今年のGWをみなさまはいかが過ごされたのでしょうか?石油の高騰で、海外へ行くにも国内をドライブするにも大変なGWだったと思います。僕はと言えばGW明けに二日間お休みを頂き、二日目にお台場へと繰り出しました。浜辺を歩いたりスーツ以外の服を眺めたり、いい気分転換になりました。


さてさて、今日はスーツのバランスについてお話したいと思います。スーツにはキレイに見えるバランスが存在します。それを主に担っているのは、上着丈と股下の長さです。上着丈は衿の縫い目から上着の下まで。股下は太ももの付け根から裾口まで。その二つの長さの比が1:1で、かつ上着でお尻が隠れるのがキレイに見えるバランスだとされています。


最近のスーツはどんどん細くなっていて、上着丈も短くなっています。みなさまがお持ちのスーツはいかがでしょうか?振り返って鏡を見ても、ねじれた分着丈が変わってしまうので、正面を向いたまま上着の裾がどこにあるか触ってみてください。お尻がちょっと顔をのぞかせているスーツだと、その分上着丈が短くなっています。するとどういう風に見えるのか。上着丈:股下=上半身の長さ:下半身の長さなので、答えは簡単です。脚が長く見えます。上着丈が短い分1:1のバランスは崩れますが、せいぜい数センチの違いです。身長175センチの僕のスーツを例に出すと、上着丈が70センチで股下が76センチで、差は6センチです。6センチと言ってもあまりイメージが沸かないと思いますが、実際2センチ違うだけでかなり印象は変わります。


それでもやはり年配の方は長めの上着丈を好む傾向があるようですが、最近の若者は体型も変わってきているので、ちょっと上着丈の短いスーツを着るだけで、細身の方は本当にスタイルがよく見えます。ただ女性がカジュアルで着るジャケットのような、あまりにも上着丈の短いスーツはビジネス用には向かないので、注意が必要です。もしかしたら年配の上司にも気に入られないかもしれません。次回スーツを購入される際、鏡の前で横を向いて、上着丈と股下のバランスに気にしてみてください。きっといい買い物ができるはずです。


takuya

突然ですが、フルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーは、それぞれどう違うのでしょうか。


初回の今日はこの違いをざっと説明したいと思います。先述の三つはどれも「オーダーメイド」として一つにくくることができるのですが、ちょっとずつ違いがあります。


パターンオーダーを簡単に言ってしまえば、デザイン、スタイル重視のオーダースーツです。そのスーツの持っている特長を壊すほどの寸法の変更はできない、ということです。例えば細身のスーツを恰幅のある方が着ようとして、度を越えてウエストの寸法を変えていけば、自然とそのスーツが本来持っているシルエットを壊してしまいます。つまりパターンオーダーのスーツを仕立てる場合は、本来そのスーツが持っているシルエットを活かしつつ、袖丈を出したり詰めたり、ウエストを微妙に変えたりして、ジャストサイズで着るべきなのです。

しかしそうは言っても人間の体型というのは他の動物と比べてそう大きな違いがなく、黄金率と呼ばれるものが存在し、同じようなバランスで身体が形成されているので、ほとんどの方が、パターンオーダーでジャストサイズのスーツを仕立てることが可能、ということです。


ならばどうしてイージーオーダーのスーツやフルオーダーのスーツが存在するのか。これらのオーダースーツはパターンオーダーと比べて、より大きく寸法を変えることができるのです。つまりスーツが本来持っているシルエットやデザイン以上に、お客様の要望を優先させることができるのです。しかしながらそこには一つの危険性が潜んでいて、それは要望に応えていったがゆえに、スーツの見栄えをかえって悪くしてしまう可能性があるということです。

加えて極端になで肩の方や猫背の方のように、姿勢などに特徴があってスーツを着ると、本来ではシワが生じない箇所にシワが生じてしまう場合も、その補正をパターンオーダーでは行うことができないので、イージーオーダーやフルオーダーで仕立てる必要があります。もしくは先述したように、スーツに対して並々ならぬこだわりがある方も、シルエットを崩さないよう注意を払いながら、フルオーダー、イージーオーダーでお仕立ていただくことになります。


そしてフルオーダーとイージーオーダーの違いは、フルオーダーは全行程手作業で行われ、仮縫いの時点で一度試着いただき、細かい修正を行うという工程があります。これに対して少しでも機械やミシンを使うとイージーオーダー扱いとなり、仮縫いの時点での試着という工程もありません。そのあたりがイージーなわけです。簡単に言ってしまえばフルオーダーとイージーオーダーの違いは、どの程度手間隙がかかっているかです。


つまりスーツの本来持っているシルエットを崩さず、自分にジャストフィットしたスーツを着たい方はパターンオーダーで、シルエット以上にこだわりがある方や、サイズは合っているのにシワが極端にできてしまう方は、イージーオーダーかフルオーダーでお仕立てするのをオススメします。フルオーダーかイージーオーダーかはお財布と要相談です。


三つのオーダースーツの違い、何となくでもわかっていただけたでしょうか?オーダースーツと言うとなんとなく敷居が高いように感じられますが、ジャストサイズで着ることができるので、愛着も湧きますし、それだけ長くご着用いただけますので、機会があればぜひ一度試してみてください。生地やデザインを決めるプロセスもなかなか楽しいですよ!


takuya


何かのご縁があって、このブログにお越しくださったみなさま、お初にお目にかかります。


2008年の4月から、僕はオーダースーツの販売員として社会人の一歩を踏み出しました。

このブログでは、僕の勉強も兼ねてスーツに関する様々なことを書いていきます。スーツや靴、シャツ、ネクタイの選び方、着こなし方から、手入れの仕方まで。流行にも目を向けつつ、街中で気になったコーディネートなんかも載せていければなぁと目論んでもいます。

他にも毎日に忙殺されてつい忘れがちなこと、季節感だったり、何気ない些細なことだったり、そんなちょっとしたことにも目を向けて、ふっと肩の力を抜いて一息つけるようなことも合い間に書いていきたいです。


スーツに関する質問や、シャツとネクタイの合わせ方に関する質問なんかにも、お答えしていきたいので、どんどんお問い合わせください。もちろんコメントもお待ちしております!


できるだけ定期的に更新できるようネタを仕入れ、飽きのこないブログを目指しますので、みなさまこれからよろしくお願いします!!


takuya