インナービューティーコンシェルジュ

山縣です

 

父の日

 

昨年の11月に父が亡くなりました

2023年9月に癌と診断され約2ケ月後に他界しました

嘘のようなあっという間のできごとでした

 

2023年9月末期がんとの診断を受けました

おそらく肺が原発だろうとのことでしたが

すてに全身・脳へ転移していて

手術も抗ガン剤も難しいと伝えられました

父本人も医師から病気の説明を聞き

入院は拒否していましたが

検査から自宅へ帰ることなく

そのまま入院となり

放射線治療がはじまりました

コロナが落ち着いてきたとはいえ

入院中の面会は許されず

今どうしているのか

食事はできているのか、眠れているのか

痛みはないか、苦しくないか

心配が募るばかりでした

私は毎日手紙を書いて看護師さんを通じて

父に渡してもらい状況を聞く日々でした

父に手紙を書いたのは情けないことに

この時が初めてです

親不孝な私は自分の家庭環境に不満を持ち

一人で生きてきたようなそんな幼い考えで

ずっとどこかに反発心を抱いていました

結婚式で両親に手紙を読む

よくあるその場面に

私は親友へ手紙を読みました

今思い返してもなんてことをしたんだろうと

謝っても謝りきれないことをしてしまったと

心から後悔しています

私は父と一緒に生活をしたことは数年しかありません

ふたりでだけで食事をしたことも一度もなく

父と二人で車に乗ったことが数回あるくらいでした

お父さんと父を直接呼んだ日もいつが最後なのか

思い出せないほどでした

息子が上京してからは私ひとりが実家にあがることは

年に2.3回で父と言葉を交わすことも

あまりありませんでした

ですが亡くなる前のお盆に実家へ行き

笑って父とお酒を飲みました

そのとき父が急に自分のお葬式の話をしました

自分が死んだら誰にも伝えなくていいと

そして何も望んでいないと・・・

笑いながら話していましたが今思うと

父は身体の異変に気が付いていたんだと思います

それから1ケ月も経たないうちに

病気がみつかりました

2週間の入院中一度だけ看護師さんの計らいで

廊下越しですが父の顔を見て言葉を交わすことができました

3メートルくらいは離れていましたが

父は母と私に大きな大きな声で

「心配するな、大丈夫だ。

みんなが良くにしてくれているから」と

言いました

その父の声が涙声で

それでも、たった数秒間に使う言葉が人のことで

父らしいねと母と涙しました

放射線の治療が終わり

今後の方針を決めるとのことで

主治医の先生と面談がありました

余命は1ケ月あるかどうか

脳転移があるので明日も分からないと伝えられました

どうするべきなのか

不安でいっぱいの母を遮り

私は父を連れて帰りますと言いました

先生は強い口調でそれでいいのかと

本人の意思はどうなのかと私に聞きました

私は父も同じ思いですと答えました

先生は看護師さんへ

父をこの場に連れてくるよう指示し

父が連れてこられました

やっとやっと父に会うことができました

何度も何度も面会希望を出していたのですが

叶うことはなく

2週間ぶりにあった父は

とてつもなく小さく

小さく小さくなっていました

私は何をずっとずっと意地になっていたんだろう

そのときやっと気が付きました

本当は嫌いだと思い込んでいたお父さんが

大好きで大好きで

お父さんの大きな器の中に甘えて

反抗して粋がって・・・強がって・・・

そんな無駄な時間を過ごしていたと

主治医の先生が過酷な病状を

父に事細かく説明をしました

先生は父にどうしたいのか問いました

父は笑みを浮かべて堂々と

大きな声で力強く

「私は寿命を全うしました。人生悔いなし!」

そして「家へ帰ります」とそう答えました

死の宣告にあの場であの言葉を

迷いなく言う父に

恐ろしいほどの強さを感じ

私がどれだけかかっても追いつくことができない

潔さだと思いました

私はダメすぎる娘ですが

父の心中は誰よりも分かっているつもりで

父も私なら父の死に向き合い

その道のりを迷いなく進めると

信じてくれていたと思っています

父の最後の日まで私が覚悟と責任をもって

一緒にカッコよく貫こうと決め退院を決断しました

そうと決めると

病院側はすぐに退院の手続きをするようにと

薬もなく在宅の先生も見つからないままの

退院となりました

正直何の知識もないまま病院を出たので

不安だらけでしたが

それよりも父が家に帰れることが嬉しく

そしてそれが正しいと確信をしていました

間違っていると批判されるかもしれない

どんなかたちでも少しでも長く生きるべきだ

最善を尽くすべきだという声があるのだと思います

