◯ボランティアでも何でも、続けていくことが大事

こちらに来たのは、2012年3月でした。

日本で生活していた時もずっと働いていたので、
配偶者ビザでも申請すれば働けることは知っていましたし、
働きたいとは思っていましたが、色々調べると看護師として働くことはここでは難しいだろうと思い、生活が落ち着いた5月頃から、インターネットでボランティアを探し始めました。

まずはアメリカの続編という感じで、病院のボランティアから。
しかし、残念ながらコンタクトが取れず…。
その頃から、二胡・卓球と趣味も始めました。 

また、私は、看護師以外にIBCLCという国際認定の資格を持っているので、
【IBCLC Breastfeeding Singapore】とネットで検索したところ、
今の職場であるMother and Childが出てきました。

ここは、UKの助産師さんが中心となって、妊娠中から出産後までの様々な
クラスやサポートを行っているところです。

「どんなクラスがあるかな?」と読み進めてみると、授乳中のお母さんたちの集まりがあることがわかり、「私の資格でできることがあるかも」と思い、これまでの経験と、IBCLCの資格が生かせるかもと思いとてもわくわくしたことを覚えています。
早速、メールにてコンタクトしてみました。早速、「翌週に面接にきてください」との回答、そしてその2週間後、たまたま辞める方がいたこともあり、週1日、パートタイムで働くことになりました。
まさか自分の資格で仕事が出来るとは思っていなかったので、嬉しかったです。


また、仕事とは別に、Facebook上で
母乳育児に興味のある日本人ママたちのネットワーク作りと、
母乳育児に関する科学的根拠に基づいた情報の提供をボランティアで始めることにしました。

こちらは、月1回、「おしゃべり会」といって、ママたち同士がおしゃべり、情報交換をしたり、
お友だちを作れるような場を提供しています。

これは、私自身が転勤先で孤独に子育てをしていた経験があり、
「ママたちが楽しく海外で過ごせる助けになれば」と始めた活動です。


◯日本に近いサービスが受けられるシンガポール、でもここは外国。

IBCLCの仕事、ボランティアを通して、多くの人たちとコミュニケーションをとってきましたが、
便利なシンガポールでは、「ここは日本なのでは?」と錯覚を起こしやすいのではと
感じることがありました。

シンガポールは日本人も多く、幼稚園も学校も日本人のためのものがあります。
医療も日本語で受けられますし、日本の食材もほとんどが手に入ります。
これは便利で嬉しいことです。

ただ、外国では色々な面で苦労すること、制限されることもありますよね。
言葉の問題、医療のこと、仕事のこと等…。

日本のものやサービスが手に入りやすい分、どうしても日本と比べがちですが、
根本は外国だというところを忘れてはいけないと思います。


◯皆さんへのメッセージ

「今」の自分を受け入れることができ、自分らしく過ごせることが1番だと思います。

新しくお友だちが出来て楽しい半面、人のやり方やペースに巻き込まれてしまうことも
よく聞きます。
また、情報源がネットであることも多く、個人のブログなどから
偏った意見や情報を得てしまうこともあります。

私も、初めての海外では、焦ることもありました。
現状を受け入れ、自分らしく過ごしている人を羨ましいと思ったこともありました。
でも他の人の成功法というのは、必ずしも自分で当てはまらないので、
自分が心地よく思えるような過ごし方を見つけてください。

また、自分の得意なことや好きなことを活かして、活躍出来る場があれば、
ストレスって減ると思うんですね。
私の場合、それは母乳育児支援でした。そして、こんな私でも
何かできることがあるのではと探していたら、仕事に繋がりました。

チャンスがあれば働きたいな、という思いがあったので、
私の場合は、それで良かったなと思っています。

音楽でも手芸でも何でもいいと思うんですね。

得意なことで、楽しめる環境を作っていって、自分らしく過ごしてもらいたいなと思います。
小さな一歩でも、自分のペースでいいんです。

続けていくことで必ず未来は開けると思いますよ。