髪はぼさぼさ、スーツもよれよれの女性

目にはくま

必死の形相でPCを叩き、コピーに回し、その書類を急いでまとめて廊下を早歩きで急ぐ

『強くて自立した、カッコいい女になりたかった―』

 

『篠原なぎさ 36歳 旅行会社勤務』

ホワイトボードの前に立つなぎさ

ホワイトボードには「女子会プラン」の文字。

なぎさ「この内容で、社長と提携会社からの許可が取れました」

 

3

社員たち。手元には分厚い資料(なぎさが2Pで印刷していたもの)

社員1「(小声で)うわー、よくやるー」

社員2「(小声で)このプラン、たくさんのとこ回れるのはいいかもだけどスケジュール詰めすぎだよね」

社員1「(小声で)女子会の意味分かってんのかな。おしゃべりする暇もないじゃん」

社員2「(小声で)ほら、女子って年じゃないから…」

なぎさ「ここは雑談の場じゃないんだけど?」

社員1・2「すみませーん」

(ここの社員1か2をライバルの女性にしてもいいかと思います)

なぎさ「デザインの方は出来てるの?」

女性社員「あ、はい…」

提出されたデザインを見るなぎさ

なぎさ「このデザイン、女だからってピンク使うのやめた方がいいかも」

 

4

女性社員「ピンクもいいと思いますけど」

なぎさ「そういうの古いから! 今の社会で通用する訳ないでしょ」

なぎさ、女性社員のデザインをホワイトボードに張り出し、上から大きく×を描く

女性社員、席に戻る。

女性社員「(小声で)ジェンダーレスな社会とは言え、あの恰好は女捨てすぎでしょ」

 

着飾った女性社員、なぎさの後ろを通りすぎる

女性社員「お疲れ様でーす」

なぎさ「あっ…たっく、仕事まだ残ってるのに」

 

5

大沢「手伝いますよ」

なぎさ「大沢!」

『彼は大沢良輔-頼れるよき後輩だ』

大沢「今日はいつもより早く終わりそうなんで、飲み行きません?」

なぎさ「いいねぇ!」

 

ホテルでキスしてる二人

なぎさ『あれ…なんでこんなこと…』

 

大沢「・・・」ドア閉めて出ていく

寝たふりしてたなぎさ『ええええーーーー!?』

 

会社で目が合いニコッと微笑む大沢

ドキッとするなぎさ

なぎさ『知らなかった、大沢って私のこと…』

 

9

会社の喫煙所

大沢「昨日はすいません」「これからも、こういう関係続けてもいいですか?」(あくまで「付き合いたい」とは言わない)

主人公「えっ…うん///」(告白だと勘違い)

 

10

オフィス

ぼーっと幸せそうな表情のなぎさの後ろを女性社員が通りすぎていく

女性社員「お疲れでーす」

なぎさ「ㇺッ」 

…とするが、自分が幸せであることを思い出し、勝ち誇ったような笑みになる。

なぎさ「…まあ今日だけは許してやるか」

 

11

大沢「先輩ーお疲れ様です、差し入れです」

なぎさ「あ、ありがと…」

『毎日恋する暇もないと思ってたけど

自分らしく仕事頑張ってれば、ちゃんと愛してくれる人はいる』

『知らなかった…愛されるって、こんなに幸せなことなんだ』

 

12

『それから、私と大沢の関係は続いた』

 

大沢とのラブラブな妄想

なぎさ『今はまだ身体の関係だけだけど…あと二ヵ月もしたら仕事も楽になるし

そしたら大沢とちゃんとデートして、結婚の話もして』

 

なぎさ単独コマ。私服。

なぎさ『子供ができても、バリバリ働きたいな

なぎさ『実家の両親には「仕事ばっかりして…」なんて言われてたけど、結婚して子供生めば文句もないでしょ』

 

13

なぎさ『あの女だって見返してやれるし…』

 

現実に戻ってくる。なぎさの部屋。(休日)

なぎさ『…そうだ。指輪の下見に行っちゃおっかな!』

 

街を上機嫌に歩くなぎさ

なぎさ『高級ブランドはマストでしょ。絶対あの女に見せびらかしてやりたいし…』

ハッと目をみはるなぎさ

 

14

大沢と腕を組んで歩く女性社員

幸せそうな二人

大沢「そろそろ両親に紹介したいなって思ってるんだけど…」

女性社員「えっ、いいの…!?」

大沢「もちろん。君しかいないって思ってるから」

女性社員「嬉しい……」

大沢「…そうだ。この通りにジュエリーショップがあったよね。指輪の下見に行かない?」

女性社員「行く!」

 

15

なぎさ「・・・・ああああ」

その場で大泣き

『本当は男の人に愛されたかった、守られたかった』

 

