先日、大相撲五月場所のチケットを取ろうと試みたのですが、驚いたことに前売り時点でほぼ完売状態でした。数年前であれば、当日券でも十分良い席が取れた記憶があります。この変化は何なのだろうかと考えていた矢先、ふと別の体験を思い出しました。それは、Jリーグの試合の無料招待券が、抽選とはいえ何度も当選することです。また、プロ野球に目を向けても、阪神タイガースや読売ジャイアンツ、横浜DeNAベイスターズといった人気球団のチケットは入手困難ですが、他の球団では比較的容易に手に入ることがあります。



この「人気」の差は、一体どこから生まれるのでしょうか。もちろん、チームの強さや歴史、ファンの数といった複合的な要因があるでしょう。しかし、私が最近特に強く感じるのは、SNS(Instagram、TikTok、YouTube)の活用の巧拙が、これらの状況に大きな影響を与えているのではないか、ということです。今回は、このSNSの計り知れない影響力について、私自身の体験や観察を交えながらお話ししたいと思います。


※この記事のSNSはInstagram、TikTok、YouTubeを指します。



飲食店の行列も、SNSの「バズ」次第?



スポーツのチケットだけでなく、私たちが日常的に利用する飲食店探しにおいても、SNSの影響力は無視できないものとなっています。20代を中心とする若い世代の方々は、お店を探す際にInstagramやTikTokといったSNSで情報を収集することが主流になっているのではないでしょうか。一方で、30代以上の世代にとっては、依然として食べログやGoogleマップの口コミ評価が重要な判断材料かもしれません。



しかし、実際に街を歩いていて、長い行列ができている飲食店を見かけると、その人気が必ずしも味の絶対的な評価だけで決まっているわけではない、と感じることが多々あります。むしろ、SNSで「バズった」かどうか、つまり話題性や写真映えするメニューがあるかどうかが、行列の長さを左右している印象すら受けるのです。美味しさはもちろん重要ですが、それと同等か、あるいはそれ以上に、SNS上での拡散力が集客の鍵を握る時代になったと言えるでしょう。



「遊びの延長」ではない、SNS運用のビジネス的価値



このような話をすると、特に企業に長年お勤めで、営業職や技術職といった、いわゆる「SNS運用」とは直接関わりの薄い業務に従事されてきた方々にとっては、「SNSなんて、所詮遊びの延長だろう?」という感覚があるかもしれません。企業の公式アカウント運用も、どこか片手間、あるいは若手社員の担当業務、といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。



しかし、その認識は、もはや大きな誤解である可能性が高いと私は考えています。 今から10年ほど前、インターネット広告の市場規模が、長年メディアの王様であったテレビ広告のそれを超えるなど、誰が具体的に想像できたでしょうか。当時は「あり得ない」と考える人が大半だったはずです。しかし、現実にそれは起こりました。



そして今、同様の、あるいはそれ以上の地殻変動が、映像媒体としての影響力においても起きているのかもしれません。つまり、テレビという絶対的なメディアの影響力を、SNSが凌駕し始めている、あるいは既に超えてしまったのではないか、と感じるのです。個人の発信が瞬く間に数百万人に届き、一夜にしてムーブメントが生まれる。そんな現象が、SNSの世界では日常的に起きています。



未来を切り拓くためのSNS活用



このSNSの強大な影響力は、特にこれから**フリーランスとして独立を目指す方や、新たに起業を考えている方々にとって、決して無視できない、むしろ積極的に活用すべき「武器」**となり得ます。



潤沢な広告予算を持たない個人や小規模事業者が、大企業と伍していくためには、SNSを効果的に活用し、自らの商品やサービスの魅力をダイレクトに伝え、共感を呼ぶストーリーを紡ぎ出し、ファンを増やしていくことが、極めて有効な戦略となるでしょう。SNSは、使い方次第で、最小限のコストで最大限の「レバレッジ」をかけ、事業を成長させる可能性を秘めているのです。



もちろん、どのようなビジネス領域においてもSNSが万能というわけではありません。商材の特性やターゲット顧客層によって、SNSとの相性の良し悪しは存在します。その点については、また別の機会に詳しくお話しできればと思います。



しかし、いずれにしても、私たちが今目の当たりにしているのは、SNSというプラットフォームが、人々の意識や行動、そして経済活動そのものに、かつてないほど大きな影響を及ぼすようになったという紛れもない事実です。この変化の本質を見誤ることなく、その力を理解し、活用していくこと。それが、これからの時代を生き抜く上で、非常に重要な視点となると確信しました。