父親に「中古はだめだ」と脅され、納期3ヶ月の新車を買うように強制されました。

なぜかというと、自動車販売店の店員が父の同級生で、要はいい格好をしたかったようです。

 

当時、研修先でうまく立ち回れず、半年で逃げ帰ることになりました。

元の職場に復帰しましたが、車がなければ通勤できません。

田舎の交通事情からすると当然ですが、大人であれば電車で移動する発想はありません。

中古で明日から使える車を探す必要がありましたが、それもだめになりました。

今にして思えば、この時点でなぜ逆らえなかったのかと後悔しています。

 

さらに追い打ちをかけたのは車の色です。

リセールを考えると白がいいらしく、これも強制されました。

車で送ってやると言われ、踏切の途中で止められ、「白にしなければ動かない」と言われました。

関わるのも嫌になり、「白でいい」と即答しました。

 

やぼったい大衆車の白い車体は、まるで営業車のようでした。

 

ほどなくして勤務先では、成績不備により設計業務から工場作業に異動となりました。

この作業でこれからの残債を返済しなければなりません。

1日中立ちっぱなしで、休みに何かする気力もありません。

まるで棺桶の残債のために働いているようなものです。

 

機械の知識も嗜好もない私は、まさに奴隷でした。

油断すると指が飛ぶような切削盤の操作をさせられた夜、ふと死にたくなりました。

 

これはもう30年近く前のことですが、今でも悔しいです。

自費で車を購入するのに、なぜ親があれこれと介入するのか。

私の不興よりも一時の見栄を優先されたのです。