4月2日午後、池袋の木星劇場で上演されたONE AND ONLYの朗読ライブ公演Vol.26『春待つ町』の大千穐楽公演を観てきた。これは、上演された作品が知人の脚本家・加藤英雄のものであること、それにこの朗読ライブ劇団がお気に入りであることからである。

この作品は、加藤英雄が14年前に作った処女作であり、この朗読ライブ劇団でも2020年に一度上演を試みている。その折も春チームと町チームのダブルキャストによる上演であったが今回もダブルキャスト。自便が見たのは公演最終回、松木里江、小松崎めぐみ、椎名優稀、神成健太郎による町チームによる公演であった。

舞台は松木演じるモモコの父の墓参りの日。墓の前で明らかになる、父と母、それだけではなく浮気して家族を置いて去っていったモモコにとってのもう一人の母との再会が織りなす人間模様。きっかけは父の残した母に送った詩の書かれたノート。フライヤーに「墓前で明かされる三世代の女の歩んできた道がひとつに繋がったとき、あなたの心に小さな明かりがともる」とあったが、まさにその通りの展開。その中心となったのは家族をすてて行った父にとっての前妻。今では老婆となってモモコや椎名演じるカスミらの前に現れるが、彼女の演技というかセリフの多さが彼女の存在の大きさを物語っていた。この舞台を観た方がSNSで「最後に老婆を演じた小松崎がすべてを持って行った」と書かれていたが、まさにその通りで老婆薬を演じた小松崎の存在の大きさが目立った。本物の涙を流して熱演した母親カスミを演じた椎名の熱演も、小松崎の前に吹き飛んだ感じ。個人的には松木のファンではあるのだが、今回はその存在感は薄かったのが残念。まぁ、すべては脚本の力と言うべきか。
なお、BGMはサックスとギターの生演奏でなかなか洒落ていた。
次回公演も期待したい。