本日はガンバ王様のハピバ🎂🎉✨🌈🌹🙅♀️
9月に行われたclassicalの配信からインスパイアされてど素人小説もどきを書いてみました😆
そしてど素人イラストも描いちゃった〜😅
脳内お花畑🌼満載厨二病作品をしょーもないなぁと生暖かくご覧頂けますと幸いでーす🤲✨🌈
red swan
夜の闇と小雨の中を無関心な街並みと人々が行き交う雑踏の中、薄ぼんやりと人生について考えていた。
子供時代に夢見た大人にいつの間にか何も努力せずになっていた。
特に何も誇れるものもなく、ただとんがった性格だけは健在で世の中のくねくねひね曲がった道に真っ向からぶつかり、そして負けた。
本当に負け犬人生だなぁ‥
心の奥底に何か大切なモノを落としたままになっているような、
そんな後悔だらけの人生‥
ふと耳にピアノの音色が入ってくるまで
薄暗い風景さながらの虚しい気持ちに塞がっていた。
それでも耳を擽る美しいピアノの旋律に心惹かれてその主を探すと‥
とても奇妙なピアニストだった。
街中の片隅に古びた薄汚いピアノを弾いてるのは10才位の少年だ。
しかも何人かももしかしたら少女かも、いやひょっとしたら堕天使かも?と思う程、色白で手足の長い美しい少年だった。
曲はショパンの「プレリュード」
哀しげな旋律は今の薄暗い世界にあまりにぴったりで、
それでもなお哀愁感漂う‥それだけではなく、心の奥底に仕舞い込んだ誰にも知られたくない秘密の扉にあっさりと辿り着くような深い深い孤独感を引き上げるような‥そんな今まで聴いた事のない、彼だけが唯一出せるかのような物悲しげだけどなんとも言えない深さと美しさを湛えていた。
でも服装は‥元は上質な上着なんだろうけど‥背中の部分が破れていて血まで流れている。
こんな夜更けに子供が1人で街角のピアノを弾いている。
一応大人としてほってはおけない。
そのプレリュードが終わるまで聴き入りながら
こういう場合は警察なのか救急車なのかと保護する事ばかり考えていた。
そして弾き終わるのを機に彼に語りかけてみた。
「どうしたの?こんな所で、迷子⁈」
その美少年は私をキッと睨みながら
「お前の方が小さいくせに大人ぶるなよな‼️」
全てを見透かしそうな憂いを秘めた切れ長の瞳にドキドキしながらも意外な返事に呆気にとられた。
少なくとも私はもう中年と言われる世代。
10才そこいらの子供より年下なわけがない‼️
見た目は美形だけど口わるっっ💢‼️
まるでガラの悪い白鳥みたい⁉️😤
思わずムッとしながら反撃しようとこちらも彼を睨みつける‥と
あれ⁉️彼の方が大きく見える⁉️
え⁉️どうなってるの⁉️
気づくと私は本当に彼より幼い6才くらいの少女になっていた‼️‼️
何故⁉️何が起こったの⁉️
すると少年はピアノを弾きながら
「お父さんが死んだんだ。」
「俺を置いて‥」
「俺を置き去りにしたんだ。」
ピアノの旋律が荒々しくなる。激しいまるでロックのようだ。
顔を激しく振り乱しながら、肘で荒々しく鍵盤を殴り付けてるような怒りの音の権化だ。
でもその怒りの底に深いやりきれなさと後悔と嗚咽したくなるような切り裂かれるような悲しみだ。
その音に包まれるとまたもや私の心の奥底に更に深くその音は入り込んできて私の締め切った扉をあっさりと開け放した。
6才の私は母親を亡くした。
重い心臓病の母は遠洋航海船員の父が半年に1ヶ月単位の休暇で陸に上がって帰ってくるのを、パンパンに浮腫んだ手足から水が溢れてタオルをびしゃびしゃに濡らしても、親戚の叔父がなんとか入院させようとしても首を縦に振らずにひたすら父の帰りを待っていた。
ようやく父が帰って来て待ちに待った入院の日、その夜に母は旅立った。
幼い私は別の病室に1人置かれた。
全く眠れずに不安な心を天井に託した。
「大丈夫!絶対にお母さんは助かる!やっと入院出来たんだもの!」
その願いは虚しく、その直後に真っ白な顔の母親を見た。
どうあがいても二度と目を覚まさないのは幼子でもいやというほどわかった。
そして葬儀、花に囲まれた母はとても美しかった。まるで白雪姫のようだった。
そして火葬場へ。
まさか母親が骨にされてしまうなんて思いもよらず、お骨になった母親にパニックを起こしその場を走り去り
