日刊ファンタジー☆自作小説「モバフォン・ガール」連載中!

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このブログではラノベ風の小説を記事で投稿しています。

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 時はさかのぼり、真冬が8歳の頃。季節は夏で日差しの強いよく晴れた日だった。
 真冬は公園で少年がサッカーボールを蹴っているのを眺めていた。
 その少年は真冬と同い年くらいで健康そうな褐色の肌をしている。
「なに見てんだよ、やりたいのか?」
 少年はボールを右足でキープすると真冬に訊いた。
 その質問に真冬は首を横に振って答えた。
「なんだよ……俺は別にいいけどさ、遊ぶ友達とかいないの?」
「うん、特にいない……」
 それから少年は何も話すことなく黙ってサッカーボールで遊んでいた。
 そんなうちに数時間が過ぎ、美雪が帰っているところを見かけると真冬はとことこと歩いていった。
 なんなんだよあいつ、と少年は思い、真冬がいなくなった後もしばらくボールを蹴り続けた。

 その次の日の土曜日にも真冬は少年の姿を見ていた。
「お前は昨日の……」
 来てすぐに真冬は声を掛けられた。その時少年と視線が合い少しびくっと動いた。
「ところで、名前なんていうの?」
 せっかくそこにいるのだからと少年は真冬に話しかけた。
「真冬……」
「真冬かお前のイメージにぴったりな名前だな、俺の名前は勝つって字一文字でマサルって読むんだぜ」
「なんかカッコイイ名前だね」
 にこりと笑い真冬は答えた。
「ま、まあな」
 照れかくしをしながらマサルは言った。
「それにしてもお前、学校のときは活発なのに随分キャラ違うな」
「あ、たぶんそれ姉ちゃんかな?双子だから顔そっくりなんだ」
「マジで、お前妹の方か」
「いや、僕弟……」
「お前、男なの!?」
 マサルはサッカーボールを蹴る足を止め驚いた。
「そんなに驚くこと?」
「え、だってさぁ……」
 そう言うとマサルは視線をそらし横を向いた。
 それから少しすると足でボールを蹴った。そのボールは真冬にめがけて飛んでゆく。
「うわっ!」
 真冬は両手でボールをキャッチした。
「おい、サッカーボールなんだから足で止めろよ」
 マサルはにぃ、と白い歯を見せながら笑った。


 マサルが次に真冬に会ったのは翌週の月曜、しかも公園ではなくマサルの通っている学校で――。

 自分の教室に入るときマサルは真冬がいるのを目撃した。

「ま、真冬!」

 マサルは驚いて思わず大きな声を出した。

 実は真冬はマサルと同じクラスだったのだが、存在感がなさ過ぎて気づいていなかったのだ。


 しおりが泊まった次の日、真冬は授業中だと言うのに居眠りをしていた。
「おい、お前が居眠りなんて珍しいな」
 マサルが声を掛けてきた。
 真冬は起きるとあくびをした。正直まだ寝足りない、といった様子。
「ちょっと昨日あまり寝れなくて……」
 しおりと一緒に寝たからちゃんと眠れなかったのだが、余計なことは言うまいと真冬は曖昧に言った。
「そっか、今日の分のノートは取っておいてやるからぐっすり寝とけ。ノート見せるのは西谷だろうけど……」
「ありがとう……」
 そう呟くように言うと真冬はまた眠りに着いた。

 次に真冬が目覚めたときにはもう放課後だった。
「え!もうこんな時間?」
 そう叫んだ真冬を見て隣にいた西谷が微笑んだ。
 しかもここは教室ではなく部活真っ最中の女子テニス部のコートだった。
 実は寝たままの真冬を西谷としおりのふたりでここまで運んできたのだ。
「真冬くん、やっと起きたー」
 あー、なんか1日無駄にした気分、と真冬は思った。
「ちょっと着替えてくるね」
 真冬はそう言って立ち上がったが、その真冬を止めようと西谷は腕を掴んできた。
「着替えなくていいよ、真冬くんが起きたらふたりで帰っていいって言われてるから」
「そうなの?」
「うん、だから帰ろう」
 そう言うと西谷も立ち上がり一緒に帰ることになった。西谷はマネージャー着の上にワイシャツとスラックスを身につけ早々と帰る準備を済ませた。
 帰り道、真冬は昨日しおりに告白したこと、泊まったことなどいろいろ話した。
「嘘!一緒にお風呂入ったの?」
「うん、恥ずかしくてしおりの体ほとんど見れなかった」
「なんかもったいない」
「も、もったいないって……」
「まあ、堂々とされると逆に見ずらくなるんだよねぇ」
「ゆうみ、このことマサルには……てか誰にも言わないでね」
「ああ、言われなくても言わないよ」
 西谷は笑顔で言った。こんな話をしているうちにふたりはわかれる場所まで来てそれぞれの帰路へと進んでいった。

