新年のご挨拶もせぬうちに、一月もはや半ばを過ぎて…



   

今日は、つい数日前に出かけた美術展で、嬉しい再会をした絵のお話をさせてくださいね




卯年、最初に出かけた美術展は

ヤマザキマザック美術館

《パリに生きた画家たち》




その展示作品のなかのひとつ…

モーリス・ユトリロ《ラパン・アジール》

(撮影禁止だったので、画像お借りしました)

いつだったかの名古屋市美術館で観て以来…

懐かしい人に会えたようで胸がいっぱいになりました(⁎˃ᴗ˂⁎)




ラパン・アジールは、そのまま訳すと『跳ねウサギ』??

モンマルトルにある、多くの画家や詩人、シャンソン歌手のたまり場だった『隠れ家』とも呼ばれていた場所

ルノワールやロートレックのモデルをしていた母、シュザンヌ・ヴァラドンとユトリロが住んでいた家の近くの、シャンソニエ『オ・ラパン・アジル』のことです




私のお気に入りの“ゆくの木の森”にあるような、たくさんの緑色…

坂道のシャビーな虹色…

この絵のなかには、いったいいくつ色があるんだろうと、ため息をつかずにいられません

『白って200色あんねん!』って仰ってた、アンミカさんの言葉を突然思い出しました(*≧∀≦*)




『白の時代』と呼ばれていた時期のユトリロ作品のなかのひとつ…

ユトリロはこの壁の白を生み出すために、絵の具に砂や漆喰、卵の殻等を混ぜ合わせ、見た目の色使いだけでなく、その質感や手触りにまでこだわったとか…




『君がもしか巴里を離れねばならぬとして、そして二度と帰れないとしたら、何を巴里から持っていこうと思う?』

と問われたユトリロは、こう答えたとか…




『僕なら漆喰壁の缺片を持っていくなぁ』

『その漆喰の缺片って奴は、手でも触れるし眺めることだって出来る、それに考えさせてもくれるんだ』

(缺片はたぶんカケラ?)




私が今まで出会ったユトリロの絵は、ユトリロの生涯に思いを馳せると同時に、絵のなかに寂しさや哀しみがひそんでいるようにも思えてしまって、観ている私自身の気持ちも沈みがちったんですが、《ラパン・アジール》からはぬくもりとやすらぎすらも感じられて…

ラパン・アジールはユトリロの心の拠り所だったんですよね、きっと…




平日で人が少ないのを幸いに、間近で、そして少し離れたところでと…

何度も行きつ戻りつしながら、心の目にもしっかりと焼き付けました(୨୧ᵕ̤ᴗᵕ̤)




途中、ユトリロがお好きなブロ友さんのことを思い出して←そうそうあなたのことですよー(*≧∀≦*)

ひとりニンマリしちゃったりして、もし学芸員さんが見てたら怪しい人リストに載っちゃったかも💦

そんなリストがあるのか知らないけれど(笑)




《サン=ヴァンサン通りとサクレ=クール寺院》
(画像お借りしました)

やさしい空の色と神々しくもある塔の白、そしていくつもの色が混ざり合う壁の色…

見れば見るほどに惹き寄せられてしまいました




そうそう、ルノワールやゴッホ、ロートレックやピカソ等々…

多くの画家たちが題材とした“ムーラン・ド・ラ・ギャレット”を描いた作品も~




ユトリロが描いた
《ムーラン・ド・ラ・ガレット》
(画像お借りしました)
不思議な空色にも惹かれます




いつものことだけれど、ヤマザキマザック美術館を訪れたあとは、なにげに見ていた風景がいつもとはまるで違って見えるんです




『この眺め、描いたら面白そうだな』とか

『なんていい色…どうやったらこんな色を出せるんだろう…』とか(笑)

つかの間、画家気分に浸る、しごく単純な私でした(^^;




19世紀末のフランスの邸宅に迷いこんだような気持ちで、ゆったりと作品と向き合うことができる空間…
(美術館HPより)