でもこの決断は私達家族にとって

そして父にとって最善だと今でも思っています

退院の日、私の車の後部座席に乗った父が

隣に座っている母に「もうダメだな」と

小さな声で言っていました

私は聞こえないふりをしていましたが

父が唯一甘えられる人は

母だけだったのだと思いました

家に着いた父はとってもとっても嬉しそうに

リビングの窓から庭を見渡し

感慨深げにしていました

父の好物はお酒にコーヒー

鰻に卵焼き、ドーナツです

退院前に鰻とドーナツを買いに行き

準備していましたが

父が食べれらたのはドーナツ一口に鰻も一口

ペットボトルは自分の力で

持つこともできなくなっていました

でも私は父が死に向かって一歩一歩

歩む姿に恐怖に臆することなく

一緒に最後の日まで

父と歩いていこうとそう決めていました

初めて父の隣を歩くのが死への道のりだとは

私にしかできない使命だと自分で理解し

その役割を制精一杯全うしようと思いました

父が言葉をつかえなくなり

目が見えなくなり

意思を伝えられなくなっていっても

私は父がどうしたいのか

どう思っているのか聞かずとも

その答えに揺るぎない自信があったので

父の代弁者として強くあらねばと思っていました

不謹慎かもしれませんが

私にとって

父が家に帰って死を迎えるまでの約1ケ月が宝物です

この1ケ月、毎日父と会い会話をし

父のベッドで何も口にできなくなった父に

いいでしょ~と冗談をいいながら

隣で食事をし、ウトウト眠ったり

そんな日々が本当に幸せでした

お父さん、お父さんと何度呼んだことだろう

今まで言ったこともなかった愚痴を言ってみたり

一緒にテレビを見たり、新聞を読んだり

父の手をとり私の頭に持っていき

いい子だ!いい子!だとなでなでしてみたり

本当は私はずっとそうしたかったんだと

そうしてほしかったんだと思い知りました

父に優しい言葉をかけてもらった記憶が

あまりありませんが笑

それが私の踏ん張る力になっているのだと思います

亡くなる1ケ月間に何度か

「寂しくないか?」と聞かれました

ずっとずっと寂しかったのに

今頃聞くなんて~と

悔しかったのですが

でも本当は気にかけてくれていたんだと知り

そんなこともわからずに

意地を張っていた自分を恥じました

私にもそして誰よりも自分に厳しい父でしたが

その1ケ月は

私が仕事の重圧の愚痴をいうと笑って

「おれも実はそう思ってた

トップはやりたくないよな」と

今まででは考えられない返答で

父の本当の心が垣間見えました

せん妄がある中でも父が口にした言葉のすべては

人の心配や気遣いばかりでした

私の親友が会いに来てくれたときも

ずっと笑って冗談をたくさん言っていました

そんな父を心から尊敬しています

在宅の先生と訪問看護師さんとの

ステキな出会いもあり

父も私達も苦しくもあたたかい気持ちで

過ごすことができたと思います

父は一度も弱音を吐くこともなく

痛いや苦しいも言わず

当たり散らすこともなく

今までで一番穏やかな1ケ月でした

昨日できていたことが今日はできなくなり

自力でトイレや寝返りもできなくなったとき

悔しそうにしていたことはありましたが

最後の最後まで本当にかっこよかったです

息を引き取った父のベッドのなかで

感じた父の最後の温度をずっとずっと忘れません

父の瘦せ細ったその体は

人にみられるのを嫌がると思い

父が人生でいちばん可愛がった

孫の瑠ときれいに拭きました

その瑠がジジに似合うと選んで買った服を着て

放射線で抜けた髪を気にしていた父に

親友が買ってくれたニット帽を身に着け

颯爽と旅立っていきました

 

この場をお借りして父の生前お世話になった方へ

御礼をお伝えさせてください

本当にありがとうございました

 

プライドが高い父の尊厳を最後まで守りたいという

私のワガママを快く承諾してくれ

尊重してくださった

在宅医療の先生、看護師さん

ありがとうございました

弱った姿を誰にも見られたくないと

そんな父の遺志を守りたいと

私が先生に伝えたとき

先生が

「それでもね、大切な人に会いたいものなんだよ」と

私を諭してくれ私は息子

父にとっての最愛の孫に

死に向かうその姿をみせるという

決断をすることができました

モルヒネは私が責任をもってやりますと

言い切りましたが本当は不安で怖くて

父を苦しめているんではないか

死へ近ずけているのではないか迷ったとき

先生が「大丈夫、いつでも24時間連絡をください

私があなたを守ります」と言ってくださった言葉が

本当に本当に心強く深く感謝しています

ありがとうございました

 

