低俗ヒエラルキー 『人(ひと)』 釣りをすれば釣り 人 になり 一人旅をすれば旅 人 になり 体が小さければ小 人 になり 料理をすれば料理 人 になり 知らない人なら他 人 になり 見張りをすれば番 人 になり 詩を書いてれば詩 人 になり 他人を危めれば殺 人 になり ちんこを出せば変 人 になり それらを全て 演じきれば竹中直 人 になる
メルセデス便器 「ミスドのトングをかちかちする癖が治らんわ」そう言ってジェフは残ったテキーラを飲みきった。それからサブウェイに乗ってスタジアムに向かう。ベースボールの試合はジェフのボルテージを振り切らんとした。その後近くのホテルで仕事や家族の話を少しした後にセックスをしてジェフと別れた。思えばあの時つけてさえいれば今俺が泌尿器科に要ることは無かった訳だが、こうやってロバートと巡りあえていじってもらって。人生ってやつはこれだからおもしろい。
結局のところ富士山は山梨と神奈川どっちのものですか 28年間飲み続けた味噌汁を今日もモノクロの活字を片手に飲み終える。朝露をきらめかす火の玉が顔を見せても背広の目は輝きを知らない。例によってすし詰めの電車に揉まれてまた例によって決められた道をひた走る。満員電車に吐き出された背広は高層ビルに吸い込まれて同属の背広と呼応する。薄っぺらい交わりに厚い建前。短針は一周して背広はタイを緩める。閉じた戸に押し付けられて朝の行跡を運ばれる。曲がった背広は終わらないローンを溜め込んだ扉を重たく開く。扉の奥に言葉は無い。男は缶を傾け喉を鳴らす。自らにリセットを促しまた喉を鳴らす。つまるところは生のコマーシャル