以下ネタバレを含みます。
先日読み終わりました、キケンー成南電気工科大学機械制御研究部-の感想を書かせてもらいます。
あらすじ
ある工科大学の部活動での思い出を、元機械制御研究部(略してキケン)部員の元山が彼の奥さんに話している話になります。
入部までのこと、部活動説明会でのこと、文化祭でのことや、先輩の恋愛事情の話も出てきます。それらの話を聞き、彼女はぜひ文化祭に行きたいと言い、2人で文化祭に訪れまた元キケン部の旧友と再会するーだろうというところで話が終わります。
感想
さすが、読みやすいですね。キャラクターもありきたりではありますが、ネームドのキャラ1人1人が立っていて、覚えやすく展開も面白いです。
三人称視点で書かれている本ですが、元キケン部員の元山が彼の奥さんに思い出話として話しているため、若干一人称視点らしいところも見受けられるかなと思いました。
基本的元山くんが経験したことが多く綴られているのですが、作者さんのこだわりか、好きなのか、外せないと思っているのかわかりませんが、一つの話だけ先輩の恋愛ものになります。大学生のお話なのでまああるあるだろうとは思います。思い出話として話されているのもあって、みんなの将来を知る場面もあるので、将来のことにつながるように恋愛ものも入れたのかなとも思います。
さて、肝心の話についての感想ですが、二つ話していきたいと思います。一つは大神先輩の恋愛話、二つ目は文化祭の話です。
大神先輩は近くの女子大の文化祭に行き、そこで1人の女子大学生に惚れられます。わざわざ男ばかりの工科大学の正門で、大神先輩にラブレターを渡すために待ち、そして渡すことに成功、その後付き合い始めるわけですね。けなげで可愛いですねえ。まず、大神先輩の女子大での対応、とても良かったですね。彼女となる女の子が大神くんのズボンに水をこぼしてしまうのが発端なわけですが、そこで同期に囃し立てられても連絡先をせびるわけでもなく、距離を変に詰めようとしていませんでした。女の子からしてみれば、自分のミスによって謝っているわけですし、その弱みに漬け込むようなことしてくるなんて嫌ですもんね。さらに一緒に学祭を回っていた同期は、女の子が大神に気があるだろ!と言いますが、ミスしても丁寧に対応した大神に丁寧に対応を返しただけで好意をもってるだろうという決めつけで動かなかったのもとてもよかったなと思いました。そんなところを女の子は惚れ、動いたわけですが、大神くんは彼女のことを覚えておらず。でも事件のことは覚えていたわけで、無事付き合えてよかったねって感想です。
そして、彼女のお家での出来事ですね。ここに関しては大神にとても共感しました。今まで順調にことを進めてきて彼女から両親のいない家に誘われたのに、手を出してはいけないなんて。いくらお嬢さまで女子大生といえど、お付き合いする上でなんか色々ググらなかったのか!!と思いました。元山の奥さんの言う通り、そんな女、さっさと別れて正解、と思います。人と付き合っていく上で、どう相手は考えるだろうか、よく考えを巡らせておくことですね。いろんなコミュニティに属していろんな人と触れ合っていくことで、わたしも気をつけていきたいとこrです。
して次に、文化祭の話ですね。うわあ、めちゃくちゃ青春してんなあてのが感想です。大変なことでも楽しかったことでも、振り返った時にはどれも大切な思い出なんだなあと感じました。工科大学ということで、ちょこちょこ講義や課題の大変さが伺われる描写がありましたが、そんな大変な中でも、こうも文化祭に没頭するなんてすごいなと感心しました。遊びに全力のキケン部、本当にいいですね。わたしもこうやって忙しい中でも全力を出してやっていきたいなと思いました。
短いですが、以上が感想です。大学生という青春の時間を読んでいて味わえた時間になりました。筆者はこれを男だけだからこそでき、男だからこそ面白いと話していましたがわたしも同様に感じます。男だけ、女だけ、というのはやはり男女で混ざったときに出せないものがあり、面白いなと感じます。まあ、しかし社会に出たら男女混ざるわけで、作中の大神の元カノのように世間知らずにならないべく、人とコミュニケーションをとっていきたいなと思います。児童文学なのかとても読みやすく時間もかかりませんでした。気になったらぜひ読んでみてください。
自我
有川浩さんが女性だと今回読んでいて初めて知ったのですが、彼女は恋愛系の流れなどが好きなのでしょうかね。あまり恋愛ものは読まないので新鮮でした。
また、あらすじは少なくなりました。どんなもんにすればいいんですかねえ。