お盆に入る少し前に

 

台所で洗い物をしていてフト思い出した。

 

 

何年か前

 

子供たちの小学校のお友達が

 うちにはよく遊びに来ていたのだが、

 

その中の一人の子が来たときに

 何気なく、

 

「〇〇君は三人兄弟で末っ子だよね?」

 と、尋ねたら

 

「いえ、うちは本当はまだあと上に二人居るので

 僕は五番目なんです。」

 と、言う。

 

「え?そうなの?知らなかった。」

そう言うと

 

「はい、小さい頃に亡くなってるんで。」

と。

 

「そうだったの...」

と、突然の話に私はショックで

それ以上は聞けず、

 

後日、別の子のママと

公園で子供達を一緒に遊ばせている時に

 

そのことをそれとなく聞いたら

 

「うん、そうよ、知らんかった?

二人いっぺんにね、、、、

ほんとに可哀想だった。。。」

 

と、そのママが言う。

 

 

 

おじいちゃんがトラクターに

 

まだ小さかったお孫さん二人を乗せて

 

山の畑に連れて行ったが

 

トラクターごと崖から転落して、、、

 

と…

 

 

 

 

 

お母さんも、お父さんも、

 

おじいちゃんも

 

 

 

みんなどれほど辛かったろうか

 

 

 

おじいちゃんの苦しみは如何ばかりであったろうか

 

 

 

そのママと

 

夕暮れの

 

公園の片隅に置かれたベンチに腰掛けて

 

幼い二人の命を想った。

 

 

 

 

すると

 

急に

 

ポツリ

 

ポツリ

 

 

空から雨粒が落ちてきた。

 

 

 

あ、と思って見上げると

 

晴れ渡った夕焼けの空に

 

私たち二人の上にだけ

 

金色に光る小さな雲があって

 

そこから金色に光る雨粒が

 

ポツリ

 

またポツリ

 

と、

 

優しく落ちてくるのだ。

 

 

 

 

それは小さな彼らの

 

涙のようだった。

 

 

 

手を伸ばせば

 

届きそうに低く

 

小さく

 

優しく

 

その雲はそこに居て

 

しばらくすると消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのことを

 

洗い物をしながら思い出し、

 

もしかしたら

 

命日だったのだろうか?

 

 

思ったりした。

 

どうしても

 

絵に描き表したくて

 

ここに書くのが

 

遅くなりました。

 

 

心よりご冥福をお祈り申し上げます。