- 前ページ
- 次ページ
先日の草取りの時に、花を咲かせていた雑草を、Googleレンズで調べてみたら…
ホトケノザ
と判り、〝春の七草〟を見つけたと大喜びしていましたが、さらにGoogleで調べてみると、違うことが判りました。
ホトケノザの名前の由来と基本情報
ホトケノザ
- 別名:サンガイクサ(三階草)、ホトケノツヅレ(仏の綴れ)
- 学名: Lamium amplexicaule
- 科名:シソ科オドリコソウ属
- 分類:越年草
- 花期:3~6月
ホトケノザは、その葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えるというのが名前の由来です。また、葉が段状に付くところから3階建ての屋根に見立てて、「サンガイクサ」という別名を持っています。道端や田んぼの畦道、コンクリートの隙間など「こんなところにも?」って言いたくなるくらい、いろんなところに生えているホトケノザ。畑の付近や土が肥沃な場所では、ホトケノザが群生している様子をよく見かけます。子供の頃にホトケノザの蜜を吸って遊んだ記憶のある方も多いでしょう。
ホトケノザって食べられるの?
「ホトケノザ」と言えば春の七草です。春の七草は「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」でお馴染みですよね。春の七草と言えば、即座に七草粥を連想する方も多いのではないでしょうか。ところが、ここに危険なトラップがあるんです。この春の七草に含まれる「ホトケノザ」は、同じ名前の別な植物のことを指しています。道端に生えているホトケノザは食用にはなりません。うっかり食べてしまわないように気をつけてください。但し、絶対に食べてはいけないほどの毒性があるわけではありません。食用には向かない、という話です。
春の七草でのホトケノザとは、「コオニタビラコ」という植物のことを指しています。昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていました。コオニタビラコの葉が放射状に広がる様子が、仏様の連座のようだというところから付いた名前です。
コオニタビラコはキク科の多年草です。緑少ない初春に花は咲いていないけれど、青々とした葉をつけたコオニタビラコは貴重な栄養源だったのでしょう。
コオニタビラコの花と葉の特徴
コオニタビラコは、花も株も小さな草花。注意していないと、うっかり見逃してしまいそうな花です。さらに似た花も多く、見つけたと思ったら違う花だったということもしばしば。コオニタビラコの花と葉の特徴をお話します。
コオニタビラコの花の特徴
コオニタビラコの花が咲く季節は、春から初夏の5月~7月頃です。花茎を10cm程度すっと伸ばした先に小さな花を咲かせます。
コオニタビラコの花の色は黄色、直径は6mm~1cm足らずと、とても小さな花です。
花びらは6~15枚程度ですが、個体差があります。花びら一つ一つは、舌状花と言って、タンポポのような平たいフォルムをしています。とても小さな一重の菊のような見た目をしています。
コオニタビラコ
- 学名:Lapsanastrum apogonoides
- 科名・属名:キク科ヤブタビラコ属
- 花期:5月~7月
コオニタビラコの新芽は食べられます。
ホトケノザ
- 学名:Lamium amplexicaule
- 科名:シソ科オドリコソウ属
- 花期:3月~6月
ホトケノザは食用には不向きです。
コオニタビラコは春の七草
画像素材:PIXTA
春の七草に数えられるホトケノザとは、コオニタビラコのことです。まだ寒く、芽吹いている草木の少ない1月に、コオニタビラコはグリーンの葉を小さいながらも力強く地面に広げています。
新春の野原で七草を摘むことを「若菜摘み」と言います。まだ流通も悪く、今のようにスーパーマーケットなんて無かった時代、このコオニタビラコや他の七草の葉を野山で摘んで七草粥に入れたそうです。