16

ホテルのラウンジ

フェミニンな格好したなぎさ

お見合い相手「今日はどうもありがとうございます」「すみません、ボクこういうこと慣れてなくて…」

なぎさ「大丈夫です、私もですから」

メイクバッチリな顔で不敵な笑み

 

『タイトル未定』

12または16p

 

表紙

 

2~4

忙しく仕事してる女

髪はぼさぼさで飾り気もない

『強くて自立した、カッコいい女になりたかった―』

 

(一般企業に勤めたとこのないため、仕事風景が思い浮かばず)

『篠原なぎさ 36歳 ○○部チーフ?』

 

若い着飾った女、メイク直して「お疲れ様でーす」

なぎさ「あっ…たっく、仕事まだ残ってるのに」

 

5

大沢「手伝いますよ」

なぎさ「大沢!」

『彼は大沢良輔-頼れるよき後輩だ』

大沢「今日はいつみより早く終わりそうなんで、飲み行きません?」

なぎさ「いいねぇ!」

 

ホテルでキスしてる二人

なぎさ『あれ…なんでこんなこと…』

 

大沢「・・・」ドア閉めて出ていく

寝たふりしてたなぎさ『ええええーーーー!?』

 

会社で目が合いニコッと微笑む大沢

ドキッとするなぎさ

なぎさ『知らなかった、大沢って私のこと…』

 

着飾った女「お疲れでーす」

なぎさ「ㇺッ」

 

大沢「先輩ーお疲れ様です、差し入れです」

なぎさ「あ、ありがと…」

『毎日恋する暇もないと思ってたけど…

自分らしく仕事頑張ってれば、ちゃんと愛してくれる人はいる』

『知らなかった…愛されるって、こんなに幸せなことなんだ』

 

10

『それから、私と大沢の関係は続いた』

なぎさ『今はまだ身体の関係だけだけど…あと二ヵ月もしたら仕事も楽になるし

そしたら大沢とちゃんとデートして、結婚の話もして』

『子供ができても、バリバリ働きたいな。(他にも妄想)』

ハッと目をみはるなぎさ

 

11

大沢と腕を絡み歩く同僚女

幸せそうな二人

なぎさ「・・・・ああああ」

その場で大泣き

『本当は男の人に愛されたかった、守られたかった』

 

12

ラスト、着飾った姿で婚活?

『絶対、大沢よりいい男を捕まえてやる―』

『夕暮れドリーマー』

 

表紙

 

教室

『私がそいつと会ったのは、高校二年の春だった』

教師「じゃ、一番から自己紹介―」

一条「はいっ」

一条「一条啓太です!映画監督目指しています!どうぞよろしくお願いします!」

ぼんやり一条を見つめる理央

『なんてまっすぐに夢を語るんだろうと思った』

 

放課後の教室(夕暮れで薄暗い)、人物は二人きり

夢中でコンテを描いてる一条に声をかける理央

理央「一条ってさ、映画監督目指してるんだよね?私も…女優目指してるんだ」

ぽかんと顔をあげて理央を見つめる一条

 

一条「…っすげーよ!すげーじゃん宮村!!一緒にがんばろーぜ!!」

がばりと乗り出してきて、にっこり笑う一条

つられて微笑む理央

『それから私たちは、毎日放課後喉が枯れるまで語り合った』

夕暮れの教室、人物は二人きり

 

一条「この古山清一(こやませいいち)監督ってさ、最初は自主制作で始めてミニシアターで公開してさ

   それが口コミで大ヒットして今は日アカ常連監督!すげーよな」(DVDを理央に渡す)

一条「俺もさ、古山監督みてーになりてーなぁ…」(窓の外を見つめる)

 

その顔に目を見開き見とれる理央

 

一条「な、なーんてな!忘れて今の!!」

理央「…ううん。一条なら、きっとなれるよ。だから、そのときは私も出演できるように頑張る」

 

『高校卒業後ー私はフリーターをやりながら劇団に、一条は映画の専門学校に進んだ』

小劇場の控室

劇団員「宮村ちゃーん、お客さん」

理央「えっ?」

一条「よっ」

花束を持った一条

 

理央「い、一条!?」

一条「初公演おめでとさん。ってことでささやかながら」

理央「全然ささやかじゃないし!でも…ありがとね」

劇団員「あれーもしかして宮村ちゃんの彼氏?」

理央「ぜんっぜんそんなじゃないし!」

一条「宮村の高校の同級生です!いちお、映画監督志望です!」

劇団員「えーすごー」

理央「ごめ、ちょっと集中したいからあとでね」

一条「おー頑張れよー」

 