1人身を丸めて大声で泣いた。
嘘だよね⁉️
あれはお母さんじゃない‼️
お母さん‼️帰って来て‼️
早く私を抱きしめて‼️‼️‼️
小さな私が人目も憚らず大粒の涙を流していると、その荒々しいピアノの主の少年の目にも涙が溢れ出てくるのがわかった。
あまりに激しく弾くので背中の傷から更に血が滲み出ているのに痛みを忘れたように更に激しく鍵盤を殴りつけていた。
彼の哀しみと向かいようのない怒りが
私に痛いほど伝わって来た。
今まで何の不安もなく温かく大きな腕に抱かれていたのに
ある日突然その絶対的な安心の場を失った辛さは哀しみという言葉だけでは表現しきれない。
突然地面に大穴が出来て奈落の底に突き落とされる感覚に近いのかもしれない。
はっと我に帰り、目の前で血を流しながら鍵盤に突っ伏して鳴き咽ぶ少年を思わず背中から抱きしめて私も泣いた。
どこから出してるんだ的な身体中の細胞に口が出来てその全てから声を上げてるような、彼の背中を覆いながら2人でどこまでも果てしなく泣いた。
いつの間にかその2人の周りには
同じような何処かしらから血を流した子供達が集まり、それぞれの想いを泣きながらその哀しみと怒りのピアノと鳴き咽ぶ2人に同調したかのように各々が声を上げて泣いていた。
そっか
彼や私だけじゃない
この世界に生まれ出る事は何処かで傷つき、血を流しながらいつしか大人になっていくんだ。
知らぬ間にその傷ついた子を心の奥底へ閉じ込めて痛みを忘れたフリをする。
どうって事ない顔をしてもその奥底では血を流しながら泣き続ける子供がいる。
偉そうに語る私自身にも6歳のお母さんを探し求めて泣き叫ぶ子がいたんだ。
とめどなく流れる涙を拭う事もなくうっすら目を開けると、涙で歪んだ視界に広がる血だらけの小さな背中が自分と同じ波長で激しく揺れていた。
彼の背中は細くて華奢だ。
けれどしなやかで力強い。
そして温かい。
私はまるで母親の体内から出てきたばかりの産声をもう一度上げるかのごとく泣き続けた。
辛い陣痛を起こした母親の体内で全身を締め上げる苦しみに耐えながら
再びこの世に生まれ直したかのように
全身全霊で泣き続けた。
私がこの世界に生を受けたのは
桜が舞い散る春の日。
初めて感じたこの星の大気が起こす風はきっと
桜が頬を撫でる優しさに包まれていたのかな?
今まさに頬を撫でる柔らかな風のように‥
ふと目を覚ますと
目の前に居た少年がいつの間にか美しい青年になり、その背中の傷の部分に淡い透明感のある白い輝きに満ちた翼が開いているのを見た。
柔らかな風に舞い頬をくすぐっていたのは桜の花びらではなく、その翼から抜けて舞い降りたふわふわの羽根だった。
まさに大天使ミカエルが現実の世界に誕生したかのような美しさだ。
ただその翼の根元には血が流れ続けて白と相まって紅に染まっていた。
そのミカエル系青年の目元は相変わらず切れ長だけれど今は穏やかな優しさに満ち溢れている。
「風が君から吹いてきた。」
「俺はどんなに血を流しても必ず飛び立つ」
「でもあの時、父親を失った時の俺を置き去りにしかけていた。」
「あの時の俺と共に飛び立つ。」
「風を送ってくれた君にもあの時の小さな君がいる。その子達が贈ってくれた風が俺を更に高みに導く。」
「その子達?」
周りに居た他の子達も大人になり、それぞれが傷ついた翼を持つ子供時代の自分を抱きしめて封印が解かれると自由の翼を羽ばたかせる為の風が吹く。
誰もがこの世界に生まれて無数の傷を受けて大人になっていく。
自由の翼は時にはもがれ、折れ曲がり深く傷つき血を流しながらこの世界に見切りをつける。
でもそれでは飛び立てない。
傷ついた子供を呼び寄せて抱きしめて初めてその傷を乗り越えて飛び立つ事が出来るのだと。
そうか
それでやっと大人になれるのね。他の人の翼を癒やして風を呼び飛び立たせる事でやっと傷ついた時代の子供達を解放出来る。
美青年天使(元ワル白鳥)は白と紅の翼を大きく広げて羽ばたこうとしていた。
私や他の(元)子供達は精一杯の風を贈った。
この世界に生まれて来ることは
決して楽ではないけれど
この受けた傷はやがて誰かを癒やして愛の風を贈る‥。
例え傷が傷もうとも
血だらけの翼
広げて‥
