去年の今頃、私たち日台夫婦はちょうど
台南に帰省中

「コロナウィルスが無ければ今頃は台湾で美味しい物食べてるかも知れないのに
」

いつも基準が食べ物な食いしん坊旦那

「去年は台湾奶奶(お祖母さん)に会いに行ったね。元気にしてるかなぁ」
子供の頃、旦那さんは台湾奶奶と一緒に
暮らしていたそうですが、
アルツハイマーがすすんだ今では
老人介護施設に入所しているそう。
爸爸(パパ)、媽媽(ママ)は数ヶ月に一回位
会いに行くそうですが旦那さんや
弟弟や妹妹も何年も会っていないと
言っていました。
私は過去、同じくアルツハイマーが進んだ
自分の祖母に対して怖いような
悲しいような気持ちがあり
会いに行く事をずっと避けていました。
結局は祖母とはあまり会わないまま
他界してしまいその事を今では
とても後悔しています

お節介ではありますが旦那さんに
同じ後悔をして欲しくなくて
「結婚の報告しなきゃ!」と半ば強引に
嫌がる旦那さんを連れて
台湾奶奶に会いに行きました

昼過ぎに着いたのですが施設内は
とても古く、昼間とは思えない程薄暗く
日本の明るい介護施設を想像していた私は
その様子にショックを受けながら
足元も見えない程暗い階段を登って行きました。
台湾奶奶がいる部屋は相部屋で
中には10床程のベッドがあり
通路も人一人やっと通れる位の狭さ
その部屋の窓側に台湾奶奶は寝ていました。
呻きながら手をバタつかせ、
暴れるからか手首をベッドに紐で結わかれ
擦れた手首が赤く擦り切れていました。
さらにその日は台南でも薄ら寒いのに
窓は全開で扇風機が首も回さずに
ずっと風が当たっていて、
薄いシャツ一枚でオムツ姿の台湾奶奶は
手足が冷たくなっていました。
思わず涙が出そうになるのを堪えて
毛布を掛けながら笑顔で挨拶をしました。
「台湾奶奶、僕だよ?わかる?
今度結婚する人を連れて来たよ!」
旦那さんも堪えきれず泣きながら声を掛ると
「私の孫が会いに来た!本当に私の孫かい?
今日は何て嬉しい日だろう!」と
何度も何度も言い泣きながら
喜んでいました。
「たぶん誰が会いに来たのかも
わからないかも知れないよ」と
媽媽に言われていましたが、
台湾奶奶はハッキリと旦那さんのことを
認識してくれた様でした。
しばらく手を握っていると
台湾奶奶はウトウトと寝始めたので
毛布をかけ直しそっと部屋を出ました。
旦那さん曰く、台湾奶奶が居た施設は
台湾の中で費用が安い施設。
それぞれの国で環境が違うのは
理解しているのですが、
その環境に勝手にショックを受けるのも
失礼なのかな...
でももう少し過ごしやすく
丁寧に気を配って欲しいと
悲しくなってしまいました

「台湾奶奶喜んでたね
ずっと気になってたけど
会うのが怖かった。
寝てる姿ショックだったけど
来て良かったよ、ありがとう
」

「帰る度に会いに来ようよ
楽しみで段々若返っちゃうかもよ!」
そう言った私もなぜか自分の祖母への
後悔を少し償った気持ちになりました。
早くコロナが収束して
台湾に行き来できるのを楽しみに!
自粛生活&台湾語の勉強を頑張ります
