朝、下に降りたら妻が大掃除をしていたので僕がコーヒーを淹れ、テレビをつけたら見逃してしまっていたドラマの一挙再放送が始まったばかりだった。
慌てて録画のセットをして、そのまま見ていたら
「何見てるの?」
妻が睨んでいる。忙しいのに僕がテレビを見て笑っているのが気に入らないらしい。
「逃げ恥」
「なに、それ?」
「逃げるは恥だが役に立つ、去年大ヒットしただろ」
「あぁ、あの子(新垣結衣)が出てるドラマね、面白いの?」
「ウン、見てみ?」
コーヒーを置いてやったら休憩がてら見始め、1話が終わる頃には
「面白い!」
2話が始まってもそのまま見ている。
「見ちゃうの? 録画してるんだけど」
僕は用があって出かけなくてはいけないので、後で見ようと思ってたのに
「いいわよ、あなた出かけて」
「あ、そう…」
2話の途中まで見て仕方なく出かけた。
2時間ばかりして帰ってきたら、妻はケラケラ笑いながら5話を見ている。
「ずっと見てたのか?」
「だって面白いんだもん」
すっかりハマっている。
「大掃除は?」
「してるわよ、ちゃんと」
「そう…(かな?)」
家の中は地震と台風と竜巻がいっぺんに来たみたいになっている。
「これ何時に終わるの?」
「4時半。なぁ、最後まで見る気なのか? 」
「掃除もしてますよ、ちゃんと」
と隣の部屋に行ったので、テレビを消した。
「なんで消すのよッ!」
妻が慌てて戻って来た。
「俺途中見てないからこの先見たらつまんないじゃん、だから全部録画で見ようと思って」
「私は見てるんだからテレビつけて」
「でも掃除してるんだろ?」
「しながら見てるの! 早くつけてよ、わかんなくなっちゃうから」
俺なんか2話の後半から5話の途中まで見てないから、もっとわかんねぇよ! とは言えず、仕方なくテレビをつけた。
こうして妻はケラケラ笑いながら掃除をし、僕はなるべくドラマを見ない様にテレビから遠い所を掃除して、なんとか夕方には掃除が終わり、紅白を見ながら一年の締めの焼肉を食べている。



