こんにちは(*´ω`*)ようやく解説用のアキュムレーターが完成したので、記事にしていきたいと思います。

アキュムレーターの製作は大まかに分けてフレームの製作、内層を詰める作業、組み立て、の3工程があります。フレームには価格も安く扱いやすい木材を使用しますので、製作には簡単な木工の知識が必要になりますが、ここは木工サイトではないので木工に関しては基本的な説明のみとし、主にアキュムレーターに関係がある部分や、作業で特に気になった部分などを説明していきたいと思います。今回、製作したのは余っている材料の関係上、またしても大きめのものです。
まずは一通り完成した物の写真をご覧ください。
 

問題のオルゴン・アキュムレーター
(外寸約48cm×48cm×48cmの10層)

 

これはアメリカの業者さんの組み方を参考にしたもので、おそらくこの方法がもっとも簡単で無駄がないと思います。内部スペースに特に拘りがなければ、まったく同じ形のフレームを6つ作って組み上げるだけでも完成するので、サイズを小さくする、大きくする場合でも単にすべての木材の長さを変更するだけでOKです。工具は最低でも電動ドリル(ドリルビット)、ドライバー、ノコギリ、金づち、金切りバサミ、サンドペーパーなどが必要になると思います。


作業1-フレーム木材の切り出しと接合

で、今回は層も増やす予定だったので、ホームセンターで節有りの幅9cm、厚さ2cmの檜材の3mを2本、2mを1本買いました。節有りの木材なので、切断すると節が取れて欠けたりしますがとてもお安いです。また木材の厚みはたまたま売っていた安い木材が2cm厚だったというだけで、本来このサイズのアキュムレーターなら2cmも必要はありません。ただ木材は薄くすればするほど無駄がない一方、修正できる範囲が少なくなって多少の技術が必要になってくるので、初心者は最低でも厚み1.5cm以上はあった方がいいかなと思います。
私はホームセンターで木材を買ったら工作室の丸ノコで適当にカットし、正確な切断や仕上げは自宅で作業しますけど、面倒な方や工具を持っていない方は、事前に長さと必要本数を出しておいて、ホームセンターの店員さんに正確にカットしてもらってください。
で、カットしたのがこちらの左の写真です。

 

 

今回使う木材の接合方法では、右の写真のように四角く接合しますので、2種類の長さに木材を切り出すだけでOKです。例えば、2cm厚の木材で1辺30cmの正方形のフレームを作るのでしたら、フレーム1個につき30cmの木材が2本、厚み分を引いた26cmの木材を2本用意し、右のように接合すれば1辺30cmの正方形のフレームが完成しますね。フレームは6つ必要ですから、30cmと26cmの木材をそれぞれ12本ずつ用意すればいい事になります。
左の画像では3種類の長さになっていますが理由はまた後で説明します。で、木工では接合方法がたくさんあって、使用目的やその人の好み、あるいは技術によって様々な接合方法がとられますが、今回は写真のようにもっとも単純な芋継ぎで十分です。ただし圧着できない場合はボンドのみでは十分な接着力が得られない場所ですので、木ネジも併用してガッチリ接着します。下の画像のようにクランプなどで圧着できる場合は、後で外壁も接着しますからボンドだけで十分です。もっともこんなクランプを持っているようなら、わざわざ木工の説明も必要ないですね。

 

クランプは自作すればとてもに安くできます

 

木ネジで締めつける際は木が割れないように必ず下穴を開けておき、ボンドを塗ってから締め付けます。この時も、面取りカッターなんてものがあると綺麗に木ネジの頭が収まるのですが、なくても完成はします。

またホームセンターの木材は同じサイズのものを買っても、物によって幅、厚みが1~2mmも違ったり、歪んでいたりが当たり前にあるので、本来ならそれを手動・電動カンナなどで修正してから使います。そうしないと隙間ができたり斜めに組み上がってしまうのです。小さく細かい修正なら1000円程度の安いカンナひとつで簡単にできるのですが、手カンナは技術がいるので相応の練習と作業台も必要になりますし、下手にかけるとやらない方がマシだった、という酷い事になりますから、カンナより時間は掛かりますがサンドペーパーで削る方がまだいいと思います。ただサンドペーパーで調整するのは非常に労力が要ることと、下手にかけるとウネウネになってしまうことがありますから、とにかく、アキュムレーターは少しくらいの隙間があっても問題はなくて、空気が漏れないように密閉されている必要もありませんから、あまり細かいズレは気にせずに作ってください。

