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リアルタイム・ウェブの底力

人からのメモ。凄く興味深い。

マイクロソフトがグーグルによって、脅威を感じているように、今度はそのグーグルが脅威を感じる世界が展開されようとしているのですね。技術革新とともに世の中の流れも速くなり、人がそれに振り回されようとしています。これからの世界・・・どうなっていくのでしょうか。
リアルタイム・ウェブの底力
ネット業界の次なる大金脈か?
2009年8月25日 火曜日
BusinessWeek
米ツイッターなどのリアルタイム・ウェブ企業が投資家の注目を集めている。詳細な個人情報がリアルタイムに集まるなど、広告主への魅力は大きい。収益化の成否は不透明だが、グーグルを脅かす

存在になるとの声もある。




 ニューヨークに本社を置くネットメディアのインキュベーター、ベータワークスの共同創業者でCEO(最高経営

責任者)のジョン・ボースウィック氏(43歳)は穏やかな語り口に高揚感をにじませる。同氏は“つぶやき”と呼ば

れる短いメッセージを交換し合う大人気のミニブログサイト、米ツイッターの出資者だ。同社以外にも21社のリアルタイム・ウェブ企業への出資や育成を手がける。




 “リアルタイム・ウェブ”は、ツイッターでのつぶやきやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手の

米フェースブックでの近況報告をはじめ、様々なサイトでのニュース、リンク、動画の共有のようなネット上で

のリアルタイムな交流活動を意味する用語だ。「ネット世界で全く新しい次元のイノベーションが始まろうと

している」とボースウィック氏は語る。




 起業家や投資家にとっても新たな夢の舞台となる。「ウェブ2.0」の生き残り組や、ネット広告、電子商取引が

軒並み苦戦する中、リアルタイム・ウェブをグーグルをも超え得る次の金脈と見ている。同分野は新しく定義も

曖昧なため、どれだけの資金がどれほどの会社に投じられたかは把握できない。だがリアルタイム・ウェブを

標榜するベンチャーは何十社もあり、投資家の関心を集める。




 早い時期から米グーグルやツイッターを支援してきたエンジェル投資家、ロン・コンウェイ氏は、今後18カ月で

リアルタイム企業40~50社への投資を目指す。ツイッターでリアルタイムに割引を提供する小売業者、“つぶやき”の内容に応じた広告を載せるマーケティング会社など、この業界は少なくとも50億ドル規模に達すると見る。




 リアルタイム・ウェブ関連なら何でもよし、とするような投資熱が盛り上がったきっかけは、今年ツイッターが

4回目の増資で3500万ドルを調達したことだ。ここでは同社の価値は2億5000万ドルと評価されていた。5月に

開かれたツイッター主催の会議で、司会者が聴衆に「5~10年以内にツイッターの時価が、現在65億ドルの

フェースブックを超えると思う人は?」と問いかけたところ、大半が手を挙げた。

熱狂の背景には合理性も
 彼らは先走っているのかもしれない。ツイッターは収益化の方法を模索し始めたばかりであり、成否は

不透明だ。SNSとリアルタイム活動を提供するフェースブックも、人気を収益に結びつけるのに苦労してきた。




 単なる熱狂のようだが、合理性はある。ここ2~3年でネットのリアルタイム性を高めるような進展が複数あった。




どこでも高速インターネット接続ができる環境の実現、iPhoneのような完全なブラウザーを搭載したモバイル

端末の増加、さらにメッセージやデータを瞬時に送信できるような新たなネット技術の登場といったことだ。




 ツイッターのサイトには6月、4450万人が訪れ、ほぼ同数がほかのサイトやソフトウエアを通じて同社の

サービスを利用する。フェースブックでは2億5000万人の稼働会員が毎週10億点もの動画や写真を共有する。




 実際には“リアルタイム”という呼び方にはやや語弊がある。そこでの活動の多くは電話のように本当にリアル

タイムなものではなく、友人とリンクを共有するといった交流活動も、即時性と同じくらい重要な要素だ。こうした活動には通常、ユーザーの住所や年齢といった個人情報が付随するため、リアルタイム・ウェブの収益化に

