小学校高学年の頃だったと思う。
朝、友達と近所を軽く走る時期があった。
母は、仕事でお客さんから集金したものをリュックに入れ
それを会社に持っていく予定だったのだと思う。
お札が、たくさん入っているのは分かった。
そのリュックを背負い、友達の家へと向かった。
家族は寝ていた。
友達の家に着くと、家の外にリュックを置いた。
そして、そのまま友達と一緒に走り出した。
それほど長い時間ではなかったと思う。
戻ったときには、リュックはもう無かった。
家に帰ると、母にそれを持って行ったのかと聞かれ頷いた。
会社へ連絡を入れ、謝罪をしているようだった。
悪いことをしてしまったという気持ちは無かった。
なぜ、そのようなことをしてしまったのかも、分からなかった。
ただ、家が貧乏だということだけは分かっていた。