 

 

おとうさんへ

 

お父さん会いたいよ

お父さんごめんなさい

最後の最後までお父さんに

結婚式の手紙のことを謝れなかったの

入院中にいっぱい書いた

ハートだらけの手紙で許してね

お父さんがいなくなって

いろんなことが怖くなって

あんなに気が強いキャラだったのに

泣いてばっかりだよ

お父さんに死に迫ってから

寝るのが怖くなって

今も寝ることが上手にできなくなってしまったよ

なんとかして~笑

お父さん、自分で言ったら怒られるしダサいけど

がんばってるよ私

ちゃんと笑ってるよ

お父さん「たまには人に頼れ、甘えろ」って

言ってたでしょ

自分が傷つくのが怖いから

そうできなかったけどそうするから

ちゃんと信じて頼って甘えて

可愛い人になる

お父さん、お父さんの生き様も死に様も

潔くてカッコよくて

それをお手本として

そのときがきたら

私も死に立ち向かっていこうと思う

お父さんが死に方を教えてくれたから怖くない

でも迎えにきてね

まだまだ来ないで(笑)

そのときはおんぶして連れて行ってね

お母さんが言ってたけど

私のこと

だっこもおんぶもしたことないんでしょ

ひどいな~

だから必ず迎えにきてね

お父さん、かっこいいとか死に様とか

言ったけどさー

ごめんね

お父さんだって怖かったよね

不安でたまらなかったよね

長男で兄弟親戚みんなを引っ張って

会社でもみんなを引っ張って

リラックスする暇なんてなかったね

それなのに

潔くいるしかできなくさせてしまったこと

本当は家族だったら醜いところとか

いっぱい感情をみせてぶつけて

泣いて怒って喚いて当たり散らして

それを受け止め合うはずなのに

お父さんにそれをさせてあげられなかったこと

本当にごめんなさい

お誕生日のケーキも最初で最後

死んじゃう2週間前に初めて買ったこと

ごめんなさい

きっとすごく苦しかったのに

ロウソクふうって頑張って消してくれたね

ありがとう

ここから反撃~

私こんな性格だから言い返す~

私のお誕生日だって

一度もケーキ買ってくれたことないし

何日かも覚えてないでしょ~

お父さんは絶対に私のダメを許さなかったでしょ

弱音を吐いたり愚痴だって言おうもんなら

怒鳴り散らしたでしょ

最後の1ケ月一緒に世の愚痴言って

あれ本音だってなんか笑えたよね

死ぬ間際に仲良くなってさ~

もっと早くダメを言い合いたかったよ

お父さんはお酒飲むと歌って踊って陽気な人なのに

いつしか背負うものが大きくなりすぎて

お酒飲んでも笑わなくなったね

私が近くで支えるべきだったので

逃げたんだ私

お父さん、私が男だったらな~って言ってたよね

お前は根性があるって

でもお父さんにムキになってたから根性出せてた

今はもう出せんわ(笑)

お父さん、また私のお父さんになってね

今度は最強のお父さんの娘でバディーになるよ

お父さんがグータラできるように

ちゃんとするから私

お父さん人生サボったことなんかきっと

一度もないよね

真面目でおっかなくてユーモアもあって

カッコイイお父さん

退院してから私が人生に欲とかないの?って聞いたら

何もない!

すべてはただの通過点だと思ってるから

欲は必要ないって言ってたけど

まだ今の私にはその意味がなんとなくしか

理解はできないよ

瑠にさ「ジジ先行ってるからな」って言ったとき

瑠がジジが先に行ってるって

なんか安心だって言ってたよ

そういわれると私もそう思った

お父さん、私いっぱい笑っていられるように生きる

そんな場所つくる

この世のお父さんの心配事は

私がちゃんと引き継ぐから心配しないでね

お父さん、そっちの世界では

「できません、やりたくありません」とか

キャラにないこと言ってなんでも引き受けないんだよ

サボれ~

髪の毛が抜けたこと気にしてたけど

病気の前から少し薄くなってたよ

言わなかったけど(笑)

お父さん、仏壇にドナーツあげたよ

手続リだからね

お母さんにちょっと経ったら食べなネ~って

言っておいたから(笑)

お父さん、私は結局お父さんをお手本として

生きてるんだなってわかったよ

お父さん、ありがとう

大好きだよ♡

 

まこより

 

 

 



 

 

 

 

 

 

  

 

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株式会社 maje 代表取締役 山縣真樹子

インナービューティーコンシェルジュ

エステサロン【majewel】

内面美容カレッジ【美maje】運営