雨の夜が
ぼくたちのはじまりだった。
真っ暗な闇の中を
手探りで歩いて
一緒に
一条の光を探したね。
いつの間にか
ぼくたちは
きみたちが授けてくれた翼で
高く
高く
舞い上がった。
とてつもない勢いで
あまりにも上まで来たから
どこまでも見渡せるこの場所が
少し怖くなったんだ。
それでも
跳び降りることはできずに
落ちてしまうことが
怖くて
怖くて
一緒にいるのに
ひとりでいた時より
ずっと
ひとりぼっちのような
毎日を過ごしたよね。
そんな時も
やっぱり
灯を灯してくれたのはきみたちで
ぼくたちは
この場所から
逃げたくないと
固く誓ったんだ。
あれから
どれくらいの季節を
共に過ごしただろう。
あのしあわせな美しい時間も
喜びを携えたあの瞳も
微笑みに包まれた優しいあの唇も
全部
はっきりと
覚えているよ。
ぼくたちが経験した
すべての感情を
今はただ
抱きしめて
新しい旅に出よう。
ぼくらはもう
翼がなくても
どこまでも高く
果てしなく遠くへ
飛んでいくことができるから。
最愛のきみたちへ
心から
最大の愛を込めて。
いってきます。
