20時を過ぎたころ
子宮口は7センチまで開いてました。

こんな痛いのに、まだ7センチ…?!
って思ってました。

これまで静かなお産を心がけ
ソフロロジーで呼吸し続けて来ましたが
少しずつ
あー。。とか
うぅー。。とか
(実際はこんね可愛いもんじゃなかったかも…)
声が漏れてしまうことも。

でも頭の中はちょっとだけ冷静で
声を出さない方が楽だなーとか
この陣痛は良い陣痛だなーとか
考えたりもしてました。

次第に、夫がモニターを見ながら
張りの数値があがると
勝手に腰を押してくれるようになり
「きた!」とか言わずに
連携プレイができるようになっていきました。

張りの数値が高いと
「今の陣痛よかった!
きっと進んだ!!!」
と声をかけてくれたりもしました。

ほぼシカトしてしまいましたが
この声かけ、ありがたかったです。

一緒にソフロロジー呼吸法もしてくれました。

ソフロロジー教室一緒に出た甲斐あったね♡



ここからは時計を見る余裕なんて
もちろん無かったです。


でも、弱っていく心の中で強く思っていたことがあります。

「もう無理。」「もうやだ。」
「お腹切って。」「限界。」

こういうマイナスな言葉は
絶対に口にしないと。

たとえ、思っても絶対に口にしないと、、


絶対に、後悔することになるんです。


出産には必ず終わりが来るのを
1人産んだ時点で学びました。


終わりが見えないから
すごく遠く感じるけど
絶対むりでもないし、いやなことでもないし
限界でもないんです。

そして、痛かったのも頑張ったのも
自分だけじゃないことを
産んだあと心の底から実感します。

そのとき、陣痛中に自分で発した言葉に
とても罪悪感を感じて後悔するのです。
(そうです…恥ずかしながら実体験です。
21歳初産のわたしは、何度も、口にしてしまいました。
もうお腹切って出して!むりだから!!と。)


31歳になったわたしは
ほんのちょっとだけ
ちゃんと母になってました。


話がズレてしまいましたが…

いつのまにか子宮口は9センチまで開いてたんですが、肝心の赤ちゃんがまだいきめる段階までおりてきてませんでした。

看護婦さんと助産師さんの話では
・恥骨に頭が引っかかっていて赤ちゃんがおりてこれない。
・経産婦さんであることを期待して、何度かいきんでもらって下におろしてみようか。


酸素マスクをつけられたわたしは
もうほとんどない、わずかな陣痛の合間に
一生懸命お腹を膨らまして
赤ちゃんに酸素を送りました。

手が痙攣していて、自分でも驚きました。


助産師さんに言われたとおり
右横を向いて、片足を自分で持ちながら
何度かいきみました。


2回目の出産でやっとコツを掴んだいきみ方は
体が覚えてます。

うんちが出ることを恐れてはダメなんです!


うんちも出すんです!

赤ちゃんの頭がハマりやすいように
うんちを出して、空っぽにしてあげるらしいです。


体格の良い看護婦さんが
膣から指をいれて
一生懸命うんちを出してくれました。

さすがにこの時は夫は外へ。

看護婦さんが、窓をあけてくれたことも
覚えてます。
(部屋中くさかった…)

足に袋をかぶせられたり
分娩台に変化したり
着々と分娩準備が進んでいるのを見て
希望の光を見た気がしました。

陣痛の合間に
夫の目をチラっと見たのをなんとなく覚えてます。

そして一言
「時間かかっちゃってゴメン」
と言ったそうです。
(あとから夫に聞きました)


看護婦さんと助産師さんが相談して
先生にオンコール。

海坊主のような先生が登場しました。

吸引機の準備もしてました。


もう自分が、何されてるのかすら
よくわからないし覚えてないけど
吸引機には普通にドン引き。

これ、はいんの…?

でも、もうそんな事言ってらんない。
なんでも入れてくれ。

とにかく産みたい一心で
言われるがままにいきみました。

分娩台の足を置くところの更に上のところに
足を置くように言われ
膝の裏を自分の手でもち
何度もいきみました。

助産師さんはわたしのお腹を力一杯押します。


「心拍!心拍!しんぱく!!」

夜中に響き渡る先生の声。

心拍?!

え、心拍????

そして
「ちょっと旦那さん外出して!」

え、このタイミングで?!?!

ここまで全部見せておいて
このタイミングで外出すって
これから何がおきるの?!
と、とても不安になりました。
…が、みんながみんな、本当に必死でした。


そして
「だんなさーん!だんなさーん!!!」

夫が戻ってきた瞬間
「はい、もういきまない!
ハッハッハッて息して〜
赤ちゃん出るよ!見ててね〜」
と声をかけられて
温かい赤ちゃんがズルンと出てきました。


でも、わたし
見られなかったんです。
出てくる瞬間を…

ほとんど、意識なんて無かったです。


産まれたことも
「ほら、赤ちゃん泣いてるよ!
産まれたよ!!!!」
と目の前に連れてきてくれて
少しだけ正気に戻り
「ほんとだぁぁぁ。。
ありがとう。。。よかったぁぁぁ。」
と、赤ちゃんの手を触った瞬間涙が出ました。

チラっと見た夫の目も真っ赤だったような気がします。


夫が何か声をかけてくれたかもですが
全く覚えてません、、


気がついたら院長先生が来てました。

心拍がさがったことを聞いて慌てて駆けつけてくれたようです。


オマタの処置のため
夫は外へ。

赤ちゃんは体重など計ったり
綺麗にしてもらってる間
ずっと泣いてました。

肺呼吸の練習よく頑張ったね!


海坊主先生が
「おめでとうございます。
ちょっとビックリしましたね。
心拍さがっちゃって、、
ごめんね、大きい声出してね。
よかった、本当によかった。
しっかり麻酔して縫ってくからね!
もうちょっとだけがんばろうね!」
と、優しく声をかけてくれました。

眠くなるよ〜と言われ
少しだけ点滴にお薬をいれられましたが
意識が朦朧とするだけで
完全には眠れませんでした。

そして、体格良い看護婦さんが
左側についてずっと手を握りしめていてくれました。

頑張ったね〜!本当に頑張った!と言って
お茶を口元に持ってきてくれたり
手をぎゅーと握ってくれたり
とっっても安心できました。


わたしは
「忙しいのに何回も呼んでごめんなさい」
と謝りました。笑


1時間は縫ってたと思います。


一体どんだけ避けたんだろ…と思いながらも
優しく声をかけながら
一生懸命縫ってくれてる先生に
心の中で感謝してました。

ありがとうございます…
って、口に出してたかもしれません。



このとき、とにかく
みんなに感謝の気持ちでいっぱいだったんです。笑


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一旦おわります。