「美雪の言う通り、うまくいってよかった」
 自宅でしおりがふいに呟いた。
 実は昨日真冬がしおりの部屋で拾った手紙はわざと読まれるように仕組まれたものだった。
 そして、その計画を立てたのが他でもない美雪だったのだ。
 真冬の意識がなくなったときに美雪はその計画をしおりに伝えていた。
 真冬は断られたら関係が崩れてしまう、と思い告白できずにいるのを美雪は見抜いていた。それで美雪は告白せずにしおりの想いから伝える方法を考え出したのだった。
 次はいつ泊まりに行こうかなぁ、しおりは微笑みながらそんなことを考えていた。

 しおりの家への道のりを歩く間真冬は何を話したらいいかわからず黙っていた。
 その間しおりも声を掛けてこないのでふたりとも黙ったまま歩いている。
 結局ふたりは特に話をすることもなく目的地までたどり着いた。
「入って」
 久々にあがるしおりの家、真冬はどきどきしながら中へと入ってゆく。
「おじゃましまーす」
 申し訳なさそうに真冬は言った。
「私の部屋分かるでしょ?先行ってて」
「うん」
 言われた通り真冬は階段を上りしおりの部屋へと入った。すると、ドアの近くに手紙が落ちていたので真冬はさりげなく拾った。
 その手紙を見て真冬は慌てた。そこにはしおりが恋愛に関して友達と相談していた内容が書いてあった。
 そして、しおりが好きな人は真冬だということが書かれていた。
 それを見ている最中にしおりの足音が聞こえ、真冬はとっさに手紙を持った手を背中にまわして隠した。
「ねえ、真冬くんちょっと一緒に出かけない?」
 部屋のドアを開けしおりが言ってきた。よく見るとしおりは制服から私服に着替えていた。
「あ、僕制服のままだけど……」
「別にいいよそのままで」
 ということでふたりで外出することになった。そのとき真冬は部屋を出るときこっそり手紙を床に落とし出てきた。
 真冬はしおりと歩いている間、さっき見た手紙のことばかり考えてしまった。
【真冬くんが好きなんだけどなかなか告白してくれなくて・・・】
 手紙に書いてあったその文章が頭に焼きついて離れない。
 今日告白しよう、そう真冬は決意した。
「あの、しおり……」
「ん?」
 真冬の呼ぶ声にしおりはこちらを向いた。
 いざ言おうとするとすごく緊張する。まっすぐ見つめるしおりの視線が真冬をそうさせた。
「僕……しおりのことが好き!恋人になってくれない?」
 真冬の人生初の告白の言葉。
 それを言い終えた後真冬の胸のドキドキが最高潮に達した。
 しおりはしばらく返事もなしに立っていたがいきなり動き出し飛びかかる様に真冬を抱きしめた。
 その勢いに真冬は足を滑らせしおりに抱かれたまま地面に倒れた。
「痛っ……」
「ご、ごめん、つい嬉しくて……」
 しおりは満面の笑みで言った。
 それからふたりはゆっくりと起き上がり手をつないで歩いた。
「ねえ、このまま真冬くんの家行っていい?」
「いいよ」
「あと、泊まるから」
「え、泊まるの?」
「着替えは美雪の服があるから大丈夫でしょ」
「まあそうだけど……」
 そんなこんなでふたりは真冬の家へと着いた。
 真冬は中に入るとすぐに制服から私服に着替えようとした。すると、しおりがジャージを持って真冬に渡した。
「もう出かけないんだしこれ着れば」
「いいけど、なんで?」
「私男の子がジャージ着てる姿好きなの」
「へぇ、知らなかった」
「あたりまえだよ、美雪意外に話したことないもん」
「でも、何で好きなの?」
「それは……言うの恥ずかしい……後好きなのはズボンの方だから、上はTシャツでも何でもいい」
「なんとなくわかったけど、それ聞くとなんか着たくないなぁ」
 そんな風に言ったもののちゃんと真冬はジャージに着替えた。上は何でもいいと言われたので半そでのTシャツを適当に取り出して着た。
 着替えが終わると真冬はすぐに夕飯の支度を始めた。
「何作るの?」
「今日はしおりが好きなハンバーグ作ろうかなぁ」
 そんなありふれた話をしながら料理を作るとふたりで話しながら食べた。
「ねえ、一緒にお風呂入ろうよ」
 しおりが不意に提案してきた。
「え……」
「恋人なら一緒に入るのが当たり前でしょ?」
「うん、そうかもね……」
 その場の空気に流され真冬は一緒に入ることになってしまった。
 まだちょっと早いかも、と真冬は思っていたが、しおりがそう言うならいいかな、と頭の中で自己解決した。
 食事が終わってしばらくするとふたりはお風呂場の前に来た。
「さあ、入ろう」
 そう言ってしおりが服を脱ぎ始めたので真冬も脱ぎ始める。
 トランクス1枚になると真冬はそこで手を止めた。
「ちょっと、タオル持ってきていい?」
「まさか、女の子が何も隠さないで入るのに真冬くんだけ隠すつもりじゃないよね?」
 気がつくとしおりは服をすべて脱ぎ捨て全裸になっていた。
 それを見て真冬は首を横に2回振ると、おとなしく残ったトランクスを脱いだ。

