何だろう

気の効いた言葉というか……

お洒落な会話?

智くんの言葉が、どんどん洗練されていく。

元々無口な彼は

あまり、言葉を知らないと言っていたし

相手のある会話も

決して器用だとは思えなかった。

だけど

最近の彼は、どんどん良くなってて



というか、自分好みの青年になってきている

もちろん、子供っぽい彼も好きだけど

嬉しくなるような言葉も

躊躇なく彼の口から飛び出すようになっていた。

そして

本気で、俺との暮らしを考えるようになっていた。


やはり住むところは自分で、探そう。

内覧とかも、してみたいし。

『何考えてるの~💓』


突然黙ってしまったオレを、不思議に思ったのか

甘えるように

それが当たり前のように、膝に乗ってくる。


あっ、こらっ

「嬉しいんだけどさ。智くん。いつこんな甘えかた習ったの?」

『習ったなんて……意地悪だな。

翔くんがそうさせているんじゃないか』

拗ねたように

ちょっと口を尖らせて、嬉しい事を言ってくれる


あなた。

気がついてないの?

相葉だけじゃないでしょ?

松本も、密かに狙ってることを


気がついていても、気がついてない素振りなのか

わからないけれど。

オレには、常につきまとう不安がある。

どれほど、彼の口から『翔くん。愛してる』

と、言われても

安心感が付き添う喜びとは、少しだけ違う


そして、そんな事を考えている

ヤキモチ焼なオレのこと

わかってる?


愛していれば、素直に生まれる

一緒に暮らしたいという、感情が

純粋なものではなくて

少しだけ、いや、かなり

あなたを自分だけのものにしたい。

という、彼を縛りつける行為



『しょお?』

「あぁ。ごめん……」

キスしたい


チュッ……ぴちゅ

『はぁ、しょお』

チュッ

彼の舌が絡まる

「う……ぅん。」


徐々に力が抜けていく

彼の体を、何度も抱きしめながら

2人のキスが続いていった