死刑の執行を待つ人間が、自分の事件を公の場で語ることはほとんどない. だが、その言葉には、事件の真相を改めて考えさせる手がかりが確かにあった. オウム真理教事件の裁判員裁判で、元教団幹部の中川智正死刑囚が証言した. 17年近く逃亡していた平田信(まこと)被告の共犯者として法廷で尋問された. 過去に死刑囚が証言した4例のうち、法廷では1例だけ. 残る3例は、拘置所に裁判官らが出向いていた. 今回も検察側は、移送中の警備や本人の心情への影響を案じて出張尋問を求めた. だが、東京地裁は特別扱いの必要はないとして法廷を選んだ. その判断は正しかったというべきだろう. 裁判員と遺族らが、犯罪に手を染めた当事者の選ぶ言葉をじかに聞き、その表情と語りぶりを見届けることができた. それは裁判記録だけでは語り継げない生身の情報だ. 証言は、妹を脱会させようとした男性を教団が拉致した事件について行われた. 医師だった中川死刑囚が麻酔をし、のちに男性は死亡した. 真っ先に口にしたのは謝罪だった. そのうえで「ちゃんと証言します」と明言した. 遺族も公判後、「真剣、正直に証言しようとした」と評価した. 新事実は出てこなかった. だが、年月を経て、死刑囚という立場になり、事件をどう見ているかが伝わった. 拉致の現場で計画が思うように進まなかった時点で、中止できなかったのか. やめれば、教祖に背くことになるのか. その問いには、「いや、そこがこの事件の引き際だった. ここでやめておけばよかった」. そう、あっさり述べた. では、なぜ、実際に引き返さなかったのか. ひとごとのような言葉にも聞こえる. だが、そんな自制心の喪失こそが組織を暴走させたのかもしれない. どれほど事実の断片を集め、肉声を聞いても掘り尽くせない真相の闇は残る. それでも、同様の犯罪をうまないため、社会が共有すべきことはもっとあると感じさせられる. 死刑囚はついたてで囲われ、傍聴席からは見えなかった. 地裁は、証人への配慮というが、今回証言する3死刑囚は全員、それは不要と言っている. そもそも法廷証言は重いものだが、これほどの事件であればなおさら意味が大きい. 性犯罪などで証言の負担が明らかなケースでない限り、法廷の公開の原則は尊重されるべきだ. 西村宏治、北川慧一】パナソニックは31日、2014年3月期の純利益が、当初予想の500億円から1千億円に倍増する見通しを発表した. 新たに強化を狙う住宅や自動車関連事業の伸びを見込む. 一方、プラズマテレビ事業からの撤退も正式発表. 「家電の雄」にこだわらない姿勢が、はっきりしてきた. (変わるパナソニック: 1)車・住宅軸に稼ぎ方模索 売上高予想も、当初より3%伸びて7兆4千億円にした. 営業利益も8%上積みし、2700億円と予想している. 同時発表の13年9月中間決算は純利益が1693億円で、5年前の1284億円を上回って過去最高. 前期は6851億円の巨額赤字だった. 赤字を受け、従業員の給与カットや工場再編などのリストラに着手. かつて主力だったプラズマテレビ事業も、来年3月までに撤退する. ダウン 約250人いる子会社の正社員については、希望退職を募り、応じなければ解雇する方向だ. 足もとでは、自動車向け事業が好調だ. 電気自動車などに使うリチウムイオン電池事業の4~9月の営業損益は、前年の33億円の赤字から71億円の黒字になった. カーナビなど自動車関連と半導体など電子部品の部門全体では、営業利益が前年の2倍の582億円に達した. 太陽光パネルなどの住宅関連部門も、4~9月の営業利益は前年の2倍の414億円に達した. 国内では消費税増税前の駆け込み需要が強い. また、海外でもトルコの配線器具メーカー「ヴィコ社」の株式の9割を約460億円で取得することを発表. 中東やロシア、アフリカなど成長市場でも住宅事業でもうける体制づくりを急ぐ. 記者会見した津賀一宏社長は「円安や、住宅着工の増加という追い風が吹いている. この間に、しっかりと体質を改善したい」と話した.
リオデジャネイロ=柴田真宏】9歳の米国人少年が、アルゼンチンにある南米大陸最高峰アコンカグア(標高6962メートル)の登頂に成功した. 英BBC電子版などが28日、伝えた. 史上最年少での登頂という. 報道によると、快挙を達成したのはタイラー・アームストロング君. アンデス山脈にある同峰を父親らと登り、24日に頂上に到達した. これまでの最年少記録は2008年に登った米国人少年の10歳という. タイラー君は登頂後、「どんな少年でもできること. 必要なのはトライすることだよ」と語ったという. 昨年はアフリカ最高峰キリマンジャロ(標高5895メートル)の登頂に成功している.