罪悪感は一週間で薄れ
また寂しさや不安を埋める為だけに
連絡をとる
まるで
そうなることを待ち望んでいたかのように
彼の部屋に上がり込んだ


二度目は もっと深く 深く
脳みそを 溶かして
理性なんて 微塵もなく
自分をただ求めてくれるその人に
全てを預けてしまう



もう 心は どこかへ飛んでいってしまった



でも それでも 体に染み込んでる
懐かしい声や 音楽が
私を 悲しくさせる
どうして こんなことを…?

ただそばにいられれば、
お互いが相手を尊重できていれば、
自分をコントロールできなくて、
相手を責めてばかりで、
得られたものは
やはり 喪失感と虚無感だった


大好きだった 彼の声は違う人のようで
今まで どれだけ 大切にされていたのか
胸を突き刺される痛みで 気づく

もう 選択肢はない

私は独りになるしかない。
昨日過ちを 犯した
心のバランスが 崩れて
寂しさを埋めるために
自分の心に蓋をして
そこに無理矢理 何かを埋めようとした



けど、埋めてみたら
その蓋は バキッと割れて
元の心に 入ってきた
大切な 思い出が詰まる 本当の心に
偽物を 流し入れてしまったのだ



嗚呼。
何て 軽率なんだろう。
こんなにも 後悔して 罪悪感に苛まれて
悪いことをしてしまったと
本当の心の彼に 何度謝っても
もう過ちは 消えない



そんなこと 少しは分かってたはずなのに
見えないふりをして
時を過ごし
寂しさを埋めてしまった



『大好きだよ』
と その日会った彼に 言われて
満たされて
その彼をも 私は置いていく



本当の心の彼は 私を 許してくれるだろうか


いいや。

許すわけがない。


私のために 此処を離れ 頑張っている
結婚したくて 嫌な仕事を 継続している
そんな彼に 何て 言えばいいのだろう


ただ一つ分かることは
私は もう 元には 戻れない
あの頃の幸せは もう 戻ってこない
そして 自分がただただ馬鹿で
自己中心的な そんな 人間ということ

ただそれだけ。


後悔して 苦しめばいい。


もう 幸せは 待っていない。
毎日 突っ伏すような そんな状態
何が足りない?
どうして笑えない?


きっと それは 『幸せが響かない』から。
もう これからを 夢見ることも 
諦めたのさ



けどね けどね
生きていくって うつ伏せのままじゃ
辛いままなんだ

だからね だからね
心に栄養を って何かを求める
本能のままにね


私の本能が臨んだものは
何?

やりたいこと したいこと なりたいもの
沢山あるけど、
そんな遠い未来に向けて 願うなんて
そこまで ピュアじゃないから

『ちょっとでいい 
誰かが 輝いているところを 見たい』

『心が澄んでいて 純粋に 本能のままに
生きることを 楽しめる人を 感じたい』


ただそれだけだった


だから、仕事を初めて早く切り上げ
罪悪感に胸を押されながらも
これが必要なんだと ムチを打ち
高速バスに 飛び乗ったんだ

一年前に 大型ショッピングモールで
流れる旋律 イキイキとした歌声に
心を 奪われた
買い物より その場を 感じる方が
よっぽど 満たされると思った


そんな音楽グループに会いたくて
CDだけじゃ もう足りなくて
会いに行ったんだ



その彼らが 今 どうなってるかなんて
何も不安じゃなくて
そこにいけば それがあると
信じられる そんな存在


ただ そこにいくのか 決めるのも
行くために 足を動かすのも 
自分なんだ


どんなに 彼らに 会いたくても
自分が動かなければ
きっと もう あの時のような
偶然なんて もう来ない


重いドアを押し開ける
それは まるで 今までの 自分のようだった
確かめながら 慎重に 道を選び 
低くて だけど 一定で心地よいベース音が 漏れる 会場の そんな ドア


あけたら キラキラ光るネオンが
やけに眩しくて
辛かった
目眩がした


たくさんのミュージシャンが出たけど
笑えなかった
『大丈夫?』なんて 
逆に心配されたりしてね。


けど、いよいよ彼らが 出てきて
胸は高鳴る
『こわい』
また不安な自分が そこにいて
だけど 時と音楽は一気に流れて
私を 連れ去った


『大丈夫。また笑顔になれるよ。』
『もっと笑顔になって また皆で会おう』


そんな 歌詩。


ありきたりな 言葉でしょ?
読んでいても 伝わらないでしょ?


けどね ズドンと心に落ちた

その…



『大丈夫だよ、また笑顔になれる!』





…そんな言葉が 溢れるメロディーに乗って
アタシの心に 飛び込んできた


久しぶりに 息をした気がした

久しぶりに 周りを見開いた目で見れた

久しぶりに 『笑おう』と思った



そりゃ面白くて 笑うことはある

ただ 愛想笑いに嫌気がさしてた自分にとって

他人に『皆が笑顔だと 嬉しくなる』

とそう言われて

『笑おう』

と思えた そんな自分が 嫌じゃなかった。







きっと これからも 辛いでしょう
すぐには 今を 打破出来ないでしょう

でも、今日 自分の足で 歩いて
彼らに会いに行って
本当に良かった


キラキラ楽しそうな 幸せそうな
そんな本能で 生きてる人を見て
少し 安心したよ。


まだ 大丈夫かな。


ってね。


それは、一筋の光でも
ありがたい。


また心が出口を忘れたら
何遍でも 彼らに 会おう
それが 今 私に出来る
大きな 一歩

そこだけは 無くさないで
大切にしようと想うよ