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マーケティングには限界はない、しかしデータマイニングにはある。

※ずいぶん、昔に書いたものですが、見ていただいている人の考える一部になれば。
姉さんと話してて懐かしくなり、題材的に、今にフィットしているものをコピペ。
ただこの課題は、既にセブンイレブンは解消している。


「POSシステムとロジスティックシステム」の限界と今後についての考察

「POSシステムとロジスティックシステム」では、消費者の変化、本音を知ることはできず、イノベーション(あまり好きな言葉ではないですが)に対応できない。つまりは一定期間のチャネルマネジメントは可能だが、企業成長には繋がらず、気づかないうちに、競合他社に飛び越えられる。
もちろん、POSシステム・ロジスティクシステムは、チャネルマネジメントに多大な貢献をした。それによってマーケティングはさらに精緻化され、消費者目線での商品供給を行うことを可能にした。企業は自社の製品が「売れない」事実にだけは、素早く気づくことができる。ただこのシステムは消費者の深層心理の難しさをさらに発見してしまったのだ。実は売られた実績の前(POSデータ)に、消費者の微妙な心理変容を見つけ出したのだ。そして、今、マーケティングの最前線は、商品を手に取る瞬間の心理に左右されはじめている。

私たちは、1日どれくらいの商品に触れているだろうか。
20代後半・未婚・会社員・年収並の典型的なM1(このセグメントにも限界はあるが)男性のライフスタイルにて考察すると、CVSで2,500品目~3,000品目、GMS(トイレタリ含む)で5,000品目、家電量販店でも300品目ある。ほか百貨店、町の商店街、専門店を含めると10,000品目を超える。(出典:労働政策研究所)
 この品目の中から消費者は、最寄品、買回品、嗜好品を選んでいる。経済学者言うように、「人は合理的な決定のもと、商品を選んでいる」のであれば、POSシステムほど有能なシステムはない。それに合わせてロジスティックを組み合わせれば、「消費者のための桃源郷」が完成され、企業も消費者も皆幸せである。しかし、これが全くの理想論であることをマーケティングは知っている。この多量な製品を前にしても、消費者は欲しいものがないこともあるし、仕方なく買ってしまっている事実もある。
 
 ケースを想定したいと思う。とある週末、ある男が、六本木のエストネーションにて、水色のバルバのYシャツを買いに出かけた。(偉くセレブな設定ですが)しかし、その日、バルバの水色はエストネーションにはなかった。彼は銀座のBarneys New Yorkにはあることを知っている。しかし、再来週、2年間通い続けたトイレタリーメーカーの年間販促コンペには、新しいシャツを着て行きたい。相手は社長をはじめとする重役だ。だからといって、この後に予定があるため銀座に行く時間もない。仕立てを考えると、今日ここで他の色を買わなければ、間に合わない。「仕方ない、今回は白にしよう。」と決める、心の中で、「非合理的に六本木を選んだこと」を悔やみながら。店員は笑顔で「ありがとうございます。」と挨拶をし、「やはり、バルバは売れるなぁ。」と思いながら、白のバルバを卸しに追加で一枚注文するだろう。しかし、彼が欲しかったのは、水色のバルバである。白ではない。でも購入履歴は残り、新たに同じ白のシャツが注文された。彼の心の中には、「六本木のエストネーションは、バルバの品揃えが悪い。」と認識され、次回はBarneys New York銀座に行くだろ。コンペに負けたらなおさらだ。
 コンビニにだって同じことは起こる。「明星 一平ちゃん」を購入したかったのに「日清 UFO」を仕方なく買う人はいる。「グリコ チーザ」を肴にワインを飲もうとしていたのに、売り切れで「なとり チーズ鱈」を買った場合は最悪である。菓子類でなく、おつまみを余分に頼んでしまう。

 このようなケースがCVSで1日延べ1,000人程(出典:セブンイレブン平均来店者数)の消費者に起こる。結果、消費者の本音を捉え切れなかった誤報によって、次週には全く売れない商品が揃うお店ができあがる。これは喜劇にも悲劇にもならない。
 極端な例ではあるが、このようなことは、多数起こっている。新製品導入期には、特に起こる。新商品はとりあえず作ったら売れる。しかしそれを好調と勘違いし生産数を増やすと売れなくなる。昨今、ビールメーカーは往々にしてこのケースに陥るので、新商品を出し続けるしかない状況に陥っている。
 しかし、「サントリー プレミアムモルツ」は、ビール業界のフォロワーでありながら、勘度の高いマーケティングセンスによって、継続的に売れる商品に仕上げた。エビスが売れ続けているというPOSシステムを見ていたサッポロは、サントリーが狙った新商品(イノベーション?)には気づかず、現在は影を潜める存在になった。

  マスマーケティングからセグメンテーションマーケティングまで、ある一定量以上の消費者を対象としたチャネルマネジメントにおいて、POSシステムとロジスティックシステムは大いに活用できた。しかし、さらにマーケティングは面白いことになっている。「買いたいのに買えなかった人」を今後どう捉えていけばいいか。チャネルマネジメントの革新は、消費者の心の中を探らなければいけないという大きな課題を残した。