ボルダリングの年下の彼は自分の中で何かが少し引っかかる感じがあった。





触れてくるときの感じ、見つめてくるときの感じ、言葉にできないけど確かな違和感があって。要注意って私の中で警報は鳴ったんだけど…思いの外ハマってたみたい。





初めて食事に行った時にご馳走してもらったから、2回目会ったときそのお礼で小さなお菓子と「この前はご馳走してくれてありがとう。お口に合うといいんだけど…」と手書きしたメモを渡した。







その後、恋人繋ぎで手を繋がれて…






ドキドキして、なんだか恥ずかしくて…






でも、違和感があって…。







一度お店に入って帰りの準備をして店を出て、もう一度手を繋がれ歩きだした時







「彼女はいないの?」

「うん、いないよ、何で?そんな風に見えた?」

「うーん、いたらアウトだなと思って…」

「1年くらいいないよ」







そんな風に見えた?という言葉に引っ掛かった。でも、それ以上は聞かなかった。
私はちゃんと聞いた。彼女はいないって言葉が返ってきた。今、この手を振り払う理由は私にはない。だから、楽しもう。







そう思ったら少し春を感じさせる日差しや木々を揺らす風や手から伝わる温もりを感じることができた。





好きな小説の話。
伊坂幸太郎の緻密さ、有川浩さんの温かい話の盛り上げ方。「阪急電車」の映画で出てきた駅に縁があること。






そんなとりとめもない話をして、じゃあね。って…





その後、振り返れなかった。
普通なら幸せの頂点だったかもしれないけど何となくわかってたんだと思う。
今ならわかる。






その次の朝、LINEが届いて手を繋いじゃったねと来てた。






駆け引きはしない。
嬉しかったよと伝えた。






上部をなぞるような返信。
信じていいのか、信じてはいけないのか。
ただ、私は傷付いても自分にまっすぐ生きていたい。





電話番号教えてくれる?





そのLINEの後、少しして…





「ごめんなさい。これ以上失礼なことできません。彼女いないって嘘つきました。」





そう返事が返ってきた。





うん。なんとなく気づいてた。
心の中で呟いて…
それでも優しく強くありたいと思った。






ずるいけど、人として魅力があるから友人関係を築きたいといってくれた彼に少し冷たいことも言っちゃった。「私の友人に不誠実な人は一人もいないの。だから友達にはなれないと思うな。」






26日、この前知り合った女の子と女の子の職場の人とその彼、皆でボルダリングに行く約束をしてた。





今まで通り登れるかわからないと言った彼に





「登ってよ。登る姿最高にかっこいいよ。登れないと言うなら私にちゃんと謝ってからすっきりして登って」と返信。





その後、連絡を取らない何日かの間に考えてた。






私は、黒か白、はっきりしたい質でその中間を認めてはこなかった。





でも、今までと少し違う決断を試してみようかなって。





カモミールの花の写真。
花言葉は仲直り、親友、癒し、逆境に耐える。





「この前は冷たいこと言ってごめんね。あれから色々考えたの。あなたの背景を知ろうとせず1つの側面で突き放しちゃったなって反省してる。私、思いの外傷ついてたみたい。防衛したくて突き放しちゃった。どんな時でも人に優しくいたいと思うのにまだまだ未熟だね。明日は来る?その前に少し話がしたいと思うんだけど時間作れる?」






「近くにいるからこれから少し話せるかな」






それから、近くのコンビニの駐車場で話をした。






聞きたかったこと、話したかったこと…





「私はあなたが思わず手を握っちゃうくらい魅力的な女性だったって思ってもいい?」





そう言って笑えたことが、私の心の収穫です。きっと、ちゃんと糧にしていける。
やるだけのことをやったら心に爽やかな風がふいた。






「勘の鋭い人だと思った。自分のズルさ全てを見透かされている気がした。嘘がつけなくなった。」






その言葉を聞けただけで満足よ。
私は、前進してる。