『詩織~っ!! クラス一緒だよ~…!!』



『ゆんちゃん泣きすぎだから!』



『だって不安だったんだも…ん…』



『泣かないで^^; あたしも嬉しいよ』



『詩織~~~ッ!!!』




高校生、春。


あの日の約束から9年経つ。


まだ、再会出来ていないけれど

まだ、会いたい気持ちがふくらむ。


彼の名前は、市村恭二。



進級の時なんかは、いつも名前を探しちゃう。



意味なんかないのに──────。



でも──────違った。



『え…?』


『ん? 詩織?』


『ゆんちゃん…恭二の名前があるの。』

あたしの名前の下に、恭二の名前があるの。

"市村恭二"って…名前が書いてあるの…』


『恭二って…約束した人?』


『うん…恭二の名前があるの!!!』




どんなに嬉しかったか。



まだあの恭二だと確定出来たわけじゃなかったけど



すごくすごく嬉しかった。



恭二とあたしは運命にあるんだと思った。



ずっと先も、、、ここで出会わなければ。



教室に入ってみると、まだ生徒は全然集まっていなかった。



あたしの隣の『市川恭二』の席も、まだ空席のまま。



『詩織の後ろ~っ☆』


『ゆんちゃん、舞い上がりすぎー(^_^)』


ゆんちゃんとは幼稚園からの付き合いで、




一度もクラスが離れた事のない大親友。



そんなゆんちゃんだから、恭二との事も話した。



ゆんちゃんは・・・あたしにとっては絶対的なの。





そのうち、生徒も集まってくる。


1人・・・2人・・・


あたしの隣の席の人は、現れない。


あたしはそれを、ただひたすら待った。


その時───。





『B組ってここですか?』





『え…そうですよ。』


『ありがとう。』



1人の男子が、あたしに話しかけてきた。


彼が座った席は──────






あたしの隣。






『・・・・・・恭二?』


『・・・え?』




初対面の人にいきなり呼び捨てだもんね^^;

そりゃ、ビックリするよね…




『…覚えてんの?俺の事。』


『恭二なんだよね…?

あの時の約束の恭二なんだよね?』


『詩織なんだよな?』


『───うん。』







運命って本当にあるんだ。




運命って本当に…本当に…。




『あの約束、覚えてんの?』


『当たり前じゃん…だって…』


『運命だと思ってる?』


『すごいね…運命って本当に…』


『───俺は』






聞きたくなかったよ。




出会いたくなかったよ。




まだ夢を見れていたかもしれなかったから。




まだ恭二に憧れを抱けていたから。




運命を信じられていたから。




まだ・・・











『悪いけど、お前に未練なんかないから。』












出会いたくなかったよ。