チビパンダは先日から

ピアノを習い始めています。

 

 

私の父は職業として今も

ピアノを弾いていて

 

私もチビパンダの年齢の頃には

その隣で

いつの間にか弾くようになり

 

そんな影響からなのか

チビパンダも自然に

鍵盤に触れることが多く

歌ったり踊ったりするのも好きなので

(それはパンダが変なダンスするからでは笑い泣き

 

 

音楽は好きそうだなーと

なんとなく思っていたんですが

 

 

3歳になってからはしょっちゅう

 

「パンちゃん

 ピアノを習いたーい!」

 

 

と言い出すようになったので

まぁ、本当に好きなら

やらせてみようかなぁ

というのがきっかけです。

 

 

 

それで…

 

 

 

 

ある日のレッスンのこと。

 

 

先生を前に、

恥ずかしさから全然弾かない。

 

と思ったら

鍵盤をひたすら押す。

 

全然話を聞いてない。

 

 

 

 

先生

「私や、この場所に慣れるまでは

 仕方がないですよおねがい

 

 

 

優しい先生が

そうおっしゃってくださるので

これから根気よく

やってみようと思ったのですが

 

家に帰って、

先生から教わったその日の内容を

チビパンダと振り返ってみることに。

 

 

 

 

するとまた、

鍵盤をあちこち弾いてみたり

落ち着きをなくしたり。

 

 

 

…一体、どうしたらいいんだろう。

 

 

 

「パンちゃん、やらないなら

 今日の練習はやめよう。」

 

 

 

チビパンダ

「やだ!練習する!」

 

 

 

「…」

 

 

 

 

しかし、弾かない。

 

 

 

 

 

「パンちゃん。

 やりたくないなら、

 やらなくていいんだよ。

 

 ママが無理して

 ピアノ練習しようって

 言ったわけじゃないんだから。

 

 パンちゃんがやりたいことを

 しようと思ったの。

 

 

 だから、今日はもうおわ…」

 

 

 

 

チビパンダ

「やる!練習する!大泣き

 

 

 

と。

 

 

しかし、

いざ私がハイどうぞと言うと

やっぱりおちゃらけたりして

課題が進まない。

 

 

 

 

 

これは一体なんなの?

 

 

やりたいなら、

なんでふざけるの?

 

 

諦めとか怒りではなくて

ただただ、

別にやらないからいいか。

 

と思って離れようとしたら

やだ!やる!という。

 

 

 

じゃあ一体、私はどうしたら?

 

それから、

その繰り返しが何度も何度も続き

流石に腹が立ってきてしまい

 

 

 

 

「ねぇ、ママがここに

 座る意味はなさそうだよね。

 

 パンちゃんが練習したいなら

 あとで好きなときにしたらいいよ!」

 

 

 

 

そして私は、

本当に席を離れた。

 

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

チビパンダ

「ママ!!だめだよ!!」

 

 

 

と、追いかけてきて

私にしがみついて大泣き。

 

 

 

 

なぜ?何これ。

じゃあなんで、やらないの?

 

 

やめたらいいって言ってるのに

なんでやるって言うの?

 

 

やるって言うなら、

なんでしてくれないの?

 

 

 

このループ、

一体どれだけさせるの?

 

 

強制的にさせたいわけじゃない。

だからしないなら、

しないと言っておくれ!

 

 

 

意味がわからず私は、

泣いているチビパンダをなだめ

もう一度鍵盤の前に行き

 

 

 

 

「…じゃあ、やってみてよ…」

 

 

 

と言う。

 

 

 

しかし、チビパンダの手は

何度教えても

どうしても、「ド」の位置を

間違ってしまう。

 

 

 

(もう…わからないなら

 今度落ち着いたときに

 練習しておくれ…

 

 今日はもう…

 無理にしないでいいんだけど…

 

 何度も同じこと言って

 かーちゃんは疲れたよ…)

 

 

 

諦めモードでいたそのとき、

 

 

 

あることに気付きました。

 

 

ピアノに手を置くチビパンダの目は

完全に鍵盤から

逸れていることを。

 

 

 

あぁ・・チビパンダは

ピアノそのものはやりたいけど

向き合い方がわからないのか。

 

 

…でも、向き合うって、

一体なんだろう。

 

 

 

…‥。

 

 

 

 

 

「チビパンダ。

 ちょっとおいで。」

 

 

 

 

私はチビパンダの

小さな体を抱きしめて

言いました。

 

 

 

 

「チビパンダ…

 

 練習するってね、

 いつだってママが横で見てたり

 一緒にいられるわけじゃ

 ないんだよ。

 

 もしママが横にいてもいなくても、

 向き合うのは、

 パンちゃん自身なんだよ。」

 

 

 

そう言って、自分の言葉に

勝手にハッとしてしまいました。

 

 

まだ小さいチビパンダ。

 

けれどいつかこの子も

私の手を離れて

暮らすときが来るんだな。

 

 

そう考えながら、

とはいえまだ3歳の娘に

こんなことを思うのも

時期尚早で、

大袈裟かもしれないですが

 

高齢出産の私。

 

この先あとどれくらい

この子の側にいられるかわからない。

 

 

だからチビパンダには

なんでも全て私が

手取り足取りするだけではなくて

 

自分の力で気づき、考えながら

生きていって欲しいと、

考えてしまいます。

 

 

 

そう思うとなんだか、

なぜかわからないんですけど

涙が出てきてしまいました。

 

 

 

すると、

私の涙に気づいたチビパンダが

私にしがみついて

 

 

チビパンダ

「ママー!

 パンちゃん頑張るからー大泣き

 

 

愛おしいちっちゃい体で

ワンワン泣き始めました。

 

 

 

 

 

それから二人で

ぎゅーとしたあと

 

 

「パンちゃん、弾けるよ。」

 

 

チビパンダは鍵盤をじぃっと見て

小さなおててで

一人で「ド」の音を探して

弾き始めました。

 

 

それからあっという間に

全部ちゃんとできるようになったので

 

また、ぎゅーっとして

おりこうさんだったねと

たくさん褒めてあげました。

 

 

 

 

きっとこの先、いつか彼女にも

反抗期とか、思春期という時期が来て

こんな母の言葉も

聞いてくれなくなる時が来るのでしょう。

 

 

その前にこうして、半人前な私は

チビパンダとの向き合い方に

悩み、考える日が訪れるのでしょう。

 

 

 

 

けれどいつだって私は

あなたを愛していると

 

そのことだけは

しっかり伝えてゆきたいなと

 

 

そう思った、

チビパンダの習い事はじめでした。

 

 

 

 

 

 

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