これまでのブログ→ その① その②

 

高齢者ドライバーが免許返納しない背景や、それでも運転し続ける実情、実例などを含めてこれまで書いてきましたが、現状を嘆くだけではいっこうに悲惨な事故は減らないと思うので、行政や警察が対応できるか否かは別として、あくまでも私的な希望として

高齢者の運転・免許返納を促す対応の提案

をしたいと思います。

 

 

1、免許更新期間を1年にする

高齢者(72歳以上)の免許更新は毎年ではありません。最低でも3年間は免許を更新しなくても良い事になっています(一般的に)。

もちろん更新前に認知機能テストや高齢者講習などを受けることにはなっていますが、私はこの更新期間が、ひとつのネックになっていると思っています。

高齢者はケガをしたとか、認知症になったとかに限らず、風邪で3日ほど寝込んだだけで、突然、また驚くほど速いスピードで心身の機能が低下することがあります。こういった現状があるのに3年もの猶予があるということは、例えば免許更新して半年後に機能低下がみられた場合、2年半も危険な状態で運転している可能性があるということ。

また更新時のテストについても、もっと動体視力や反射神経を細かく判断する機器を導入して欲しいと思います。

本音を言えば、80歳以上ならば1年と言わず半年にしてほしいくらい。

 

2、高齢者には最新機能付きの新車を

まるでディーラーの回し者みたいな言い方してますが、各メーカーが売り出す最新式の車には、高齢者に限らず、踏み間違い防止やぶつかり防止など事故を未然にふせぐ機能が充実しています。なかには、どれだけブレーキを踏むか、スピードを出すか等、運転データがとれるものまであるそう。

しかし、高齢者になると、自分の運転技術・認知能力は棚に上げつつ「車を運転するのもあと数年だから」と、中古車を購入する傾向があるそうで。

モノやクラスにもよりますが、どうしても運転しなければいけない事情がある高齢者の方には、ぜひこういった事故防止の最新機能が搭載された車を購入していただきたい。

※2019.6月に政府が新機能付きの車への選択制を提案

 

3、家族がフォローできる体制を整える

ほんとはこれが一番言いたいことでもありますが、私が知っている高齢者ドライバーのほとんどが「家族と同居していない」か「免許についての話し合いをしていない」。

高齢者の子どもとなる世代は自身も忙しく、親の用事にいちいち運転手を務めるのもままならない事情があるとは思いますが、せめて家族間で免許返納についての話を一度してみたらどうかと思うのです。
また、高齢者(親など)と離れて暮らしている方は、GWや夏休みなど一定期間(少なくとも5日ほど)、ふだんの動きを観察してみる必要があると思います。

これも実例からですが、子や孫が1~2日帰省している間、親(この場合、高齢者)は”元気になる”、もしくは心配かけないよう”元気にふるまう”傾向にあります。ふだんの動きを見ている近所のものとしては、どう考えても運転させるのは危険と思われるのに、子どもたちが「まだ大丈夫」と楽観視するのは、このせいもあると思います。親の置かれた環境を考えたり、免許返納について言い争いになるのは嫌かもしれませんが、万がいちの事態を知っている私個人としては、一度でも家族間で話し合いを持つことが一つの抑止力にもなると思っています。

ちなみに我が家は同居ですが、早期に「○歳になったらシルバーマーク」「○歳、または判断力や足腰が弱くなったら返納ね」と事あるごとに親に伝えてあります。
 

4、地域に一人、タクシードライバー的人員

行政的な話にもなるし、これ以上、高齢者の福祉予算を割けない懐事情もあるかとは思いますが、交通機関の整っていない市町村の区域ごとに「指定ドライバー制度」を作ったらどうでしょう?

最低でも地域に1路線のバスくらいは走っているでしょうが、高齢者はそのバス停に行くのでさえしんどい方もいるのです。

また、病院や買い物など人によって行きたい場所はバラバラ。タクシー移動しようものなら1日で安くても数千円はかかってしまう。

ならば、例えば「1回利用ごとに1人2000円(~3時間まで、以降1時間につき500円)/乗合あり/乗合割引なし」とすれば、地域に1人ぐらいはタクシー的人員として雇える人を確保できるはず。
※細かい設定はこのさい省きます。

もちろん事前に細かい利用者調査は必要ですが、行政としてこの人員(指定ドライバー)の選定と、ある程度の給料保証さえすれば、雇用も生まれるし地域の見守り要員としても活用できるはず。
地元のタクシー会社に委託する形でもいいかもしれません。

これ、モデルケースとして実現してくれる市町村があれば、あとは早いと思うのですがいかがでしょう?行政トップの皆さん。

 

以上、思うままに提案させていただきましたが、高齢者ドライバーの事故を未然に防ぐ意味でも、1つでも実現できればいいのになぁと思う昨今なのです。