おいてカギを握るものと言える。ユーザーのつぶやきや共有する情報は、その関心や意図を示す有力な

手がかりとなる。




 こうした新種のデータは、従来ネットを支配してきた検索エンジンやより変化の少ないサイトの手の及ばない

情報源からもたらされる。だからこそグーグルのような既存のネット業界のリーダー企業にとり、脅威となる。

リアルタイムの情報は同社のコンピューターには捕捉しづらい。同社のアルゴリズムは、ほかから多数のリンクを張られたサイトを重要と判断するが、リンクが一定の数に達するには数日、時には数週間かかることもある。




 グーグルは主要なリアルタイム・サイトを巡回し、検索用の索引をつける頻度を高めており、検索結果にツイッターでの活動が表示される回数は増えている。ただフェースブックもツイッターも自社のサービスを使った活動

のデータの多くを公開しておらず、すべてに索引をつけることはできない。




 広告主にとり、リアルタイム・サービスは近い将来、検索エンジンと並ぶ潜在顧客へのアクセス手段となる

可能性もある。既に一部のサイトでは、グーグルは主要なトラフィックの源ではなくなっている。今のところ、

広告会社にはグーグルの利用を減らす意向はないが、リアルタイム・サイトの利用者が増え、広告主がターゲットを絞るためのデータが集まるようになれば、広告費の流れは変わるはずだ。

有望なリアルタイム検索
 既に検索内容と広告をマッチングさせるビジネスモデルの有効性が実証されているため、リアルタイム業界

で最も注目される分野は検索だ。ワンライオット*1は、何十社もあるリアルタイム検索企業の1つだが、

ユーザーの発言内容に加え、ツイッターなどの交流サイトで共有するリンクも検索対象にする。CEOのキンバル・ムスク氏は「マイケル・ジャクソン」のような注目トピックは、短時間で繰り返し検索されるため、広告掲載の

機会が増えると語る。「従来の検索エンジンは図書館のようなものだ。リアルタイム検索は正しい結果を即時に

示す」。




 大手検索エンジンも手をこまぬいてはいない。グーグルのサーチ技術担当バイスプレジデント、ウディ・マン

バー氏は、ウェブの少なくとも主要な部分については数分単位で索引化していると話す。5年前は数カ月単位

だった。今後は対応をより迅速にする。「ユーザーに重要な情報がウェブに書かれたら、数秒以内に知らせる

ようにする」。




 ボースウィック氏は今年、「次の創造的破壊の犠牲者はグーグルか」と題したブログを書き、ツイッターが最新ニュースの検索や会話の場として支配的な地位を占めるようになれば、グーグルは敗者になり得ると指摘した。




 タイムワーナーの元幹部だった同氏は2年半前、かつてAOLで同僚だったベンチャー投資家のアンドリュー・バイスマン氏とベータワークスを創業した。投資家から集めた1000万ドルは数社の立ち上げのほか、多数のベンチャーへの投資に充てた。




 同社の投資先はリアルタイム・ウェブ業界で生まれたばかりのベンチャーの名鑑のようだ。現在の投資先には、ウェブのアドレスをツイッターの文字制限に合わせて短縮するビット・ドット・リイ*2、リアルタイムで株式

談義をするストックツイッツなどがある。ボースウィック氏はリアルタイムのデータが様々なサービス間を自由

に行き交い、その過程で価値が高まっていくような“生態系”の創出を目指す。




 こうした価値がどのように生まれるかは定かではなく、一部の投資家は様子見を決め込む。だが進んでリスクを取る者も多い。「資金はあり余るほど集まるだろう」。ネットマーケティング会社リプライズメディアの共同CEO、ピーター・ハーシュバーグ氏は語る。「だが勝利を手にする者は一握りだろう」。




*1=OneRiot。コロラド州ボルダーに本社を置く
*2=bit.ly

Robert D. Hof
(BusinessWeek ,(C) 2009 Aug. 17