で、ご覧のとおり6つのフレームができました。

 

 

左側のフレームは大きく節が欠けていますが、ここは見えなくなる部分なのでそのまま。左側の2つのフレームは右側の4つのフレームと幅は同じですが、長さが1cm長いです。そのために3種類の長さの木材を用意したのですね。その理由は組み上げのときに。
んで、最終的な組み上げを綺麗に仕上げるには、このフレームが正確にできている事が条件で、そのためには木工の基本である、直角・水平が出ている事が大事になってくるのですが、先ほど書いたとおり、それは木材が狂いなく切り出されている、あるいは修正されている必要があって、ホームセンターの木材を長さを合わせて切っただけの状態では、ほぼ100%正確な形にはできませんから、まずは箱型に完成させる事を目標にしてください。


作業2-外壁の接着

フレームができたら、今度は外壁となるMDFを接着します。小型のアキュムレーターですので、MDFはホームセンターで売られている厚みが5.5mmのもので十分です。MDFにフレームを置いて鉛筆で縁をなぞり、この線の外側に沿って丁寧にノコギリで切り出して、木工ボンドでフレームに接着します。ボンドがしっかり乾いたら、フレームから飛び出たMDFをサンドペーパー(必ず当て木を使用してください)で削れば綺麗にフレームに合わせられます。MDFなのでサンドペーパーは120番くらいでも簡単に削れます。
サンドペーパーで削る事を考えれば、フレームから飛び出る量は少なくしておかないと大変になるのですが、この作業も工具(アサリなしのノコやカンナ、トリマー)があれば、何も考えずに縁をなぞった線より大きく切り出して適当に接着し、あとは飛び出た部分だけをサクッと一気にカットできるので楽です。特にトリマーはサイズを合わせながら面取りなどが簡単で早く、綺麗にできるのですが、爆音とMDFの粉塵で凄まじい事になるので、使い場所を選ぶのが難点です。
ちなみにMDFの粉塵は大工さん曰く 「花粉より、よほどタチが悪い」 もので、私も防塵マスクと防塵保護ゴーグルをつけないと鼻から滝のように花水が出まくりますので、ご注意ください。

前後(扉と背面)左右、上の面になるフレームは外壁を接着するだけで終わりですが、アキュムレーターに物を入れた際に重量が掛かる1番下のフレームの内側には、後々重さによってメッキ鋼板が歪まないように補強を入れていおきます。

 

 

こんな感じで余った板をフレームの高さと同じ高さに切り出し、ノコで溝を入れ、右の写真のように組みます。そうしたら…

 

 

こんな感じでフレームの真ん中あたりに接着しておきます。あとは他のフレームと同じ扱いです。中心に補強材がある分、素材を詰めていくのが少々面倒ですが頑張れ。極端に重いものを入れないようなら補強はこの程度の大きさで十分で、完全に十字に仕切る必要はありませんが、この場合メッキ鋼板の上から補強材に掛かる重量はそのままMDFへ掛かりますので、あまり重いものを入れると今度はMDFに歪みや割れが出るかもしれません。MDFへ重量を掛けたくない場合は、補強材を長くしてフレームに繋げてください。

あ、それと本体の下部には風が通るように少し隙間を空けるための足がいります。木材などで足を作る場合は外壁に接着してしまえばいいのですが、キャスターなどをネジ留めする場合は、物によってはフレームとMDFでは固定に必要な面積が取れない事があるので、前もってキャスターを用意して確認しておき、ネジ留めに必要な面積の板材をフレーム内側に接着して補強しておいてください。

