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髪はぼさぼさ、スーツもよれよれの女性
目にはくま
必死の形相でPCを叩き、コピーに回し、その書類を急いでまとめて廊下を早歩きで急ぐ
『強くて自立した、カッコいい女になりたかった―』
『篠原なぎさ 36歳 旅行会社勤務』
ホワイトボードの前に立つなぎさ
ホワイトボードには「女子会プラン」の文字。
なぎさ「この内容で、社長と提携会社からの許可が取れました」
3
社員たち。手元には分厚い資料(なぎさが2Pで印刷していたもの)
社員1「(小声で)うわー、よくやるー」
社員2「(小声で)このプラン、たくさんのとこ回れるのはいいかもだけどスケジュール詰めすぎだよね」
社員1「(小声で)女子会の意味分かってんのかな。おしゃべりする暇もないじゃん」
社員2「(小声で)ほら、女子って年じゃないから…」
なぎさ「ここは雑談の場じゃないんだけど?」
社員1・2「すみませーん」
(ここの社員1か2をライバルの女性にしてもいいかと思います)
なぎさ「デザインの方は出来てるの?」
女性社員「あ、はい…」
提出されたデザインを見るなぎさ
なぎさ「このデザイン、女だからってピンク使うのやめた方がいいかも」
4
女性社員「ピンクもいいと思いますけど」
なぎさ「そういうの古いから! 今の社会で通用する訳ないでしょ」
なぎさ、女性社員のデザインをホワイトボードに張り出し、上から大きく×を描く
女性社員、席に戻る。
女性社員「(小声で)ジェンダーレスな社会とは言え、あの恰好は女捨てすぎでしょ」
着飾った女性社員、なぎさの後ろを通りすぎる
女性社員「お疲れ様でーす」
なぎさ「あっ…たっく、仕事まだ残ってるのに」
5
大沢「手伝いますよ」
なぎさ「大沢!」
『彼は大沢良輔-頼れるよき後輩だ』
大沢「今日はいつもより早く終わりそうなんで、飲み行きません?」
なぎさ「いいねぇ!」
6
ホテルでキスしてる二人
なぎさ『あれ…なんでこんなこと…』
7
朝
大沢「・・・」ドア閉めて出ていく
寝たふりしてたなぎさ『ええええーーーー!?』
8
会社で目が合いニコッと微笑む大沢
ドキッとするなぎさ
なぎさ『知らなかった、大沢って私のこと…』
9
会社の喫煙所
大沢「昨日はすいません」「これからも、こういう関係続けてもいいですか?」(あくまで「付き合いたい」とは言わない)
主人公「えっ…うん///」(告白だと勘違い)
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オフィス
ぼーっと幸せそうな表情のなぎさの後ろを女性社員が通りすぎていく
女性社員「お疲れでーす」
なぎさ「ㇺッ」
…とするが、自分が幸せであることを思い出し、勝ち誇ったような笑みになる。
なぎさ「…まあ今日だけは許してやるか」
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大沢「先輩ーお疲れ様です、差し入れです」
なぎさ「あ、ありがと…」
『毎日恋する暇もないと思ってたけど…
自分らしく仕事頑張ってれば、ちゃんと愛してくれる人はいる』
『知らなかった…愛されるって、こんなに幸せなことなんだ』
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『それから、私と大沢の関係は続いた』
大沢とのラブラブな妄想
なぎさ『今はまだ身体の関係だけだけど…あと二ヵ月もしたら仕事も楽になるし
そしたら大沢とちゃんとデートして、結婚の話もして』
なぎさ単独コマ。私服。
なぎさ『子供ができても、バリバリ働きたいな』
なぎさ『実家の両親には「仕事ばっかりして…」なんて言われてたけど、結婚して子供生めば文句もないでしょ』
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なぎさ『あの女だって見返してやれるし…』
現実に戻ってくる。なぎさの部屋。(休日)
なぎさ『…そうだ。指輪の下見に行っちゃおっかな!』
街を上機嫌に歩くなぎさ
なぎさ『高級ブランドはマストでしょ。絶対あの女に見せびらかしてやりたいし…』
ハッと目をみはるなぎさ
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大沢と腕を組んで歩く女性社員
幸せそうな二人
大沢「そろそろ両親に紹介したいなって思ってるんだけど…」
女性社員「えっ、いいの…!?」
大沢「もちろん。君しかいないって思ってるから」
女性社員「嬉しい……」
大沢「…そうだ。この通りにジュエリーショップがあったよね。指輪の下見に行かない?」
女性社員「行く!」
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なぎさ「・・・・ああああ」
その場で大泣き
『本当は男の人に愛されたかった、守られたかった』
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ホテルのラウンジ
フェミニンな格好したなぎさ
お見合い相手「今日はどうもありがとうございます」「すみません、ボクこういうこと慣れてなくて…」
なぎさ「大丈夫です、私もですから」
メイクバッチリな顔で不敵な笑み