今回は1997年のカナダの映画「キューブ」の

ざっくりあらすじネタバレ感想です。

 

 

冒頭、一人の男性が全身、

綺麗に立方体に刻まれるという

ワクワクするシーンから始まります。

 

そして、複数の男女が目覚め始める場面へと展開されます。

 

そこは万華鏡のような装飾が美しく

無機質な、立方体の部屋で皆同じ服を着せられています。

 

一同が状況を把握しようとしていると、

どこかから「助けて!」という叫び声が不気味に響き渡ります。

 

そして壁にはセンサーがしかけられており、

罠が発動する仕組みになっていることがわかります。

 

やがて全員、どうやってここに来たのかわからないが、

気づいたらここで目覚めたということがわかってきます。

 

入ったのなら出られるはずだ!

と、みんなで罠の有無を確認しながら移動しはじめます。

 

そして、ある数列を発見するのですが、最初その数字が

何を意味するのかわかりませんでした。

 

一同の中に脱獄のプロがいることを知った皆は、

大船に乗った気分になるのですが、

 

それも束の間、罠を発動させてしまい

男は顔を溶かされて絶命するというえぐい死に方をしてしまいます。

 

その光景に、みんなびびります。

 

やがて、集められたのは亡くなった脱獄のプロに、

警官、医者、数学専攻の学生、会社員だということがわかります。

 

みんなが何のために集められたのか、

なぜ自分でなければならなかったのか、わかりません。

 

やがて学生が、さっきの数列から

罠がしかけられているのは、素数の部屋だということに気づきます。

 

皆協力しながら学生を頼りに部屋を移動していくうちに、

なんだか良い雰囲気になっていきます。

 

そんな中、会社員だけは協力を拒むのでした。

 

すると、行き詰った部屋で上から若い男性が落ちて来ます。

 

男性はどうやら精神に障害があるようでした。

 

医師がサポートしながら移動を続けますが、

途中青年がやらかします。

 

私も映画を見ていて、時系列はさだかではないけれど、

かなり長時間経過していると思われるので、

みんなトイレとかどうするんだろう?と

気になっていたところです。

 

生理現象は仕方ないですよね?

 

疲労と渇きと焦燥感から、徐々に足並みが乱れ始め

皆は協力しようとしない会社員を怪しみ始めます。

 

そこで、会社員を問い詰めてみると

会社員が実は自分がこの建物の外殻を設計したのだと

衝撃的な告白します。

 

そして、この建物は立方体でできた石の棺で

設計はしたが、その目的は知らなかった、

雇い主とは会ったこともないので、誰だかわからないと、

 

ボコボコにされそうなセリフをはきます。

 

最初からこれは政府の陰謀だと言っていた医師は、

それを聞き、やはり政府の陰謀だったのだと狂気します。

 

会社員いわく、建造の目的は忘れ去られた公共事業だと語り、

言い終わると、すっきりした表情を浮かべます。

 

会社員の証言から部屋は全部で1万7576室だとわかると、

皆絶望します。

 

すると学生が数字は座標をしめていると気づきます。

 

警官と医師はここを出たら一緒に食事をしようなどと

言い合うほどになっていたのだが、

意見を対立させるようになり、大声でなじりあったりし始めます。

 

特に警官の医師に対する暴言はゲスでした。

 

警官はクズな人間性をどんどん現し始めていきます。

 

その場の雰囲気もかなり悪化する中、

一同はなんとか建物の外殻までたどり着きます。

 

ここでも警官がクズを炸裂させ、

医師は奈落へと転落します。

 

本性を現した時の警官、素晴らしくいい表情でした草

 

警官にとって、

この外殻を設計した会社員と

罠を回避するために学生は必要な存在でしたが、

彼にとって医師は邪魔な存在でした。

 

青年のことは最初から眼中になく、置いていくつもり満々です。

 

ですが私は実は医師は助かっているのではないかと思いました。

 