あ、それとボンドによる接着ですが、これはMDFも普通の木材も同じで圧着したまま静止させておく事が基本です。先の写真で紹介したようにクランプやハタガネを使って強い力で圧着し乾燥するまで静止させておく事で、人間の力では取れない強力な接着力を発揮します。こういった道具がない場合は、できる限り重いものを乗せたり、紐で縛ってから、その紐を捻って締め付けたりしてください。くっ付いたかな~?まだかな~?くっ付いたかな~?なんてチョコチョコ弄っているとまったく接着できないので、圧着したらそのまま半日は動かさないようにしてください。

そういうわけで、MDFの外壁を接着して滑らかに面取り加工したフレームが6つできました。

 


ここまではもう完璧やん!と仕上がりに満足していたのですが、次でまたしてもやってもうたので、やる気が完全に失せました。えぇ。なんとか最後まで頑張って解説します。次はシェラックによるコーティングです。


作業3-シェラックによるコーティング

素材の説明の記事でも触れたとおり、シェラックでコーティングする事でオルゴンの吸収力が高まり、また硬い塗膜ですから外壁の保護の役割りもします。
シェラックは「セラックニス」という名称ですぐに使用できる状態で販売もされていますが、これもまた前に書いたとおり、国内で販売されているものは合成樹脂が使用されていたり、余計な成分が混ざっていたりする可能性があるので、できればシェラックフレークを購入して自分で作ってください。
下の写真がシェラックフレーク(オレンジシェラック)と、これを無水アルコールに溶かした溶液です。

 

 

シェラックの溶液は、100ccのアルコール(無水アルコールはドラッグストアにあります)に対して12gのシェラックフレークを溶かしたものを1カットと言い、今回のアキュムレーターには2カット、つまり100ccのアルコールに対して24gのシェラックフレークを溶かしたものを使用しました。暇を見つけては入れ物を軽く振って混ぜ合わせますが、フレークが溶けきるまで2~3日掛かります。溶液はかなり黒いので、これ塗ったら1度で真っ黒になっちゃうよ!と思うかもしれませんが大丈夫です。
フレークは含蝋品のオレンジシェラックです。シェラックには精製度や加工による色合いの違い、脱蝋品(脱脂)・含蝋品(未脱脂)などいくつか種類がありますが、含蝋品のオレンジシェラックがそのまま使用できる程度に不純物が少なく、かつ加工が少ないという点で天然に近いと思います。

で、フレークが溶けきったらこれを塗装していきます(含蝋品は蝋が沈殿するので塗る前にもよく振ってください)。塗装には刷毛塗りやボロ布を使って塗りこむ方法がありますが、とくに吸水性が高く塗料を一気に吸い込んでしまうMDFと、速乾性のシェラックという組み合わせなので、慣れないと間違いなくムラだらけになってしまいますが、ムラも手作りの味だと思って素直に諦めなさい。ここでは一応、刷毛塗りよりは少し手間が掛かりますが、大きなムラになりにくい布を使った塗り方の説明をしておきます。布を使った方法は本来タンポ塗りと言って専門の職人さんが行う、長年の経験と長時間の工程が必要な塗装方法で、ここでは単に布を使うという事くらいしか共通点はありませんが、ま、塗れれば刷毛だろうと布だろうと何だっていいので、事前に試してもっとも塗りやすい方法で塗ってください。

で、布で塗る方法ですが、適当なボロ布やウエスを4~5cm程度に畳んで小さくしたものを使います。これにたっぷりシェラックを含ませたら、それをMDFにべチョッとつけます。そうしたらすぐに布を円形に小さく動かしながら擦るように塗っていきます。とくにシェラックの塗れた部分と塗れていない部分をよく擦ってボカしますが、広くボカしすぎてもダメです。この辺のMDFの吸収っぷりやボカしっぷりは文字ではとても説明できないので、塗る前にいらない素材で実際に試してください。とにかくMDFは塗料を一気に吸収し、シェラックは一気に乾燥する性質のものなので、均等に塗っていく(吸わせていく)のが非常に難しいです。MDF以外の木材部分はシェラックをあまり吸わないので、MDFと同じ調子で塗ろうとするとボットボト垂れてしまいますから、そこは調整しながら塗ってください。また塗るのはフレームの外側だけで、内側には塗らないように、との事なので塗らないでください。