 次の日目を覚ますといつものように真冬の意識は戻っていた。
 見知らぬ部屋にいることに驚き真冬は周りをきょろきょろと見回した。
「お、真冬起きてたのか」
 そんなところにマサルがやってきた。
 ここはどこなのか訊きたいところだが、迂闊にそんなことはできない。
「おはよう」
 とりあえず真冬は挨拶をした。
「早く準備しないと学校遅れるぞ」
「え!いま何時?」
 真冬が時計を見るともう8時を過ぎていた。
 慌てて準備をし、3人は一緒に家を出た。
 結局3人はぎりぎりで遅刻は免れることができた。
「よし、全員席についてるな」
 真冬たちが席に着いた直後と言っていいほどすぐに先生が教室に入ってきた。教卓の前に立つとはぁ、と1回溜息をついてから先生は真剣なまなざしで話し始めた。
「実は昨日、ウチの学校の生徒がひとり死体となって発見された。3年の女子生徒だ。もしかしたらお前らのうちの誰かも狙われるかもしれない。くれぐれも帰るときは注意してくれよ」
 まさかとは思ったが真冬は昨日の記憶がないだけに少し不安だった。
「あの?犯人はどんな人かわからないんですか?」
 クラスの女子が質問した。
「それなんだが、目撃者がいないらしく犯人の特徴が全くわからないんだ。ただ服を脱がされていたことから警察はおそらく男だろうって言っていたな」
「それだけしか情報がないんじゃ掴まんないんじゃないの?」
 他の男子が言った。
「まあな、難しいだろうなぁ」
 そんな話をしているうちに1時間目の授業の時間が来て先生は教室を出て行った。
「なあ真冬、たぶん俺らは男だし大丈夫だよな?」
「うん、たぶんね」
「でもどうやって殺されたか言わないってことはかなりヤバかったのかなぁ?」
「どうせまたエロい想像してるんでしょ?」
「はっ、何言ってんだよ。気になるじゃんよ」
「どうせ明日にはニュースでやるだろうから判るんじゃないの」
 この頃真冬はこの事件のことを自分とは対して関係のないことだと思っていた。
 
「ねえ、真冬くんしおりさんが話あるって」
 1時間目が終わってから西谷がそう告げてきた。
「わかった、今行く」
 真冬は席を立ち廊下へ出た。
「あのさ、真冬くん、今日学校終わったら私の家来てくれない?」
「あ、うんいいよ」
 しおりの頼みに真冬は即答した。
「じゃあ帰り一緒に帰ろうね」
 そう言うとしおりは自分の教室へと戻っていった。
「おい、何話してたんだよ」
 にやけながらマサルが訊いてきた。
「いや、なんか……家に来てほしいって言われた」
「やったな、告白のチャンスじゃん」
「ええ、そ、そんなんじゃないよぉ」
 真冬は両手を前に出して否定した。
「相変わらず真冬はオクテだなぁ」
「そういうの真冬くんらしいけどね」
 知らぬ間に西谷も近くに来ていた。
 この日の放課後、マサルと西谷は先に帰り、真冬はしおりが来るのを待った。
「お待たせー」
 ほとんど待たないうちにしおりは来てふたりは校門を出て歩いていった。



最近ようやく更新できるようになりました。


小説のストーリー終盤なのでいろいろと考えていたらあっという間に1月が・・・


あと少し、あと少しがんばれば最後まで書けるというところまでついに来ました


・・・と言っても20ページくらいは書くかもしれません


日刊ファンタジー☆自作小説「モバフォン・ガール」連載中!-シュモン


そして気分転換(?)の意味も込めてプロフ画像変えました☆


クロスファイトビーダマンというアニメの「シュモン」という子です


はじめは主人公のカケルが好きでしたがEDの↑画像を見て心変わりしました


まあ普通のときの顔は好きじゃないけど・・・


そして、このアニメ時間帯的にいつも見れなくてつらいorz




てなわけで、これからは小説以外の方もいろいろ更新していこうかと思います!

(文脈めちゃくちゃだな、オイ・・・)


あと描いた絵などもあげたい!