
「Mariaちゃんは、横浜で何をしているの……?!」
この世で唯一、私の横浜の住所を知っている蝋人形館の友人がそう尋ねて来る……
「う〜〜ん……、、、
月に何度か、大学の講座がある時は大学に行くけど、、、
普段は、朝カフェと食料調達のためスーパーに行ったり散歩する時以外は、大概部屋にいるよ。。。
部屋で、漢字パズルやったり、ダイヤモンドアート作ったり、ブログやったり……。
後は……イロイロなんだかんだ考えたりしてるかな……(^_^;)
知り合いは一人もいない街だし、何のグループにも属していないから、数日間誰とも喋らないなんてよくあるよ……。。。
そもそも、私の横浜の居場所をちゃんと知っているのは、◯◯ちゃんだけなんだ……
半ボケの母親にも一応言ってあるけど、恐らく意識の外に飛んでると思うし……。。。」
考えてみれば、危ない話である。
私はその一人の友人以外、誰にも自分の居場所を告げていない。
蝋人形館にも、身元保証会社にも言っていない。
本当は言わなくちゃいけないのだが……
言っていない。
よって、何か有事があった際には、誰も私を見つけられない。
スマホの位置情報は……常にOFFにしてある。
要するに、何かあった際には、私は旅先で行き倒れた旅人の様な感じになるのだ。。。
「ほとんど部屋に閉じこもって、パズルや制作をしているのであれば、蝋人形館にいても同じじゃない……!
なんでわざわざ、高い家賃払って家具付き賃貸借りてるの……???」
その答えは、明白……
私は、“環境”を買っているのである。
何も特別な事をしていなくても、
普段街を歩く時に五感から自然に入ってくる全ての情報に、お金を払っているのだ。
例えば……
ちょっと街に出ただけで視野に入る、多種多様な国籍の人たち……
ストリートミュージシャンの奏でる音楽や、観光客の雑踏……
海から吹いてくる風に混ざるかすかな潮の香り……
お気に入りのスーパーの、単身者向けのお気に入りのお惣菜……(少量で安価❣️)
そして、一年を通してこの街全体が持つ、カルチャーに即した肌触り……
全て、蝋人形館では感じられないもの達だ。。。
「誰とも話さない」……と言っても、私はふとした拍子に、よく街の人たちと話をする……
よって、行きつけのお店などにちょっとした話が出来る様な相手はいる……。
そして、どうしても話し相手が欲しい時は、、、
LINE で友達に電話する。
借りているマンションは、ひと月毎の電子契約なので、もしも私が倒れて連絡が取れない時でも……白骨化する前には遺体を見つけてもらえるはずだ。
そして私は、何より……普通にポルシェが走っている街が好きだ。
自分がポルシェに乗りたいとは、微塵も思わない。
だが、ただスピードを出したいがために高いお金を車に払う様な……
そんな不埒な、価値観の違う人間がいる街が好きなのだ。
蝋人形館がある町では、ほとんどポルシェを見かけない……
その街は、同じ色、同じ匂いしかして来ない……そんな街なのだ。
以前、某有名病院の精神科にて30年間カウンセリングを受け持っていた先生にカウンセリングをお願いした事がある。
その際、私の印象として、先生はニつの特徴を挙げられた。
そのうちの一つが……
「貴女は、金を使って気を使わない人だね……💡」
……という、何とも言い得て妙なものであった(^_^;)
そう、確かに私は、蝋人形館で気を使って生きるくらいなら、気を使わないで済む環境のために無理をしてでも大枚をはたく……
どんなにボロい服を着て、横浜のグルメも味わえずに安いお惣菜ばっかり食べていたとしても……
私がお金を使うのは、気を使わなくてもいい環境……
好きな波動を出している街そのものだ。
蝋人形館で、好奇の目にさらされ色々詮索されながら生きるくらいなら、誰も知り合いのいない街を私は選ぶ。
“横浜の家具付き賃貸”……と言っても、実際は簡易宿泊所みたいなものだ。
そして、マンションの周りの環境は……
大方が、酒とギャンブル。
昼間っから酒をくらっている人たちが、次の行き場を求めてフラフラしている様な場所だ。
それでもこの街にいると、私は……
紛れられる。
多種多様な人種の一人として、受け入れてもらえるのである。
この6月で、この町に来て2年になる。
そろそろ移動のしどきか……?!
好きな街ではあるが、移動する事の魅力には抗えないものがある……
夫が亡くなってからのこの7年の間に、私は蝋人形館も含め4軒の物件に新たに住んだ。
それぞれの場所にはそれぞれの波動がある。
「ま、とりあえず……ポルシェさえ走っていればどこでもいっか……w✨」
普段の生活全般においては、ヒジョーに品行方正で引きこもりな私なのであるが、、、
街を選ぶ際の最初の判断基準が、、、
“ポルシェが走っているか否か”
……www
「でも、まぁ仕方ないやね……。
それが私なんだから……(^_^;)」
初夏まがいの気温の中、街を歩き回って疲れた身体を、簡易宿泊所のbedに横たえる……
腰のところが沈み込み、体勢を考えながら眠らないと翌朝腰が痛くなってしまうのは、ここに引っ越して来た当初からだ。
「でも、なんだか……これでいい様な気がする……✨
そう思える“今”が、全ての様な気がする……✨✨」
人生に、“完璧”などという言葉はいつ何時も当てはまらない。
だとしたら、五感を研ぎ澄ませながら、明日もまたこの街で生きよう……
この街の波動に、もう少し身を任せてみよう……。。。
明日が分からないから、人生は面白い。
たとえ、いつの日か違う街に移る事になったとしても、、、
もう一度前を向く気持ちにさせてくれたこの街を、私は絶対に忘れる事はないであろう。
人生には、無駄な様でいて、実は無駄ではない……という時間があるに違いない。
だとしたら、五感に揺られたまま……
もうしばらくは、このままで……。。。
そして、今晩も……
実際は聞こえて来ないポルシェのエンジン音を子守唄がわりに眠りにつくワタクシ……Maria。
「あぁ、やっぱ……なんだかんだで幸せだわ〜〜✨」
自分が自分である事を肯定し……
年月を重ねて来た分だけ、その肯定感にしみじみと浸る……
私はまだまだヒヨッ子であるが、今には今の円熟がある……
……そう思える幸せ✨
行く途は、間違ってはいない……
そう信じて、これからも一歩づつ歩いて行こうと思う。
ではではまたね🍀