で、外側すべてを塗り終わった1回目の塗装から、30分~1時間くらい待ってシェラックをさらに上塗りします。1回目の塗装ではMDFがシェラックを一気に吸い込みますが、2回目からは最初のシェラックが乾燥し塗膜を張っていますので、ほとんど吸い込みません。ここからは適当に、お好きなように、思うがままに奏でるが如く均等に上塗りしていってください。私の場合はこの後MDF部分に5回(フレーム部分は3回のみ)塗り重ね、1500番くらいのサンドペーパーで表面を軽く軽く擦って、もう1度塗ってから軽く磨いて終了しました。シェラックの溶液は250ccくらい?使ったと思います。
溶剤がアルコールのためどんどん揮発してしまい無駄が多いので、値段の高い無水アルコールを無駄にしたくない場合は刷毛塗りで一気に塗る方がいいです。また刷毛塗りは布で塗り込むより塗膜が厚いので、2~3回も塗り重ねればもう十分です。
と、ここまで書いていて思ったのですが、と言うか、そもそも私には

人に解説できるだけのシェラックの手塗り技術がないのです。

はい、そういうわけで私みたいに手塗りに拘ったり、用意を面倒臭がったりしなければ、まったくムラを作らず均等に塗る方法もあります(塗らずにサッと漬けちゃえばいいのです)ので、いろいろ考えてみてください。
で、シェラックを塗り終わった 『またしてもムラだらけになったフレーム』 が6つ完成しました☆

 

これはムラじゃない!あえてこういうデザインにしたんだ!

 

これでフレームの製作は終了です。


作業4-内層を詰めて蓋をする

次は、このフレームの中に層を作っていくアキュムレーターのもっとも重要な工程です。
層に使用する素材は、素材の善し悪しについて書いた記事から、お好きなものを選んで使用してもらえれば大丈夫です。私が最初に作ったアキュムレーターは内層に羊毛と鋼板を使用したので、今回ご用意いたしましたのはオーガニックコットンとスチールウールの2点となります。

まずは非金属素材をフレームの内寸に合わせて切り出します。ダンボールや厚紙を内寸の形に切って、それを素材に重ねて切っていけば同じ形の素材が切り出せます。素材は内寸より小さすぎると中で動いて層が崩れてしまうかもしれませんので、ほんの少し大きめに切って、フレームに入れながら邪魔な部分はカットして修正していく方がいいと思います。

 

切り出したコットンとポンド巻きのスチールウール

 

素材を切り出したら、これをフレームに詰めていきます。まずは1番底、MDFの面に非金属素材を敷き、次にスチールウールを敷き詰めます。今回は説明のためにフレームの外で重ねていますが、フレームの中に直接、重ねて行った方が無駄がありません。

 

 

上の画像、左のようにスチールウールを敷いていきます。ネットの製作動画やハンドブックでは、スチールウールをそのまま横に手でほぐしていって広げて敷いているのですが、これだと時間ばかり掛かって非常に面倒です。またムラもできやすいので、私はスチールウールをフレームの長さに合わせてカットしたあと、縦に平べったくカニカマを裂くような感じで半分に、もし半分のどちらかに厚みが偏ったら、さらにそれを半分にという感じで、2~3枚に裂いてから、それを少し広げて使いました。この方が早く簡単で均一に薄くできます。ただし、やり方が悪いと変な裂け方をして使い物にならなくなるので、少しだけ慣れが必要です。
上の画像の右は敷き詰めた状態です。一見するとスチールウールが厚く見えますが実際はかなり薄く、それでも下のコットンが見えないくらい均一に敷けています。ボコボコしてるように見えるのは光の加減です。
で、スチールウールを敷き終わったら、また上にコットンを敷きます。そしてさらにその上にスチールウールを…と重ね続けて、下の画像は5層まで重ねたものの断面です。

 

コットンとスチールウールの5層
(丸く白い部分は下が透けているのではなく光の反射で、実際は透けていません)

 

