玄関でいきなり抱きしめられた…
それも強く……
するとなぜか謝る大野さん…
何に対してなのか…気になった…
「……大野さんの…気持ちが知りたい…」
「…っ、…」
「俺のこと…慰めるつもりでとか……
詫びる気持ちとかなら……やめてください…」
「……。」
「俺と同じ気持ちじゃなきゃ…
こんなことしないでください…。」
…言い終わったそばから後悔した。
…理由なんてどうでもいいじゃん…
あの頃と同じだから…
だから……
こっちからお願いすることなのに…
あんな言い方をしたら…
きっと大野さんは止めてしまう…
…きっと…。
「…あの……大野さん…?」
ダランとしていた腕を上げて
大野さんの背中をトントンと叩いた…
「……。」
「…大野さん…?」
どうにか顔を覗き込もうとしたら…
「…っ、動くな…!」
…え?
「…大野さん…」
「…ショウ……俺のこと…抱きしめろ…」
「えっ…」
「…お前も俺のこと…」
言ってる意味がわかって…
腕をゆっくり上げた…
そして…大野さんの背中に腕を回した…。
…ぎゅぅぅう。
「…本当に……いいのか…?」
「えっ…」
「…………好きになって…」
ドキッ…!
「っ、…お…大野…さん…?」
「…俺なんかが…ショウのこと…」
「っ、それって…!」
「…って…往生際が悪いな…俺…」
「…大野さん…?」
「…ショウは…俺が好きか…?」
「っ、…ズルい…」
「んふふ…」
「ずっと言ってるじゃん……好きって…」
「んふふ…そっか…」
「っ、…大野さんは…!?」
「んふふ……好きだよ…ショウ…」
「っ、!!」
これは…聞き間違いとかじゃない!
今…確かに言った!
「っ、もう一回…!もう一回言って!」
俺は大野さんの背中のTシャツを
ぎゅっと握っていた…
「ショウ…」
ゆっくり体が離れた…
ドキドキドキドキ…
恐る恐る大野さんの顔を見た…
すると…
「…顔…見て…言いたい…」
ドキッ…!
「…ショウ…好きだよ。」
…大野さん…!
「好き…うん、好き…やっぱ好きだわ…んふふ」
「……もぅ…いい…」
「んふふ…テレるけど…もっと言いたい…」
「っ、!」
「ショウ…」
ドクン!
大野さんの手が…俺の頬に…
すると大野さんが顔を傾けた…
嘘…これって…
俺は慌てて目をぎゅっと閉じた…。