


日曜日、海の環境NPO”OWS”のメンバーと国立科学博物館(科博)新宿分館のオープンラボイベントに行ってきました。

サブタイトルは
「博物館の裏側」
科博の貴重な研究資料の一部を年に一度の特別公開!
ここは上野の博物館展示の前に、収集してきたモノや標本を調査、分類して展示できる状態にするための作業を行っているところ、いわば博物館のバックヤードです。
一見大学の研究室のような雰囲気。
だから普通はもちろん非公開。
それが今日一日だけはまるで文化祭のよーに研究室に展示をして、研究員自身が説明役となるというイベントです。
小中学生や大学生サン、家族連れから中高年の方々まで。
とても幅広い方がお見えでした。
OWSでワタクシが所属しているセミナー委員会はトークセッションの企画、開催がおもな役目。
だからこの日のようなイベントでどのような研究がおこなわれているのかを見聞きして、科学者と接触していくという機会はとても貴重なのです。
ま、でもワタクシのようにそもそも文系のモノからすると、それこそ理科見学状態。
「へぇー!」
「すごーい!」
「わーお!」を
繰り返しているだけでしたけど

たとえば!
この棚、全部ナメコの標本


これらはすでに分類が終わっているものですが、廊下や床にはまだ未分類のものがイッパイ。
背中はOWSのメンバーです。みんなで床に置いてある「テヅルモヅル」の説明を受けているところです。
研究者の方にお聞きすると、分子レベルやDNAレベルでの分類だとか。
ちなみに標本のラベルはほとんど学名しか書いていません。
知ってました?学名ってすべてラテン語の原語って決められているそーです。
ここには海外からの見学者も多いので、和名はいらないのだそーです。
いらないって言われても...
研究者になるには、とりあえずラテン語が読めないとダメダメだということですなー。
これは「リュウグウノツカイ」。
超深海魚で、実際に泳いでいるところはほとんど見られたことがないという幻の魚です。

深海魚は寒い季節には比較的浅いところまで上がってくることがあります。
そんなときに定置網に引っかかってくる場合なんかにこうやって見つかるワケです。
オープンラボの目玉は、
イルカの解体!
今回は今年の1月に鳥取県の海岸に打ち上げられたバンドウイルカの赤ちゃんです。
入場前に希望者にマスクが配られます。
理由はすぐわかりました。
「うっ、すごい生臭い...」
ワタクシはマスクはしませんでしたが、まるで海の中にいるようにずっと口で息をしていました

開催時間いっぱいの4時間をかけて、解剖をしていきます。
ワタクシが入ったときにはすでに内臓は分離されていました。
写真もとりましたよー。
洗浄していない状態ですので、まっかっかです。
ちょっとキモいと思う方もいると思いますけど...。
とりあえずカラダのほう。

肋骨を並べていますね。内臓はもう取り出されています。
解剖者の左腕のすぐヨコにあるのは彼女(♀なの)の舌です。
胃です。

ハンドウイルカには食料を貯蔵するための「前胃」というモノがあるそーです。
広げられている部分がそれです。
ここには消化するための胃液を出す機能がないのだとか。
「へぇー」ボタン押しまくりです。
生殖器の部分。

これを説明してくれるオネーサンは、きわめて冷静に説明なさいます。
たとえば、
「ここで卵子が作られ、ここで受精して、ここから赤ちゃんが出てきます。」
みたいな。
ちなみに「赤ちゃんが出てくる」とおっしゃっているのは、この写真の左側のグレーの部分です。
グレーなのはカラダの皮膚の部分ですな。
だからそこはどこだとは申しませんが...^^;
モチロンお子様もたくさんおられますからね。
科博は独立行政法人です。
今回の事業仕分けの対象にはなりませんでしたけど。
研究者も情報発信の時代なのです。
実際、上手に説明できないと予算がつかない時代です。
プレゼンができない研究者は研究自体が続けられないとゆーことなのですね。
今日の相田みつを
「体験して
はじめて身につくんだなあ」

なんか今日のテーマにピッタリ。
ワタクシもダイビングを体験しなかったら、こんなトコには来なかったでしょうし。