劇団員「本当に何でもないの?もしかして宮村ちゃん好きだったり?」

理央「違うから!あいつはただの…」(何だろう?)(一条は私にとって―)

舞台で演じる理央

客は数人

客席から観てる一条

 

10

帰り道、理央にラインが届く

一条からの長文感想LINE

くす、と笑う理央

『ずっと、一条と一緒に夢を追いかけていけると思ってた』

 

11

『22歳―』

居酒屋にて

理央「え、AⅤ?」

一条「そーそー、先輩に誘われてさ!素人モノ撮ってみたらこれがすっげー儲かんの!やっぱ時代はエロだなエロ!」

ぐびりとジョッキを煽る一条

 

一条「けっこう俺の作品好評みたいでさー、次はちゃんとした女優の一本撮らせてくれるって!あの悠木みなみだぜ!?宮村は知ってる?悠木みなみ」

理央「あー…SNSでよく炎上してる…」

一条「なんだ詳しいじゃーん!こないだ事務所で話したけどすんげーいい子でさー。あと星川きらりちゃんって子とも話して…この子もすげー有名な子なんだけど、女優目指しててⅤシネにも出たことあるって言ってた!宮村と絶対気が合うと思う!」

 

12

『私は今、誰と話しているの?』(背景真っ黒・絶望的な表情)

 

一条「あとは―」

理央「じゃあ一条、もう映画撮らないの?」(大き目のフォント)

 

ぽかんとする一条

まっすぐ一条を見つめる理央

 

13

一条「いや、映画はもちろん撮るよ!映画監督は俺の夢だから!ただ、今自分の作品が世に出るのがすげー楽しいんだ。映画撮るには金も稼がなきゃいけねーし。今の仕事やりつつ、落ち着いたらのんびり撮りたいって感じかな!」(明るく・期待に満ちた表情)

理央「・・・・・・・そっか、頑張ってね」(諦めたような作り笑い)

 

14

『それから私は、一条との交流を絶った』

一条のツイッターのフォローを外す理央。biоには「映画監督目指してます!毎日いろいろなことに挑戦中★」

『劇団の稽古、オーディション、エキストラに毛の生えた仕事…できることは何でもやった』

(ここのシーンもダイジェスト風に)

『それでも結果が出ることはなく、六年が過ぎた―』

 

15

『28歳―』

映画館の椅子に座り、ぼんやりしてる理央。

スクリーンには女優が映っている。

『結局、向こう側には行けなかったな』

『精一杯やってきたのは、夢を叶えたかったから?一条を見返したかったから?』

『一条は、今も映画作ってるのかな』

『いいなぁー。男の人は。いくつになっても夢追いかけられて…』

 

16

スクリーンに「監督 古山清一」の文字

ぱっと明かりがつく劇場

理央の隣に座ってたのは一条だった。

 

理央「い、一条っ!?」

一条「…宮村」

理央は驚き、一条はぽかんとしている。

 

17

理央「ぐ、偶然だねー!あっ古山監督のファンだもんね!」

一条「あ、ああ…」

理央「今も、AⅤ撮ってるの?映画も作るんだよね!エキストラでいいから出演させてよー!」

ヤケになって笑顔の理央

『ちょうどよかった。今日負けを認めて、一条のことも芝居のことも全部忘れよう―』

 

18

一条「…俺さ、宮村の芝居すげー好きだったよ」(まっすぐスクリーンを見てる。澄み切った表情)

理央「え…」

一条「いつも全力で一生懸命で、俺みたいな途中で逃げた半端者とは違う。俺は一生、宮村には勝てないよ」

『その言葉を聞きたかったハズなのにーどうしてこんなに、胸が苦しいの』

理央「な、何言って···あたしなんて全然駄目でオーディションだって受からないし

   それに、もう芝居辞めたんだ。こないだ結婚したの」

一条「おー、そっか···幸せになれよ」(驚きつつもやさしい表情)

 

19

席を立ちあがる一条

一条「じゃ、仕事あるから行くわ」

理央「あ、うん…」

 

人混みに消えていく一条。その背中を見て

理央「一条っ!!」

驚いて振り返る一条

 

20

理央「頑張れよっ!!」(拳を突き上げる)

一条「おー」(にへら、と拳を上げる)

 

『きっと私たちは、友達でも恋人でもなく〝同志〟だった』

 

21

暗い帰り道、一人で歩く理央

『私の知らないところで、一条はちゃんと区切りをつけていた』

『あの夕暮れの教室に取り残されていたのは、私の方だった』

『私も、前に進まなきゃ』

 

22

すっきりした顔で上を向く理央

がちゃり、とマンションのドアを開ける

理央「ただいまぁ」

 

(ラスト、誰もいない夕暮れの教室のカット)

 

『年下彼氏(男子)に溺愛されてしまいました!?』

 

男「先輩…」女を壁ドンしている

(雨村小梅35歳、ただいま大ピンチです―)

男「俺と付き合ってくれませんか?」

 

(え?ええええーーーっ)

(彼、小野原颯太君は、新卒の22歳)

(仕事も出来てルックスも良くて、女子社員から大人気なのに)

(そんな彼がなぜ私を―!?)

