ヒデさんとはもうじき2年になる。
Nさんとはもうじき1年。

ヒデさんとは安定しきっていて、
お互いに家庭があり、線引きも出来ている。
私も主人のことを話すし、
ヒデさんのご家族のこともよく知っている。
だから、不安はないし、
この先も何かない限りは
この関係が続くのであろうと思われる。

一方、Nさんは見えない部分が多すぎて
不安定な関係だ。
もちろん大筋は知っている。
バツイチであることや、お子さんがいること。
仕事内容などだ。
でも、それ以外は知らない。
話してくれない。
聞きたいと思うけど、踏み込めない線がある。


そういったことを踏まえて
今回自覚したことがある。

私はやっぱり出木杉くんを忘れていない。

無意識のうちに比べているのだ。

何が不満なのか?
何が足りないのか?
何を求めているのか?

色々考えた結果、答えは出木杉くんだった。

出木杉くんならこう答える。
出木杉くんならこうしてくれる。
出木杉くんなら……

もちろん出木杉くんとお付き合いしてた頃は、それなりに不満があった。
猜疑心の強いところ、高圧的な物言い、
他にもたくさん。
でも、それらを上回るほど
彼は私に愛情を注いでくれた。
愛されている、と感じることができた。

私も彼を愛していた。

だから家庭を捨てる覚悟をした。

結局、別れることになったけど
私は今でも出木杉くんを求めている。
出木杉くんが基準になっている。

出木杉くんは必ず次の約束をしてくれた。
ちゃんと話しを聞いてくれた。
私に金銭的な負担を一切かけなかった。
そして、約束した事は必ず守った。

別れたから綺麗な思い出が残っているのか?
いや、苦しかった日々も忘れていない。

精神的な病気になった彼の側にいるのは、
本当に大変だった。
毎日励まし、なだめ、ありとあらゆる場所にも付き添った。
特にキツかったのは病院通い。
心療内科は縁がなかったので、
その雰囲気には最後まで慣れなかった。
また、初めてカウンセリングも受けた。

それらの経験を全て踏まえても、
やはり出木杉くんを求めている。

ただ、出木杉くんとはお別れをした。
ヨリを戻す事は無い。
彼は誓いを守る人。
どんなに出木杉くんが恋しくても、
二度と戻る事は出来ない。