この金属・非金属素材を層にするときの 「厚さ」 ですが、一応ディメオ博士の著書には非金属層(グラスファイバー使用)が約6mmと記載があり、38mmのフレーム幅に3層入れていますので、1層辺り13mmほどになる計算です。ただこれに関してはあまり難しく考えなくていいと思います。と言うのは、例えば羊毛やコットン、スチールウールのような素材は、品種や商品によって弾力も厚みも全然違うため、それに対して一律に何mmと決める事ができませんし、研究者や製作者によってもかなりのバラつきがあるからです。
ですので、とにかく極端に薄すぎたり厚すぎたりしない、また詰め込みすぎて無理やり潰すように入れる事さえなければ、基本的には金属・非金属素材が層になってさえいれば大丈夫だと思います。ただし、同じ層の中で薄いところがあったり厚いところがあったりするムラはよくないので、なるべく均一な厚みになるように素材を重ねる事と、フレームの中に隙間(上下左右の隙間、メッキ鋼板で蓋をしたときの隙間)ができないようにしっかり詰め込んでください。メッキ鋼板で蓋をするとき、少しくらい押し込んで蓋をする程度なら問題ありません。
最初の切り出したコットンの写真をご覧になれば分かりますが、私が今回使用したコットンはふんわり感が半端ないので、一見厚いように思えても実際はかなり薄いものです。写真の5層の倍、10層が9cmのフレームに無理なく収まっています。

必要な数だけ層を作ったらアキュムレーターのもっとも内側となる、亜鉛メッキ鋼板で蓋をします。

 

フレームサイズに切り出された亜鉛メッキ鋼板と10層の内層

 

亜鉛メッキ鋼板は隣町の業者さんで購入しカットもしてもらいました。サブロク (914mm×1829mm)の0.5mm厚がカット代込みで1枚あたり税込み¥4,000で、このサイズから30cm四方の板が18枚取れますので、今回のサイズの小型アキュムレーターなら3個作れる計算です。この厚みなら金切りバサミで余裕で切れますので、近くによい業者さんがない場合は通販を利用して購入し、金切りバサミでサイズを合わせる事になりますが、シャーリングで切断する業者さんと違って、どうしても切断面は汚くなってしまいます。

いずれ鋼板を取り外して内部のメンテナンスや、素材の変更などをする可能性がある場合、取り付けにはネジを使用します。その場合は事前に鋼板に下穴と、木材が割れないようにフレーム側にもドリルで下穴を開けておく必要があります。釘の場合は0.4~5mmの鋼板ならトンカチで打ち込めば簡単に刺さり、またネジのようにフレームに下穴の必要もなく(太い釘では必要です)、また頭もほとんど飛び出ないので見た目もスッキリしますが、取り外しはしない事が前提になります。また釘は慣れないと打ち込む瞬間にズルッとなってガンッ!オゥフッ!となる可能性も高いので、こちらの場合も鋼板には小さい下穴を開けておいた方が作業しやすいです。もちろんネジも釘も鉄もしくはステンレス製を使ってください。

 

釘打ち用の穴を開けた亜鉛メッキ鋼板を乗せるとこんな感じ。10層が無理なく収まります

 

蓋をするときはフレームと鋼板の間に素材が挟まらないよう、ヘラのようなもので少しだけ奥へ素材を押しやりながら固定すると綺麗に収まります。今回は長さ19mm、太さ1.4mmのステンレス釘を打ち込んで蓋をしました。

あ、それとネットで製作動画などを見ていると、フレームの1番底はMDF自体が非金属素材なのだから、MDFと触れる面に入れる素材は他の層に比べて少なくて(薄くて)いい、また層の終わりは金属素材の亜鉛メッキ鋼板で蓋をするのだから、最後はスチールウールの層を入れる必要はない、と思っている方もいるようですが、MDF側も同じように非金属素材を入れ、また亜鉛メッキ鋼板側もしっかりスチールウールを入れてください。層の素材自体に鉄板や亜鉛メッキ鋼板を使っている場合は2重にする必要はありません。

ささ、この辺りから、シェラックはムラになったし頑張ってまとめたアキュムレーターの記事はあまり読んでもらえないし、もう早く記事を書いて終わらせたい一心で写真を撮り忘れてしまいましたが、とにかく内層を詰めて亜鉛メッキ鋼板で蓋をした6つのフレームが完成しました。