 

小梅「な、なに言って!?年上をからかうのも大概にしなさい!」

颯太「えー、俺本気っすよ?」

小梅「で、でも理由がないじゃない!君に好かれることした覚えはないわ」

颯太「え?理由なんかいちいちいらなくないですか?」

小梅(恐るべきz世代!!)

 

颯太「そんなに信じてもらえないなら―」

小梅の手を取る

颯太「俺、先輩に本気だってこと照明してますから」

流し目

小梅(ドキッ)

(何なのよ、もー!!)

 

真っ暗な夜

小梅「すっかり遅くなっちゃった」

颯太が待っていた

小梅「小野原くん!?」

颯太「先輩、よかった…」

小梅「何でこんな時間まで?小野原くんの班とっくに終わったでしょ?」

颯太「だって…どうしても先輩に会いたくて」

小梅(ドキッ)

颯太「一緒に帰りましょう!駅まででいいですから」

小梅(もし…もし本気なら、なんて一途な子なんだろう)

 

そのあとも、小野原くんのアタックは続いた※ダイジェスト

颯太「え、いいんですか?」

 

小梅「何度も言わせないでよ。付き合ってもいいって言ってるの」

颯太「や、やったー!」思わず小梅にハグ

小梅「ちょ、誰か来たら…」

颯太「あ、すいません!あんまりにも嬉しくて…」

小梅「もう…」(私もそろそろ―幸せになってもいいのかな)

 

颯太「あ、お帰りなさーい!」

小梅の家で料理をしている

小梅「わ、おいしそう。ハンバーグ?」

颯太「もうできますんで、お風呂入ってください!湧いてますから」

小梅「ありがと」

 

お風呂

小梅「ふーっ」

(ほんと、私にはもったいないくらいの彼氏…)

(私ももう―幸せになってもいいんだよね?)

 

男「ごめん、別れてくれ」

小梅「待って!いかないで!話を聞いて」

男「うるせーな」「俺は他の女と幸せになるんだよ!」

どんっと小梅を突き放す

小梅「リョウジ―!!」

 

小梅、はっと目を覚ます

隣には颯太

小梅(大丈夫、私には颯太がいるんだから―)

 

小梅「おはよう」

颯太「おはようございます」

小梅「待っててね、朝ごはん作るから」

颯太「その前に、お話いいですか?」

小梅(え、これってもしかして―)

颯太「小梅さん」

 

颯太「自首してください」

小梅(え?)

 

小梅(何でバレ…?)

颯太「これ、あなたが片倉亮二を殺したときの凶器ですよね。押し入れにしまってありました」

ビニールに入ったタオルにくるまれた包丁を見せる

小梅(!!)

颯太「それから風呂場もルミノール反応が光ました。あそこでリョウジの遺体を解体して外に運んだんじゃないですか?」

小梅「ちょ、ちょっと待って!」

 

小梅「あなたは一体誰?リョウジのこと何で知ってるの?」

颯太「俺はあなたの元カレ・片倉亮二のいとこですよ」

小梅「!!」

颯太「ずっと不思議だったんだ。結婚が決まって幸せそうだったリョウジが、何で急に失踪したのか。

ずいぶん前から別れた彼女にしつこく復縁されてると相談されて…だからあなたと同じ会社に入り、あなたに近付いた」

 

颯太「ちょっと強引に迫っただけであなたは簡単に落ちてくれた。おかげで合鍵も手に入りすぐに真相がわかりましたよ」

小梅「っ…!」

颯太「口封じしようとしても無駄ですよ?ここに来ることは既に両親に話してありますから」

小梅「…殺すつもりなんてなかった!ただ…リョウジとやり直したかっただけなのに!」

 

颯太「・・・・・・」憐れむ目

泣き崩れる小梅

モノローグ()※何かいいのがあれば

「不倫の代償」16p

 

① 1…タワマンのカット

 2…料理してる女 (私は山田花子 24歳)(新婚3ヶ月の専業主婦です)

 3…料理のカット 花子「よしっ、できた」

 

 ② 1…男「おはよー」 ガチャとドア開ける 

2…花子「おはよー!太郎くん!ご飯できてるよ」 太郎「おー、サンキュ」 

3…花子「今日も遅くなる?」 太郎「んー、多分な」 (旦那様の太郎くん)(32歳でいくつもの美容サロンを営む実業家!) 

