えっと
今回、ちょっとした小話『baby』はいちばん最後に置いています。
昨日久しぶりに『いつもときめいて』(ifの額縁に収録)を読んでいて気がついたことがあって↓
この中で蘭世が『結婚して30年もたつのにー』って言うシーンがあって…ということは今現在連載中の『ときめきトゥナイトそれから』よりさらに9年後のお話
だとすると、ここで真壁くんに『じいじ〜』って抱きついているねねちゃんは8歳か9歳くらいなのか〜って再認識して(4、5歳かと思ってました。)
さらに
ねねちゃんと真壁くんのちょっとしたやりとりを(もちろん勝手な妄想です)書きたくなったので↓に置いておきますが、そういうの苦手かもって方は見ないでくだいね💧
いつも読んでくださってほんとうにありがとうございます
にあ
『baby』
「たっだいまー」
月曜の昼下がり
大きな声で元気良くマンションの扉を開けたのは
「あっ、じいじだぁ!」
息子夫婦の一人娘、つまり俺と彼女の初孫でもあるお転婆な少女だ
「こらっ、ランドセルをおろして手を洗って来なさい」
俺を見るなり力いっぱい抱きついて来た小さな体を引き離し、膝を折って目線を合わせてやるとさらに嬉しそうな顔をして
「ねぇ、どうしてじいじがうちにいるの?パパとママは?」
「パパは仕事だし、ママは急用があって出かけてるから代わりに留守番に来たんだよ」
「じゃあ、ばあばは?」
彼女はというと、娘の出産予定日が近づいて気が気ではないらしく今日も細々とした準備の手伝いに行っている…そう教えると
「そっかぁ、もうすぐ赤ちゃんが生まれるんだよね」
さっきまでの元気はどこへやら、急におとなしくなってしまった
「どうかしたのか?」
「ねぇ、じいじ」
「頼むから、その呼び方はやめなさい」
言ってもどうせ聞いてはくれないが
「新しい赤ちゃんが生まれたら、じいじはわたしより赤ちゃんの方が好きになる?」
「えっ?」
こういう瞬間だ
普段は姪っ子でもある息子の妻にしか似ていないように思える孫娘に、彼女の面影が重なって見えるのは
ったく、いくらなんでも孫にドキッとしてどうするよ
「好きとか嫌いとかじゃなくてどっちも同じように大切だよ」
そう言って小さな体を抱き上げながら、遠い昔に似たようなことを言った記憶が蘇り胸の奥が少し疼いた
「ほんと?」
「ほんとうだ。よし、今からふたりでドライブにでも行くか」
「いくー!」
申し訳ないが、ここへ来る前に彼女に言われたことはいったん忘れることにした
『ちゃんと宿題を見てあげてね』
どうせ見たって分からねぇしな
fin