作業5-組み立て

そしたら、このフレームを箱型に組み立てます。
組み立てにもいろいろやり方が考えられますが、今回はもっとも単純で安上がりな金具を使った方法で組み立てます。外装部分に金属を使用するのはオルゴンが放射されてしまいそうでダメなように思うかもしれませんが、金具の取り付け部分はオルゴンの吸収が弱い(逆に言えば金属からの放射も少ない)木材部分を利用する事と、面積も小さく内層の側面に当たるため、問題はありません。実際ディメオ博士のアキュムレーターにも海外の業者さんのアキュムレーターにも補強用や扉の兆番などに金具が使われています。

で、今回は出費を抑える事を考え、近所のホームセンターでひとつ29円で販売されていた建材の鉄製L字アングルを購入しました。アングルにも様々な素材、形、厚みがあるので、鉄及びステンレスである事を確認して好みのものを使ってください。アングル以外にも組み立てに利用できる金具はありますから、お金さえ掛ければ例えばワンタッチでバラす事が可能なタイプなんかもできます。また金具を使わず木材で組み立てる事もできますので、この辺りも好みに合わせて工夫してみてください。

 

 

組み上げる際は、まず左の画像のように左右と上下のフレームを合わせ、動かないように誰かに押さえてもらうか、ヒモなどで固定します。このとき、左右のフレームは上下のフレームの中に5mmほど重なるように(上の画像右を見てください)して固定します。こうすることで隙間を減らす事ができ、強度も高くなります(重なることを考慮し、上下のフレームに鋼板で蓋をする際は釘打ちの位置を内側に5mmずらしています。釘なのでネジに比べて頭は低いですが、それでもフレームと重なってしまうと隙間が空く原因になります)。この状態でアングルで固定していきます。今回は上と下にアングルを2個ずつネジ留めしました。

アングルをネジ留めする際は、アングルを所定の位置に合わせたあと、いきなりネジ留めするのではなく、錐でアングルのネジ穴の中心を狙ってフレームに軽く穴を開けて(あまり深く広く開けすぎるとネジが利かなくなってしまいます)目安を付けてから、そこへネジを刺して締めていくとズレが少なく留める事ができます。また穴を開けておくことでネジによる木材の割れも防げます。

この段階から各フレームの歪み(直角、水平が出ていない、厚みが均等でない等々)があると問題が発生してきます。こちらを合わせればあちらが合わない、あちらを合わせればこちらが合わない、といった感じで隙間ができてしまうわけです。内層も入れメッキ鋼板で蓋をしてしまった状態のフレームでは大きな修正ができないので、本来であればフレーム枠が完成した段階で1度、組み合わせて確認してみるのがベストです。あまりひどい歪みはあきらめて、力任せに押し付けたりしないでください。そこから割れます。多少隙間があってもアキュムレーターとしては問題ありません。

んで、左右と上下のフレームをアングルでネジ留めしたら、今度は背面のフレームを取り付けます。背面のフレームを取り付けるまでは先ほどネジ留めしたフレームはとても不安定なので、あまり力を掛けるとメキメキメキィ~ッ!とネジごと木材が割れますから注意してください。下の画像が背面までアングルで取り付けた状態です。

 

 

画像をよくご覧になっていただければ分かりますが、背面のフレーム(扉のフレームもそうです)は側面のフレームより上に5mmほど飛び出ていて、下側も5mmほど飛び出ています。これが最初にフレームを紹介したとき2つだけ1cm長く作った理由です。左右のフレームは内側に5mmほど入れて取り付けていますから、背面と扉のフレームを1cm長く作っておけば、取り付けたときに上下左右それぞれにフレームが5mmずつ重なる事になって、余計な隙間を減らせます。

背面までアングルを取り付ければ強度が出ますので、待ちあげたり押したりしたくらいでは、もう壊れません。あとは最後の扉を取り付けます。

 

 