 

③ 1…太郎「じゃ、行ってくる」 花子「あ、待って」 

2…花子「行ってらっしゃいほっぺキス (今は人生で一番幸せ!) 

3…花子「暇だなーネトフリでも観よ」

 

④ 1…花子「あ、そーいえば私に届いてた手紙」 

2…花子「誰からだろ?」 

3…花子「え」 

4…花子「何これ…」 手紙と写真のカット 手紙「あなたの夫は不倫している」

 

⑤ 1…花子「コラ?じゃないよね…」 (確かに最近帰りも遅いし、夜も全く求めて来ないけど…) 

2…手紙、ぐしゃと丸めて 「バッカじゃないの?」(仮にこれが本当だとしても―)

3…花子(浮気くらい男は当たり前でしょ?私が妻なんだから堂々としてればいいのよ!)

 

⑥ 3コマ日常のカット (一人で寝る花子、朝ごはんを食べる太郎、送り出す花子) 

花子(いつも通りの日常を送っていれば、いつか私のとこに帰ってきてくれる、いつかきっとー)

 

⑦ 1…女の胸のカット 太郎「ごめん」 

2…3人でソファ座って 太郎「別れてくれ」 

 

⑧ 1…花子絶望顔 太郎「花子のことは今でも好きだ!だけど、それ以上に大切な人ができてしまった」 「もちろん君を傷付けた罪は償う!慰謝料だって君の欲しいだけ払わせてもらう」 

2…花子「何言ってるの?そんなの許せるわけないよ!ねぇ、何とかやり直せないの!?」 

3…女「あたっあたしが悪いんですぅ…太郎さんを、好きになってしまったから」 花子「あなたは黙ってて!」 

 

⑨ 1…太郎「…すまん」

 2…太郎「子どもができたんだ」

 

⑩ 1…花子(それを聞かされたら、黙って引き下がるしかありませんでした) 

2…母「だからあんな男とは別れろっていったじゃない!」 

3…母「帰ってきな」 

4…花子(そのあとは実家に帰り、三ヶ月ほど休んで就職活動を始めました) 

 

⑪ 1…花子(コールセンターの仕事は厳しくもやりがいがあり、次第に過去の傷は癒えていきました)

 2…花子(それでも一つだけ、ある思いがずっと頭の片隅にありました) 喫茶店のカット 

3…男「いやー、クロっすね!真っ黒っす!」

 

⑫ 1…男「やっぱり不倫してましたよー元夫さん!相手はカットモデルの18歳!」 2…男「この春高校卒業したばかりで今はガールズバー勤務。女優志望でそこそこ有名なインスタグラマー、まぁ今どきの女の子っすね!奥さん子育て中だっていうのによくやりますよ」 3…男「でも別れた夫の不倫調査なんて珍しいっすね!ひょっとしてまだ未練でも?」 花子「…いえ」 ⑬ 1…花子「ありがとうございました」 2…手紙のカット 花子(今ならよくわかる 3…ポストの前 (誰があの手紙を書いたのか)

 

⑭ 1…あれはきっと、あの時泣かせた太郎の奥さん

 2…泣いてる奥さんカット 

 

⑮ 1…ポストのアップ 花子(不倫をする男も、他の女の男を奪う女も、幸せになってはいけないの)

 2…花子(私は報いを受けた、だから次はー)ポストから立ち去る花子

「同人アパートの幻想と現実」17p

 

夜、四戸アパートのカット

アニメのイケメンたち「そう、僕が」「勇気をあげるから~♪」

ぴぎゃあああとはしゃぐ四人の女

 

101号室 花房あいく「蓮きゅんっ…マジ尊い」

102号室 ちょめ「やっぱ海くんは仁くんの隣じゃなきゃね~」

201号室 大五郎「推しが可愛すぎて生きるのがつれぇ」

202号室 小鳥ぴよこ「もはや英治は神…」

大人気女性向けアイドルソーシャルゲームアイドリッシュ★すたーず!

