『last christmas 2』




午後から彼が合宿トレーニングに行ってしまう日の朝


一夜を共にして少し遅めの朝食を作りながら、彼がいない間もこの部屋に来たいと伝えると

「いったい、なにしに来るんだよ?」

なぜかとっても驚いた顔をされてしまった

「えっと、もうすぐ年末だし来年は新居に移るから少しずつ片付けをしておこうと思って。」

「そんなことは年が明けたら俺がやるから…誰もいない寒い部屋にわざわざ来るこたぁねえよ。」

「でも…」

「だいたい、おまえだってクリスマスは忙しいんじゃなかったのか?」

「うん、クリスマスケーキをスーパーの店頭で売ることになってるの。」

そうだった

さすがに店内の冷蔵庫に入りきらない量のケーキが入荷する24日は、寒い屋外に陳列して販売することになっていて

「風邪、引かないようにしろよ。」

そう言って荷作りの手を止めた彼は、おそらくわたしを抱きしめようとしたのだと思う

その様子を察知したわたしはとっさに

「あ、朝ごはん出来たから早く食べようよ。」

彼の動きに気がつかなかったフリをして、わたしの方に伸ばされかけた腕を避けてしまった

あれ?

なんでだろう?


朝食後


「いってらっしゃい、気をつけてね。」

精一杯の笑顔で見送った彼の後ろ姿に、言いようのない不安を感じた

いったい、どうしちゃったんだろう?

わたし




continue(次回に続きます)↓