■卵管形成手術



○2012年12月初旬○


決めた日から一週間後に日帰り手術を受けることに。



卵管形成手術(FT)とは、狭く閉塞した卵管をカテーテルで広げるとともに超小型カメラで卵管内の様子を撮影して異常がないかを確認するというもの。


細~い卵管で操作を行うためとても繊細な技術が必要だそうで、なんと私の住む県でこの手術を実施してるのは私のクリニックが初だそう。

受付の雑誌に先生のインタビューが掲載されていて、すげー!!と思った。




たまたまこの病院が近所に出来たなんて運命的にもほどがあるやろ(゜Д゜)

今から先端技術を受けることに興奮してきてしまう。







心拍を計る器械が指先に取り付けられて、自分の鼓動に合わせてピッピッと音がする。


これがまた面白いけど、ちょっと恥ずかしい。

一瞬の緊張感が走ったりすると心拍が早くなったりするから、心を透かされてるてゆうか嘘発見器みたいな(笑)





心拍が乱れるのが恥ずかしいからゆっくり息を吐いて術中の状況をキョロ見&ガン見してたら30分ほどで手術は終わった。

我慢できる範囲の痛みで、無事滞りなく終了してよかった。





術中、横に置いてある画面にはカメラの動画でリアルタイムに自分の卵管の中が見えた。


てか、画像粗くない??
とずっと思ってた。

初代カメラ付き携帯の画素数な感じ。
なにがなんだかハッキリ分からない(笑)





けど先生いわく無事キレイに貫通したよって。そんなに酷い閉塞ではなかったと。

あの画素数で何がわかるのか不明やけど…とにかくよかったよかった!




手術しても一部の人は癒着がひどくて卵管が使い物にならないと発覚する場合があるって聞いてて、ちょっと不安やったからすごい安心した。






先生に、○○さんなら局麻でいけると思ってましたよ。怖がって動きまわる人もいらっしゃるから大変なんですが、冷静で感心しました。
って褒められたヽ(・∀・)ノ



待ってました!もっと褒めてちょうだい!

病院で褒められるの久しぶりなんで、すごいテンション上がった(笑)



小1の時舌の手術をした時、一回も泣かなくて病院中のスタッフに褒められて帰りにデパートでシルバニアファミリーのうさぎを一体買ってもらったんやけど。


あの時、隣で同じ手術を受けてる男の子が泣きわめいて手術台から逃亡してさ。
彼が情けない姿をさらしてくれたおかげで私の株が上がってシルバニアファミリーが手に入ったアリガトウ、みたいなことを子供ながらに思った記憶ある(笑)



あれから病院治療は得意なんよね。
注射も麻酔も抜糸も平気。
子供時代はどこいっても褒められた。

一人っ子やからチヤホヤされるの大好きで、かなり調子こいてた(笑)



大人になって褒められるのは珍しいからテンション上がっちゃって。



しかしマンモだけは無理。
アレは特別な恐怖の対象((;゜Д゜))

あと検査結果とか精神的なのがめっちゃ弱い。







術室から移動して、あとは休憩して回復したら帰るだけ、楽勝!と思いながらベットに横になったら、術後の痛みに襲われた。


生理痛の3倍くらい酷~い感じ。
術後をナメてた、と冷や汗かいた。



ふと陣痛はこれの10倍かぁ…

と想像したら、思わずゾクっと寒気。




しかしこれはチャンス。

てか不妊治療始めてから、痛みに対して変な対抗心を覚えるようになったんよね。
治療の目標は妊娠出産なわけで、少々のことで痛がったりしてたら子供産めないし育てられないって気がしてさ。。

無駄やと分かってるんやけど、一応何事においても「想定内ですから」とクールにいたい願望?プライド?

だから痛いこと大変なことの予行練習?をいっぱいしときたいみたいな(笑)




痛い…もっと…いや無理…うう~痛い痛い…もっと、もっと!!

みたいな、もはやドMの変態(笑)




世の中の母親たちを尊敬しながら30分くらい耐えてたら急にすーっと痛みがラクになってきた。





助かった~!と思って起き上がったら窓のブラインドから駅と山が見えた。

見晴らしがいい。景色がきれい。
紅葉してる。




手術が無事に成功した達成感からなんか急にテンション高くなってきた。





点滴に繋がれるレアな自分にも、差し入れの飲み物にも、部屋の小綺麗さにもテンションあがってきた。


何もかもが楽しい。




♪♪♪♪ヽ(´▽`)/♪♪♪♪♪




その後もテンションは上がり続け、回復室のベットでじっとしてられなくて廊下出て散歩してたら看護師さんに動いて大丈夫なの!?と呼び止められ、大丈夫すぎてヒマなんですけど(笑)って言ったら診察室に戻って良いよって。


そして先生と今後のお話を。




「卵管は無事に開通しましたよ。これで自然妊娠の可能性は充分に出てきますが、前にもお話したとおり半分くらいの方は半年くらいで再閉塞してしまうようです。

ご主人の運動率の問題もありますし、これからしばらく人工授精を試してみましょう。

半年後までに妊娠できなければ再度卵管造影検査をして、そこからまた策を考えましょう」


「そうします(・∀・)」



達成感でいっぱいで実は先生の話あんまり聞いてなかった(笑)

とにかく今日は帰って祝杯しよう。
そんなことで頭がいっぱいで。





あまり先を考えずに、こうやって やるべき事をひとつひとつ潰していく作業って好き。

先生の言うことを聞いてその通りに動いてればいつか妊娠できると思えたし、一人でネットにかじりついて原因の想像をしてた頃よりもずっと希望を感じた。





そしてこの頃にはもう、いつか妊娠できたらいいな~(*´∇`*)くらいに穏やかな気持ちになってきていた。

穏やかの極みだった時期。