目を覚ました……
あれ……確か……
頭を上げようと思ったら…
「っ、!?」
身動き一つできない…!
よく見ると…
頭の下には…ショウの腕…
後ろからまわってきて…
肩から押さえられているのは
ショウの反対の腕…
背中はピタリと
ショウの体に引っ付いていて…
足は挟まれ動かすことができない…
これって…俺は…【抱き枕】かなにかと
間違われてる!?
それにしても…なんだこの温もりは……
ずーっと昔に感じたような…
懐かしい感覚…
守られている安心感というのか…
こうしてると…いくらでも眠れる気がする……
これが……心の繋がり…ってやつなのか…?
体もショウと繋がって…満たされて…
こうして朝を迎えるなんて…
想像したこともなかったから……
和と暮らしていた時は…
早く朝が来て欲しくて…
でも……今は違う…
朝が来たら…この温もりは離れてしまう…
そう思ったら……寂しくて……
俺は…必死に体を動かした…
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
「…んっ…」
ドキッ!
ショウが…起きた……
それでも俺は…一生懸命
体をショウの方に向けた…
「…大野さん…?」
「……。」
「…起きました?…おはようございます。
…エアコンが効きすぎてて寒くないかなって
心配してたんですけど…」
「……。」
ショウの方に完全に体を向けて…
引っ付いた…
ドキドキ…
「寒いんですね…大変…」
そう言って俺を抱きしめた……
ドキドキ…
「あれ…?…寝ちゃった…?」
「……。」
ドキドキ…
「…俺…」
…??
「…童貞…卒業したんですね…」
ドキッ!
そう言えば…俺…最後までの記憶が……
「…確かに…セックスが
あんなに凄いものだって…
想像以上だったけど……」
…??
「…なにより……自分の初めてが…
大野さんで良かったぁ…」
ドキッ…!
「…チェリーチェリーって…
散々人のことバカにして…」
…え?
「…あの時は…
本当に悔しくて…情けなくて……」
…俺……ショウのこと……
「でも勢いでやらなくてよかったぁ~」
「っ、!?」
「あの3年生の先輩の誘いは
凄かったからなぁ…」
…!?
「何度か揺らいだもんなぁ……」
グイッ!
「わ!」
俺は…下からショウの顎を頭で押した。
「大野さん…?」
「…お前の戯言…全部聞いてたからな!」
ゴソッ…
ドキッ!
ショウの顔が…目の前に来た…!