ジーザススリッパ。

 

その頃は、ハワイに住んでいた大切な心の友ジョーダンが、この存在を教えてくれた。

 

(ジョーダンとは……ハワイ関連の連載や、書籍を読んで下さっていた方々からしたら、うんと小さい子を想像するかもしれないが、もはや私より背がたかーい、仕事と勉強のできる美人で聡明で素敵な女性ですよ!)

 

この、ジーザススリッパ。

ローカルの子たちはみんな履いていて、誰かの家1箇所に集まると、玄関で誰のものだかわからなくなるほどだそうだと当時聞いた。

 

でもその際に混乱はなく、みんななんとなく自分のものはわかるそうで。

 

(余談だが自分のがわかるなんかそれ感覚的にわかるなー)

 

そんなジーザススリッパの聞いてから、ハワイ旅中、人々の足元に目をやると……。

 

ほら、また、あ、いた、まただ、わ、また、いる、いる!

 

と……とにかくいるいるいるいる。

 

ほんっとにみんな履いているのね。

 

大人だって子供だって、このジーザススリッパを履いて、こなれた感じでスタペタスタペタ。

 

私は、話を聞いた時にワクワク購入していたので

 

「私ももってるもんねー」

 

と、思いながら、でもハワイでは履かず大切に日本に持ち帰り、ベランダをうろうろする時などに使っていた。

 

当時、私はベランダで過ごすのが好きだった。

 

すっごーく寒い冬も、早朝からよくベランダに出た。

 

テントやコタツを置いて、秘密基地みたいにして冬にはそこで小さな木々たちを眺めながら、お茶を飲んだり、そっと深呼吸したり、瞑想したり、読書をしたりすして過ごすのが好きだった。

 

そこは先日書いたキョトウさんも大好きな場所で、よくふたりでのんびりしたものだった。

 

ある時期から、近所の工事(同時に3ヶ所!)もうるさくなり、ベランダにいるどころではなくなってきて、キョトウさんが旅立ち、私はベランダに用事がない限りほどんと出なくなった。

 

お気に入りのテントも閉鎖したまま。

 

工事が終わってだいぶ経っても、ベランダに気分よく出ようという気持ちになれなかった。

 

理由はわかっているんだけれど、キョトウさんが旅立ったせいみたいに思うのやだなあ……などと自分をはぐらかしてみたり。

 

でも、最近、意を決してあったかいお茶を持ってふと出てみた。

 

テントにはまだ行けていないけれど……

 

「お、やっぱここ、わるくないなあ」

 

と立ったまま思った。

 

その日から数分は外を眺めながら、時々出られるようになったのが進歩。

 

で。

 

久しぶりのその時に使おうとしたジーザススリッパは、いい感じにジーザスな感じで薄汚れてしまっていて、履くと足の裏が黒くなった。

 

先日、明るい日曜日にそれを洗って乾かした。

 

そこからは、ジーザススリッパを履いて、お茶を持って、ベランダに出てることが増えてきた。

 

ジーザススリッパにて、まさに神のささやかな一歩。

 

ふふふ。

 

***

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