留め金具や蝶番は外付けなので、アングルの取り付けと同じようなものですから、とくに説明の必要はないと思います。鉄かステンレス製であればお好きなものを使ってください。ただし蝶番は耐えられる重さが決まっていますから、あまり小さなものだと重さに負けて下がってきてしまうので、フレームの大きさ、重さを考慮してサイズを決めてください。ちなみに上の写真の留め金具(掛け金)は本来、このような角に取り付けるタイプではないので、扉側のフレームの一部を削って入れています。

んで、最後にキャスターの取り付けです。今回、私は足は旋盤で自作するつもりで製作を進めていたので、まったく何も考えておらず、最後の段階になってやっぱもう面倒だしキャスタァ~と変更したため、かなり無理がある(20mm厚のフレームの角にM8の鬼目ナットを捻じ込む)事になってしまいましたが、もう少し余裕を持った方がいいです。じゃ下で説明します。
 

 

左の画像、上にあるのが鬼目ナット(Eタイプ)と呼ばれる、木材に捩じ込んでボルトを締める事ができるようにするための部品です。下のキャスターのボルトのサイズに合った鬼目ナットを使います。
右の画像、ドライバーとドリルで鬼目ナットを入れる下穴を開け、そこにドリルの上にある六角レンチを使ってグルグル穴に鬼目ナットを捩じ込んでいきます。鬼目ナットの下穴サイズは検索すれば分かりますので、適切なサイズの下穴を開けてください。

 

 

上の画像、左が鬼目ナットを捩じ込んだところ、左がそこへキャスターのボルトを締め付けたところです。先ほども書きましたが、元々キャスターを入れる予定ではなかったため、こんなぎりぎりの場所に入れてしまっていますが、もっと余裕を持って捩じ込めるように、補助の木材を外壁の内側に入れて、そこへキャスターを取り付けた方がいいです。こんなぎりぎりに穴開けや鬼目ナットを入れたりすると、木材が割れる可能性が高いですし、キャスターが何かのショックを受けたときにも割れやすいです。今回は鬼目ナットを捩じ込む前にエポキシ接着剤を入れて少し補強しておきました。

これで1番上の画像の状態になりました。はい完成です。

 

お     わ     り

 



あと少し気がついた点を書いておきます。
5層と10層のアキュムレーターを羊毛と鋼板、コットンとスチールウールと素材を変えて製作してみましたが、作りやすい素材という点では、それぞれコットンと鋼板が楽でした。コットンも鋼板も一定の厚さの広い面積の素材が販売されているため、同じ形に切り出したものをどんどんフレームに入れていくだけで層にできるからです。
一方、羊毛とスチールウールはフレームに合わせて切り出しながら、層を均一になるように自分で調整しながら層を重ねていく必要があるため、とにかく手間が掛かります(その他の羊毛の欠点として洗浄で取り切れなかったウ○チ的な色彩を放つ謎の物質が少々残っている事がある点も)。
となるとコットンと鋼板の組み合わせがもっとも楽というわけで、作業の効率化が必要な海外の業者さんは、実際この組み合わせで販売しているところも多いのですが、層に鋼板を使用すると、とにかく重量が無駄に重くなり過ぎるという点が非常にネックなので、面倒であっても金属素材には効果的かつ非常に軽いスチールウールを使った方がいいと思います。鋼板で層を作った5層のアキュムレーターは持ち運びを考えるとウンザリしますが、スチールウールを使った方は倍の10層でも楽に持ち運びできます。

あ、ただし、スチールウールはものすっごい錆びやすいので、海に近い地域に住んでいる方や、またあまり精密に加工できない上に野外での使用も考えているような場合は、水気を帯びるとあっという間に錆びてボロボロになりますので、重くても亜鉛メッキ鋼板にした方がいいと思います。また手のひらに汗をかきやすい人は、その状態でスチールウールに触るとそこから錆びますから、製作中は手袋をした方がいいです。

最後に材料費。
MDFやメッキ鋼板のように大きい板から切り出したものもあるので正確ではありませんが、全部で1万円ちょっとくらいだと思います。

ぁは~ん、こんなところですかねー。
それでは後はたっぷり実験して楽しみますか~。


それではさようなら~♪