私たちは熱狂的なアイ★すたファン兼同人作家

なぜ私たちが同じマンションにいるのかというと―

 

花房さんの親戚のオーナーが引退することになり、

花房さんがオーナーを引き受けることになった。

そこでSNSで交流があったアイ★すたファンを呼ぶことにしたのだ

 

花房「よし!上映会のあとは原稿会!準備はいいか皆の衆」

三人「おーーー!!!」

大五郎「わ、ぴよこさんもうそんなに進んだの?私なんか全然…」

ぴよこ「えー、そんなことないよー」

毎週末は花房さんの部屋に集まってお祭り会?(ほかにいい言い方あれば)

ちょめ「食べるー?」(お菓子を差し出して)

ぴよこ「あっ、ありがとう!」

 

笑顔のぴよこアップ

ぴよこ(ずっとこんな毎日が続けばいいなぁー)

 

会社のカット

ぴよこ「ふぁ~」

受付嬢の同僚「宮本ちゃん今日も寝不足?」

ぴよこ「あっ、夜中まで映画見てて!」

同僚「ふーん、なんの映画?」

ぴよこ「えっ、えーと」「タイタニック!」

同僚「あー泣けるよねー」

ぴよこ(表の社会では本当の自分なんか出せない)

 

ぴよこ(私が素を出せるのは、あのアパートの中だけだ―)

夜アパートのカット

ぴよこ「えっ、結婚!?」

大五郎「そうなのー実は同窓会で高校時代好きだったクラスメイトと再会してーまだ付き合って二ヵ月なんだけど」

ぴよ「へーなんかドラマみたい!」

ちょめ&花房「・・・・・・・・」

 

花房「なんかさー裏切りって感じだよね」「や、別に結婚するのはいいよ?けど何で二ヵ月も黙ってたのかなーって。いくらでもいう機会あったじゃん」

ちょめ「わかるー」

花房「だいたい交際二ヵ月で結婚て!さすがに別れるよねー」

ちょめ「だよねー」

三人で卓を囲んでいる

ぴよこ(…なにこれ)(これは本当に花房さんとちょめさんなの?)

 

花房「しかもさー、最近大五ハッ郎さん魔術大戦にもハマってるじゃん?」

ぴよこ(ハッ)

花房「どこがいいのかねーあんなパクリ漫画!そりゃ確かにアニメのクオリティは高いけどさー」

ちょめ「ねーわかるー」

ぴよこ(…言えるわけない)(実は私も、魔術大戦にはまってるなんて―)

 

部屋でパラパラ漫画を見るぴよこ

ぴよこ(そりゃ、他の作品のパクリっぽいとこもあるけど、そんなの手垢が付いたテンプレ設定だし)

(キャラもストーリーも勢いがあって面白いし)

(こっそり作った魔術大戦のアカウントーやっぱり旬ジャンルだけあってアイ★すたよりも断然見てもらえる)

(それに何より、魔術のフォロワーさんたちの距離感がちょうどよく感じる)

ピンポーン

 

ドアを開けるぴよこ

ぴよこ「ちょめさん!?どうしたの?」

ちょめ「これ、ぴよこさんのアカウントだよね?」

魔術大戦のアカウントをスマホで見せる

ぴよこ(ギクッー絵柄でバレたか!)

ぴよこ「あの、これは…」

ちょめ「・・・・・・・・・」

 

ちょめ「あたしもね!魔術大戦好きなんだ!推しはリンきゅん!」

ちょめ「今度さ~コラボカフェ一緒に行こうよ!あっもちろん花房さんには内緒でね?限定コースター欲しいしさー。リンきゅんのぬいも連れて行ってあげたいし!あと劇場版の公開もそろそろじゃない?一緒に観に行こうよ!できれば初日に行きたいな~」

ぴよこ(女って…オタクって…心底めんどくせー!!!)

 

一年後-

朝、アパート

ぴよこ(…もう十時か~)

スマホチェック

ぴよこ(魔術大戦、舞台化…)(興味ないや)

―あれから一年

 

魔術大戦は人気カプの一人、主人公の相棒リンが死亡

主人公のサンボはあっさりぽっと出のヒロインと交際

この展開にネットは荒れに荒れ魔術界隈から去る者が続出した

私もその一人-

部屋を片付けるぴよこ

段ボールの山

ぴよこ「よし、こんなもんかな」

ぴよこ「あ、アイ★すたのdvd…まだ残ってたんだ」

ぴよこ(アイ★すたも今では好きなジャンルではあるのだが―)(もうあの時のような情熱はない)

 

最近は大五郎さんがいた部屋に花房さんのフォロワーが入り、アイ★すたに出戻ったちょめさんも一緒に

週末は賑やかになってるらしい

ハイツ○○に居づらくなったころ、転職を決めて引っ越すことにした

そんな中今でも大五郎さんとは連絡を取り合っている

今度生まれた赤ちゃんに会いに行く予定だ

 

ぴよこ「あ、ヒコーキ雲!」

今は推しもいないし創作もしてないけど、一番自分らしく生きてる気がする

ぴよこ「よーし、頑張るぞ!」

『夕暮れドリーマー』

 

