*これは迷宮課おみやさんの最初の事件に僕が描きたかった
部分を導入しての物語です
イサムのおみやさん 一話 何故少女は殺されたのか(1)吉成塾
〇日向署を出たところの交差点
ポッツン・ポッツンポッツン
独特の音を立てた年代物のクラッシックカーに乗った
イサムとさゆりが交差点の3つ角に差し掛かる
左側にはアミーゴと書いた喫茶店がある
同・車内
さゆり「あれおみやさん、止まらないんですか」
イサム「あぁー、ここは昔おやっさんと言う人物がマスター
をしていてある屋敷の執事をしてた時、坊ちゃんに教わった
と言うコーヒーと食パンが実においしかったんだ
最も、今は引退して娘夫婦が継いでいるようだけど」
そう言って 交差点を左に折れる、するとしばらくして
大きな古い木造の邸宅が見えてくる
〇鳥居家本宅
お玉「おかえりなさいムコどの、じゃなかった おぼっちゃま」
イサム「お玉さん、コーヒーを二人分入れといて」
お玉「ふっ二人分って」
イサム「じゃあ頼んだよ」
そう言って車庫に車を止める
同中
部屋の中では、お玉さんがたくさん並んだコーヒー豆の
一つを沸かしている
お玉「二人やて、坊ちゃまもとうとう彼女を連れてくるように
なったんやなあ、いやいや安心できへん このお玉が
どんな女か見極めねば」
同・イサムの部屋
キャアアア
部屋の中には考古学系の本がたくさんあり、その中には
地球儀や 骸骨(頭)も置かれていた」
イサム「あっ驚いちゃった、俺大学で考古学選考してたんで」
さゆり「ハァ、考古学ですか」
イサム「考古学は人類の失われた大いなるミッシングリング
なんです、そしてそれは人間にも活用できると思ってるんです
人の生き方 考え方を細かく紐解くことでそこから
真実が見えてくると思うんです」
さゆり「なるほどそれがおみやさんの言う 人間考古学なんですね」
イサム「その通り」
そこにコーヒーを持って,お玉さんが入ってくる
お玉「坊ちゃま、コーヒーが出来ましたで」
ジーッ
さゆりを舐めるように見る、お玉
さゆり「なっ何ですか」
お玉「フーン、思ったよりも美人でんなぁ、こりゃあ
鍛えがいがあるわ」
さゆり「鍛えがいって、それどう言う意味ですかお玉さん」
お玉「あんなぁあんさん 坊ちゃんはこの一帯の大地主
なんだす、それを何処の馬の骨かわからない 女狐に
財産を持ってかれる わけにいかへんやろ」
さゆり「キーぃ、女狐ですってぇ」
お玉「あら、女狐じゃなくて猿やったわ」
さゆり「あのねー」
イサム「まぁまぁ、仲良くして頂戴」
そう言いながら、静かにコーヒーを飲むイサム
〇日向署入口
刈谷巡査長が花束を持って出かけようとしている
署長「長さん まだ仕事だけど どこへ・・あっそうか
今日はあの日か・・」
刈谷「じゃあ、行ってみよーか」
わざと明るく振舞う、刈谷を見送る署長
〇団地外
続いてマンションが並ぶ一帯に車を走らせるイサム
同・車内
さゆり「あのう、おみやさん今度はどこへ向かって・・・」
ゴホッゴホッ
と、せき込むさゆり
「運転しながら、たばこ吸うのやめてもらえないですか」
イサム「あぁーあ、悪い悪い」
するとサスペンスでよく見る 集団団地が見えてくる
さゆり「ここら辺って、確か 話題になってた」
イサム「そう、吉成塾がある、団地外です」
N「女性のアイドル育成を謳い文句にした通称 吉成塾は 巨大な
ビジネスとして若者たちに注目され、当初はアイドル育成の
救世主と騒がれ 塾生を増やし創成期には 各支店が増える
ほどに発展していた、特に当初一帯を襲った震災のキャンペーンが
多くの少女たちの共感を呼んでいた しかし その裏で後援者で
NHKを打っ叩こうの党首 秋元豚(ぶた)氏と喜び組のトップと
兪やされた エースメンバー 前張(まえばり)敦子と他のメンバー
との軋轢、キャンペーンのうらで行われていた後援者と当時の総監督
高橋みなや 峯岸波(なみ)の園児服を着た性接待やメンバーたちの
不倫三叉 枕などの男遊びや 女性マネージャーロープでグルグル
吊し上げなどの記事が 徐々に世間で話題になり始めていた」
イサム「そして そんな時、あの事件が起こったんです」
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次回 何故少女は殺されたのか(2)ストーカー殺人?