3月8日のことである。
1月の中旬から私は体調を悪くし
酷い貧血も併発し、久々に歩行困難にまで陥っていた。
酸素が不足するため、10年前の発症時より
疲労を回復しきれずに溜まる一方の筋肉を抱え
それで酷使するため筋肉が疲弊しすぎ硬直している。
その日も脳に酸素が行き渡らす眠れずにいた。
就寝したのが2時をとっくに過ぎたあたりだった。
それでもいつも習慣で6時には目覚めるのだ。
朝に近づいた辺りに夢を見た。
広大な荒廃した土地に立っていた。
ひび割れ黄土色をし、草がしょぼしょぼと生えている大地。
そこに誰かの声が響いた。
春が来る前に大地を耕しなさい。
私のほかに二人ほど農夫らしき人がいて
めいめいで手分けして土を掘り返し、空気を入れる。
かちこちだった大地がどんどんと柔らかになって行く。
そこで目が覚めて仰天した。
私は一体何をしているのだろう。
掛け布団が半ばずれて右足がむき出しになり
その足を両手で抱えるようにして押さえ
指で大腿部から膝、膝からアキレス腱にかけて
硬直している筋肉をほぐしていた。
なんとなく、うっすらと記憶にあるような気がする。
何度も何度も、指がだるくなっても押し続け
大腿部の10年も硬直していた大腿三頭筋
そしてアキレス腱の外側は
私の指で弾力を取り戻しているではないか。
気がつけばもう、指はだるさを通り越していた。
プロの指圧師から私は二年ほど指圧を教わった経験があるが
ここまで執拗に何度も自身を指圧したことは無い。
以来、日中も眠くてしょうがなくなった。
まだまだ気温が氷点下が続く東北の地で
私の身体は春眠を覚えたのだった。
体の中から声がする。
大いなる春への準備だよ、と。
木々たちが私に伝えたGreat Springはもうじき。
長く長く続く春が来るよ。彼らはそう言った。
きっとそうなんだ、と思えた。
ちょっと不思議な話ばかりです。話が続いている場合もあります。
