…」






ドキッ…






たまに出るタメ口…







「…なに?」






「…俺の誕生日プレゼントって……」






「あっ!」






忘れてた!







「ちょっと早いけど渡しておくわ!」






「…いいんですか?」







「なに遠慮してんだよ。んふふ。」






「っ、!」







「ちょっと待ってて。持ってくる。」






「あ、はい。」








俺は隣の部屋の寝室の引戸を開けた…






「えっと…確か…」





ベッドの脇に置いてあった紙袋を掴んだ…





振り向くと…







「わぁ!」





目の前に翔ちゃんが立っていた!







「っ、すみませんっ!」





「ひびらすな!」








「…枕…」





「枕?」







翔ちゃんの視線の先を見た…






2つ並んだ枕…







「……っ、!!」






別に疚しいことなんてないのに…

なぜか焦る俺…







「…ここで普通に…」






「っ、!勝手に想像するな!!」







俺は翔ちゃんの肩をグッと押した。







「…そう言えば…誕生日プレゼントの

電動歯ブラシも…」







「っ、とにかく出ろ!」







翔ちゃんを寝室から出した。










「…あのさ!…当たり前だろ!

…和の私物があっても…」






「……。」






急に落ち込む翔ちゃん…







「…仕方ないだろ…」






って…なんで俺が…








「……すみません…」


 






「っ、別に…謝らなくても…」






「……。」








「…あ!これ!プレゼント!ほら!」







俺は紙袋から箱を出した。









「開けてみ。」











「…ゆっくり味わってもいいですか?」






「…は?」














翔ちゃんはソファに座り

膝の上の箱をゆっくり開けた…。