底の見えない闇に落ちる勇気がある者が生きて出られるというストーリーではないかと。

 

そこまで考えたら、会社員は本当は出口知っているんじゃないか、

会社員こそがこの事件の黒幕なのではないか

なんてことも考えたりしました。

 

そして、案の定警官は、学生に数列を解読するよう

ゴリゴリに強要しはじめます。

 

ここで初めて音楽が流れます。

そして、そういえば最初からこの映画

音楽は流れず話し声、呼吸の音、機械音などの音で演出されていたことに気づきました。

 

そしてこの音楽、かなり怖いです。

ちょっとサスペリア2を思い出しちゃいました。

 

 

警官は学生だけ運び出し、ふたりで先に逃げよう、

残りの二人はあとで助け出すと言いだし、

 

どんどん錯乱していき、

学生に対しゲスなことを言いだす始末です。

 

 

ギリギリのところで学生は

会社員によって助けられます。

 

ですが腕っぷしの強い警官によってボコられ、

会社員は下の部屋へ落されてしまうのでした。

 

その部屋には罠はしかけられていませんでしたが、

皆が目にしたのは、最初にされた脱獄のプロの屍でした。

 

警官はどんどん暴力的になっていき、

おとなしかった学生も大声で泣き叫び、

無気力だった会社員は笑い出します。

 

やがて3人は膝からくずれおち、さめざめと涙します。

 

精神的、肉体的疲労と絶望と極限状態におかれた人間の姿です。

 

ここまで見て、実は上から落ちてきた青年が犯人なのではないかと考えてしまいました。

 

全部演技で、冷静に皆の行動を眺めている、みたいな?

 

理由は、極限状態の人間の姿が見たいから?とか?

 

ここで衝撃の新事実が。

 

会社員が、部屋が動いていることに気づくのです。

 

さらに学生が数列の謎を解こうとしますが、

数が多すぎて天文学的数字になるため、

電卓がなければ無理だと言います。

 

すると、青年が学生が口にした数列の因数を答えます。

 

なんと彼は天才だったのです。

 

彼に因数を解かせながら部屋を移動します。

 

ところで、警官にどんなにボコられてもやり返さない会社員を

不思議に思っていたんですが、やっぱりやり返しましたね。

 

警官をぼこり、なんとか出口にたどり着いたものの

会社員は救いようのない人間の愚かさを嘆き、脱出することを拒みます。

 

でも、「それでも生きている」という学生の言葉に動かされ

 

なんだか良い雰囲気になる二人。

 

と思ったらどうやってたどり着けたのか警官が。

 

ホラー過ぎる警官えーん

 

無機質で閉塞した空間でのギリギリな精神状態の恐怖を、

拘束された皆と同じように

なんとなくそれまで長い時間味わっていたので、

そこから突然のスプラッターに新鮮な驚きを感じました。


おどおどしていた学生がだんだん強くなっていき、

脱出できる段になったのに脱出することをためらう会社員を

はげまし力つけようとするところまで成長し、

生きることを諦めようとしていた会社員がその学生の言葉に動かされ

前を向こうとし始め、

常にリーダーシップを取り正義感溢れる人間のように描かれていた警官が

一番クズだったという展開、

あの青年はきっと助かるのではないかと思っていたら

そこはそのままというところ、

 

色々な意味で読みをはずされたり、

ワクワクさせられたり、

最初から最後まで楽しめました。

 

みんなが何のために集められたのか、

なぜ自分でだければならなかったのか、

それは謎のままはてなマークはてなマーク

 

黒幕は実は一同の中にいるのではないかと

想像したのですが、見事にはずれちゃいました。

 

いろいろ予想しながら見るのも楽しいですよね?

 

ウィーキングデッドや、ゲームオブスローンを見た時思ったのですが、

この映画を見ても同じ事を思いました。

 

もっと体鍛えよう!