ヤマザキマザック美術館は、まさにそんな空間です
ね!素敵でしょ(⁎˃ᴗ˂⁎)




ビジェ=ルブラン

《リラを弾く女性》

赤いお部屋のお気に入り♪



この美術館の所蔵作品はどれも、絵の具の質感や色彩を画家目線で見てほしいと、ガラスもアクリル板も何も覆われていない状態なんです
なので、すぐ間近でじっくりと鑑賞できるんですよ




こちらは美術館所蔵のユトリロ作品

《サノワの風車》

昨年10月に訪れた時に撮ったんですが、作品の色彩や存在感を損ねることのない、部屋ごとに違う壁紙も上品で素敵なんです

普段は撮影OKの作品が多いので、この時もたくさん撮っていたんですが、その後の入院のバタバタでブログも書けずじまいでした




そうそう、ヤマザキマザック美術館の楽しみは絵画だけではないんですよ(*´╰╯`๓)




それは、午後2時になると聴かせてもらえるアンティークディスクオルゴール♪
ドイツで製造され、フランスに輸出されたという1900年製のこのディスクオルゴール…
ジュークボックスのようになっていて、フランスのコインを入れるスロットの穴が空いていました



駅の待合室や喫茶店に据えられ、フランス市民の耳を楽しませてくれていたとか…
オルゴールのジュークボックスなんて素敵ですよね(⁎˃ᴗ˂⁎)



コインを入れて聴かせてくださるその音色は、一般的なオルゴールのように可憐な音色ではなく、まるで目の前をたくさんの音符がコロコロと転がっていくような響きなんです

例えが変でごめんなさい(^^ゞ




ジュークボックス全体が木で作られているので、音が木と共鳴することによってますます大きく響くそう…

立っている床からもその振動が伝わるほどでした




チョイスされる曲は毎回違い、まだ一度も聴いたことがない曲もあって…

いつか全曲制覇したいです(*´╰╯`๓)




YouTubeで見つけたアンティークオルゴールのメロディです




アンティークオルゴールの音色の余韻に浸りながらのその後は、アールヌーボーの作品が並ぶお部屋へ~

それはそれはたくさんの作品が展示されています




そのひとつ…
エミール・ガレ
《蜻蛉文脚付杯》
毎回異なった色合いに見えてしまうこの作品
いつもここで足が止まってしまいます



今回の特別展《パリに生きた画家たち》では、パリを愛し、描き続けた画家たちの作品がたくさん~



『ぼくは北斎のようにありたいね。たった一つの点だって生き生きしていないものは描かないようにしたいんだ。』の言葉を残された
アルベール・マルケ



『シャガールの色彩、モディリアーニの深さ、ユトイーロのシュミ、ブラマンクの物質描寫法に感心しました』の言葉を残された
夭逝の画家佐伯祐三



そして荻須高徳の作品は27点も~



荻須高徳
《広告のある家“パリの屋根の下”》
パリがお好きなのがすごくよくわかる…



そうそう、挿し絵と共に当時のパリの様子が綴られた《パリ画信》という荻須高徳の小さな本も展示されていて、それはそれは興味深いものでした



来月26日まで開催されていますので、興味のある方は出かけてみてくださいね(*´╰╯`๓)



*ひとりごと*



アメブロ街は興味津々なお話がいっぱい~
なので、いろんなジャンルのブロガーさんのところにおじゃましています



私がポチっと押した足跡に気づき、お返しの足跡を残してくださる方もいらして、かえって申し訳ない気持ちになったりすることも…



でも、そんな風に考えてばかりいたら、ブログをやってても楽しくないですもんね(^^;



心にムリのないよう、そしてウサギさんのように身軽にピョンピョンと…
今年はたくさんのブロガーさんの記事におじゃましたいなぁと思っています



そして今年も、気の向くまま思いつくままのブログ更新になると思いますが、こりずにのぞいてくださると嬉しいです(´˘`*).。◦♡

 



年明けから、相も変わらず長々と…

のぞいてくださって、そしてここまで読んでくださってありがとうございますWハート   



                           

                              flower1コキリflower1