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夏の金曜日

「夏の金曜日は、せいぜい7回くらいしかない。」

今年、そんな企画を僕は、小さな商店街のキャンペーンのために、作った。

企画は、なかなか、盛況だった。




だけど、真夏の間、

僕は、秋と冬に向けて、

そんな7回の金曜日達を、

タイトなビキニの女性ではなく、

タイトなスケジュールの仕事らと過ごしていた。




8月27日、ようやく、仕事も落ち着いた。

今年は、猛暑だったが、その暑さも秋の落ち着きを払っている。




ビールをよく飲んだ。

たいていは近所の居酒屋に独り。

僕は、世間の夏を少し盛り上げようと、企画をした。

でも、僕の金曜日は、水曜日のように過ぎていた。




それでも仕事が好きだ。

さて、今日も、秋の話をしに行こう。

僕の作業で、少しでも・・・

このクライ世の中を、新しく、秋らしく、できればと。




そして、席を立ちクライアント先へ向かおうとすると、上司に呼ばれた。

「君の7回の金曜日が果てる前にね。」



チケットを渡された。

石垣島へのエアーチケットと波照間島の宿泊券があった。


・・・親父ギャグ。アラフォーのキャリア女性。

(美人なのにオヤジなんだよな。)



リーマン史上、最高に忙しい年に、リーマン史上、初めての上司の労い。



僕の目の前には青い海が広がった。

「自分史上最高ビーチ」彼の有名CDが言っていた憧れの地。



気が利いたのか利かないのか分からないが、二枚ある。



3月、A先輩の送別会で話した彼女のことを覚えていたのだろうか。



その彼女なら、今年の夏、3回目の金曜日に、

さよならを言われた。


僕よりも、

少し大きな商店街の仕事をしている男と

付き合うらしい。


大きな商店街の主役は、

華やかな女性タレントが、

「去年の夏は、もうイラナイ。」

という言っている。




だから、僕の金曜日は、

去年の金曜日ではなくて、

水曜日のようなのかもしれない。



去年のことを考えた企画。

それが、今年の企画。



・・・でも僕は、今、秋を思う。
想い耽る。



その人は、僕の企画を見て、

「私は、秋の方が好きなんだけどね。」

と言っていた。



夏の金曜日も少ないけれど、

人生において、秋の回数も多くない。



僕らの業界の寿命は65歳だと聞く。

僕は35回くらいしかないのか・・・。


貴女の、

38回目の秋を、

僕に預けてくれないかを、

聞くことにした。

(終)

※フィクションです。上司はアラフィフの男です・・・(涙)

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