要約

ひそかに女優を夢見る高校生・理央(りお)。

堂々と映画監督になりたいと主張するクラスメイトの一条に惹かれる。

一条に夢を打ち明け、距離を近づける理央。

放課後は、毎日教室で夢を語り合った。

高校卒業後も、お互い夢を追い続けるが一条はAⅤ監督になってしまう。

それでも夢を諦めない一条に愕然とし、距離をとってしまう理央。

それから理央は自分なりに頑張るも、結局女優にはなれなかった。

偶然一条と再会し、彼もまた、とっくに夢を諦めていたことを知ったのだった。

 

 

教室

『私がそいつと会ったのは、高校二年の春だった』

 

教師「じゃ、一番から自己紹介―」

一条「はいっ」

 

一条「一条啓太です!映画監督目指しています!どうぞよろしくお願いします!」

 

ぼんやり一条を見つめる理央

『なんてまっすぐに夢を語るんだろうと思った』

 

放課後の教室(夕暮れで薄暗い)、人物は二人きり

夢中でコンテを描いてる一条に声をかける理央

理央「一条ってさ、映画監督目指してるんだよね?私も…女優目指してるんだ」

ぽかんと顔をあげて理央を見つめる一条

 

一条「…っすげーよ!すげーじゃん宮村!!一緒にがんばろーぜ!!」

がばりと乗り出してきて、にっこり笑う一条

つられて微笑む理央

 

『それから私たちは、毎日放課後喉が枯れるまで語り合った』

夕暮れの教室、人物は二人きり

 

一条「この古山清一(こやませいいち)監督ってさ、最初は自主制作で始めてミニシアターで公開してさ

   それが口コミで大ヒットして今は日アカ常連監督!すげーよな」(DVDを理央に渡す)

一条「俺もさ、古山監督みてーになりてーなぁ…」(窓の外を見つめる)

 

その顔に目を見開き見とれる理央

 

一条「な、なーんてな!忘れて今の!!」

理央「…ううん。一条なら、きっとなれるよ。だから、そのときは私も出演できるように頑張る」

 

『高校卒業後ー私はフリーターをやりながら劇団に、一条は映画の専門学校に進んだ』

小劇場の控室

劇団員「宮村ちゃーん、お客さん」

理央「えっ?」

一条「よっ」

花束を持った一条

理央「い、一条!?」

一条「初公演おめでとさん。ってことでささやかながら」

理央「全然ささやかじゃないし!でも…ありがとね」

劇団員「あれーもしかして宮村ちゃんの彼氏?」

理央「ぜんっぜんそんなじゃないし!」

一条「宮村の高校の同級生です!いちお、映画監督志望です!」

劇団員「えーすごー」

理央「ごめ、ちょっと集中したいからあとでね」

一条「おー頑張れよー」

 

劇団員「本当に何でもないの?もしかして宮村ちゃん好きだったり?」

理央「違うから!あいつはただの…」(何だろう?)(一条は私にとって―)

舞台で演じる理央

客は数人

客席から観てる一条

 

帰り道、理央にラインが届く

一条からの長文感想LINE

くす、と笑う理央

『ずっと、一条と一緒に夢を追いかけていけると思ってた』

 

『22歳―』

居酒屋にて

理央「え、AⅤ?」

一条「そーそー、先輩に誘われてさ!素人モノ撮ってみたらこれがすっげー儲かんの!やっぱ時代はエロだなエロ!」

ぐびりとジョッキを煽る一条

 

一条「けっこう俺の作品好評みたいでさー、次はちゃんとした女優の一本撮らせてくれるって!あの悠木みなみだぜ!?宮村は知ってる?悠木みなみ」

理央「あー…SNSでよく炎上してる…」

一条「なんだ詳しいじゃーん!こないだ事務所で話したけどすんげーいい子でさー。あと星川きらりちゃんって子とも話して…この子もすげー有名な子なんだけど、女優目指しててⅤシネにも出たことあるって言ってた!宮村と絶対気が合うと思う!」

 

『私は今、誰と話しているの?』(背景真っ黒・絶望的な表情)

 

一条「あとは―」

理央「じゃあ一条、もう映画撮らないの?」(大き目のフォント)

 

ぽかんとする一条

まっすぐ一条を見つめる理央

 

一条「いや、映画はもちろん撮るよ!映画監督は俺の夢だから!ただ、今自分の作品が世に出るのがすげー楽しいんだ。映画撮るには金も稼がなきゃいけねーし。今の仕事やりつつ、落ち着いたらのんびり撮りたいって感じかな!」(明るく・期待に満ちた表情)

理央「・・・・・・・そっか、頑張ってね」(諦めたような作り笑い)

 

『それから私は、一条との交流を絶った』

一条のツイッターのフォローを外す理央。biоには「映画監督目指してます!毎日いろいろなことに挑戦中★」

『劇団の稽古、オーディション、エキストラに毛の生えた仕事…できることは何でもやった』

(ここのシーンもダイジェスト風に)

