※このお話にはオリキャラが登場します。ご理解の上でお読みください。



                

                   girl friend(2)




なんでこんなに苛々してんだ俺は



原因のひとつは試合前の減量だろう



人間(正確には人間ではないが)腹が減ればストレスも溜まる



それだけならいつもの事だが、何事にも影響されやすい彼女が俺の減量期間になるとあまり食事を取らなくなっている事に最近になって気がついた



ただでさえあいつは細いのにこれ以上痩せたら体調を崩しかねない



そしてもうひとつ



近頃やけに彼女の周りをうろちょろしてるガキの存在



ぶっきらぼうで他人に興味の無い俺と違い、誰にでも優しく親切な彼女は友達も多くあのガキも年下の友人のひとりだと言われればそうなのだろうが



彼女は気がついていないが部活中や昼休みに俺たちが一緒にいると鋭い視線を感じる事がたびたびあり、その視線の先にはいつもあのガキがいた



いたい、どういうつもりなんだろう



いつにも増して不機嫌な顔と態度で学校を後にしてボクシングジムに向かう途中で制服姿のカップルとすれ違った



「駅前に出来たクレープ屋さん、すっごくオシャレで美味しいんだよ。」



「じゃあ、今から行ってみようか。」



そんな会話をしながら手を繋いで楽しそうに歩く男女に、いつも彼女に寂しい思いと負担を強いているであろう自分の生活を重ねてさらに気分が落ち込んでいく



ったく、らしくない



早くプロボクサーになってタイトルをとり、彼女を迎えに行く約束を果たしたい



そのためには今出来る事を精一杯やるだけだ



その日のスパーリングは文字通りぶっ倒れるまでやりきった




continue(次回に続きます)↓