シオコの状況について、僕は結婚してから本格的に学ぼうとした。

関係書籍を買ったり借りたり、テレビで関係する番組が放映されてればチェックしたり。

 

僕が知った中で一番頭に残っているのが、「治らない」ということ。

 

「寛解」といって、症状が改善することはあっても、風邪や他の疾患のように「完治」することはない。だから、大げさに言えば一生、何らかの形でこの疾患と付き合っていくしかない、ということでした。

 

シオコは、今より前、症状が酷かった時、「頑張ってるのに何で良くならないの?」と泣いていました。その辛さを、僕は病気の知識として知っていても、慮ってあげることはできなかった。

だからこそ、知識は知識として置いておいて、シオコの言動に合わせて僕もシオコと一緒にこの「双極性障害Ⅱ型」という疾病と付き合っていこうと思いました。「やあⅡ型君、元気か?」みたいな。

 

僕は、彼女と向き合うとき、自然に笑顔でいるようにしている。彼女がどんなに喚いていても、壁に頭を打ちつけていても、過食をしても、OD(オーバードーズ:薬の大量服用)をしても、「大丈夫だよ。」と、シオコにもⅡ型君(笑)にも言うくらいの気持ちで接しようと思っています。

 

変でしょ?