服を着て電気を消してさとしと手を繋いで

布団に入った。








そして、さとしは俺の話を

黙って全部聞いてくれた。













「そっか。良かったな、翔。」






「うん…よかった…まじ…」








「翔?」






俺はそのまま眠りについたみたいだった。

















俺はさとしと出会い、

人生がガランと変わった。







さとしは『俺はなにもしていない。』って

言っていたけど、さとしがいなかったら

こうはならなかった。









仕事だって夢だって目のことだってそうだ。








さとしの言葉やさとしの考え、

全てが俺には刺激的で俺には無いものを

持ち合わせていたから。









さとしがいなかったら

俺は今ごろどうしてたんだろうって。












雅紀もそうだ。







俺が雅紀に相談したから

仕事を紹介してもらえた。








今までの俺だったらきっと雅紀は

俺に酒を飲ませて黙って

愚痴を聞いていただけ。








俺が前とは違うってわかってくれて…それで。










だから俺は何があっても雅紀や二宮社長を

失望させてはいけないんだ。







そして…さとし。









俺を変えてくれたさとしを

俺は一生をかけて恩返しするんだって

決めている。








恩返しの意味が今は

はっきりとわからないけど、

一つわかることはある。







それは…








【さとしを男にする】ことだ。








俺はさとしになら

ケツを捧げてもいいって思っている。








俺の性格上、死んでもあり得ないって

思っていたけど…今は違う。








さとしの童貞を卒業させてあげられるのは

俺しかいないって思うから。










そりゃ、不安はある。







でも、あっちはあっちで

すげぇいいってことは知ってる。







そりゃ、何人も抱いてきた

俺だから言えること。








俺がウマイってのも

もちろんあるだろうけど、

俺に抱かれた男はもう……








って、昔の相手のことは

思い出さないようにしないとな。








俺はさとしに抱かれる立場になるんだから。










幸い、ほぐしは俺の得意分野だ。








それを自分にするだけの話。








さとしは本能のままやるだけ。










だから明日、俺はさとしに抱かれる前に

しっかりと準備しないといけないんだ。









俺が準備万端じゃないと

話にならないからな。











明日、あれであれして…






あれであぁやって…







あれさえしておけば……











「…あれ……あれ……むにゃむにゃ…」








「…翔…寝言がうるさい……。

ってか…ほんと翔って自分勝手だよな。

…俺…まだまだできるのに…。」








俺はうるさい翔の唇を自分の唇で…塞いだ…。