『それでも結果が出ることはなく、六年が過ぎた―』

 

『28歳―』

映画館の椅子に座り、ぼんやりしてる理央。

スクリーンには女優が映っている。

『結局、向こう側には行けなかったな』

『精一杯やってきたのは、夢を叶えたかったから?一条を見返したかったから?』

『一条は、今も映画作ってるのかな』

『いいなぁー。男の人は。いくつになっても夢追いかけられて…』

 

スクリーンに「監督 古山清一」の文字

ぱっと明かりがつく劇場

理央の隣に座ってたのは一条だった。

 

理央「い、一条っ!?」

一条「…宮村」

理央は驚き、一条はぽかんとしている。

 

理央「ぐ、偶然だねー!あっ古山監督のファンだもんね!」

一条「あ、ああ…」

理央「今も、AⅤ撮ってるの?映画も作るんだよね!エキストラでいいから出演させてよー!」

ヤケになって笑顔の理央

『ちょうどよかった。今日負けを認めて、一条のことも芝居のことも全部忘れよう―』

 

一条「…俺さ、宮村の芝居すげー好きだったよ」(まっすぐスクリーンを見てる。澄み切った表情)

理央「え…」

一条「いつも全力で一生懸命で、俺みたいな途中で逃げた半端者とは違う。俺は一生、宮村には勝てないよ」

『その言葉を聞きたかったハズなのにーどうしてこんなに、胸が苦しいの』

理央「な、何言って···あたしなんて全然駄目でオーディションだって受からないし

   それに、もう芝居辞めたんだ。こないだ結婚したの」

一条「おー、そっか···幸せになれよ」(驚きつつもやさしい表情)

 

席を立ちあがる一条

一条「じゃ、仕事あるから行くわ」

理央「あ、うん…」

 

人混みに消えていく一条。その背中を見て

理央「一条っ!!」

驚いて振り返る一条

理央「頑張れよっ!!」(拳を突き上げる)

一条「おー」(にへら、と拳を上げる)

 

『きっと私たちは、友達でも恋人でもなく〝同志〟だった』

 

暗い帰り道、一人で歩く理央

『私の知らないところで、一条はちゃんと区切りをつけていた』

『あの夕暮れの教室に取り残されていたのは、私の方だった』

『私も、前に進まなきゃ』

すっきりした顔で上を向く理央

がちゃり、とマンションのドアを開ける

理央「ただいまぁ」

 

(ラスト、誰もいない夕暮れの教室のカット)

 

※ラストは映画館ではなく同窓会でも

⑮「世界で一番ピュアな恋」

16~32pくらい

 

主人公のアキラは、ゆめちゃんと高校生のころから付き合っている大学生

しかし性的な行為は一切していない(もちろんキスも)

ゆめちゃんは、ハチ〇ロのはぐちゃんみたいなゆるふわガール

好きだけど、彼女に嫌われたくない…でもこのままじゃ結婚しても子どもも作れない!

 

ということを、女の子に相談する

アキラと女の子はお互い事後で半裸

女「そんなに彼女としたいならハッキリ言えばいいのに」

アキラ「いやだ!ゆめちゃんに嫌われる!」

女「ま、女は元から性欲薄いようにできてるからねー

でも、好きな男に迫られたらほとんどの人が拒否しないと思うけど」

アキラ「・・・・・・・・・」

女「で、延長料金いい?」

アキラ「…ハイ」

※女は風俗嬢

 

アキラはいつものようにゆめちゃんとピクニック

そこで思い切って打ち明けるのだった―

 

宇宙人くん宇宙人くん宇宙人くん宇宙人くん宇宙人くん宇宙人くん宇宙人くん

ピュアピュアな少女漫画的カップルの裏で

どうしても無視できない現実問題といったテーマ

ラストは別れるのでも付き合うのでも、どっちでもアリかと

 

 

⑬「かわいくなくちゃダメですか?」

ページ数…16~32p

ぽっちゃり女子春奈

彼女は外見に囚われないありのままの自分を愛してくれる王子様を探していた

ある日女友達のぞみの紹介で、イケメン男子スグルと、ぽっちゃり男子啓太と友達になる

スグルにアタックする春奈

もちろん啓太には目もくれない

そんなとき、啓太の一言で自分も相手の外見しか見てなかったことに気付くのだった

 

ハリネズミハリネズミハリネズミハリネズミハリネズミハリネズミハリネズミ

テーマはアンチルッキズムのアンチ

なんだかんだイケメン×ぽちゃ女子の作品が多いので、逆張りしてみました

ラストはダイエットして改めてスグルにアタックでも

啓太とラブラブエンドでも