マグネット(磁石)の部屋のブログ

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ネオジム磁石(ネオジウム磁石)、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石など磁石全般についてのブログです。

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希土類磁石には、ネオジム磁石(Nd-Fe-B)とサマリウムコバルト磁石(サマコバ Sm-Co)2種類があり、その内ネオジム磁石は、現在マーケットに出ている中では世界最強の磁場を作り出します。強い磁場で製品が小型化できるため、自動車の各種制御モーターや携帯電話のバイブ機能など現代の製品に広く使われている磁石です。欠点として酸化しやすいため、ニッケルメッキやエポキシコーティングされているのが一般的です。使用温度は通常80℃ですが、ご要望に応じて高温対応の製品も供給可能です。
アルニコマグネットは、アルミニュウム・ニッケル・コバルトを成分とする鋳造磁石で、減磁し易い欠点があるものの、高温に強く(キュリー点850℃)ワレにくいなど、機械的強度に優れています。各種メーター、通信分野で根強い人気があり、積算電力計のほか防犯用機器などにも用途を広げています。
希土類磁石には、ネオジム磁石(ネオジ Nd-Fe-B)とサマリウムコバルト磁石(サマコバ Sm-Co)2種類があります。サマリウムコバルト磁石(サマコバ Sm-Co)は強力な磁力を持つ希土類磁石のひとつで、熱に強い磁石です。ネオジム磁石が80℃以下での使用が条件なのに対し、サマリウムコバルト磁石350℃の高温でも減磁しにくく、また、サビにくいので医療機器やセンサーの部品に最適です。機械的強度に多少難がありますが、ネオジム同様に製品の小型化、軽量化が図れます。
フェライト磁石は保磁力が高いので減磁がありません。燒結磁石(セラミック・マグネット)なので耐蝕性に優れ、平面 的な型状に適していますが、反面ワレ易い欠点があります。用途は従来のオーディオ用スピーカーやヘッドホンのほか、技術革新による軽量 化(従来の2分の1~3分の1)により、自動車のモーター用・発電機用としての需要がさらに伸びています。原料となる酸化第二鉄が豊富に存在するので、現在の磁石では一番安価での提供が可能です。異方性フェライト磁石(Anisotropic Sr-Ferrite)と等方性フェライト磁石(Isotropic Ba-Ferrite)の2種類にわけられます。
「最強のフェライト磁石」というタイトルで東大の先生の記事を拝見しました。

磁性材料は現代社会のさまざまなところに利用されており,現在のわれわれの社会活動を支えている。磁性材料は,記録媒体や記録デバイスなどのエレクトロニクスの中心的な役割を果たすと同時に,電気自動車の駆動モーターや発電機に用いられている。最近,電気自動車などで使用されている保磁力(磁化を反転させるのに必要な磁場の値)の大きな希土類磁石には,希少元素が必要であるため,外交的な問題とも絡みながら社会的議論がされている。いっぽう,フェライト磁石(鉄酸化物をベースとした金属酸化物磁石)は,豊富に存在する元素からなり,安価で化学的安定性に優れ,絶縁性を有しているという特徴を備えているため,広く活用されてきた。しかし,フェライト磁石は一般に保磁力が小さく,用途が限られている。われわれは2004年に,室温で20キロエルンステッド(kOe)注)という従来のフェライト磁石の3倍の大きさの保磁力をもつフェライト磁石を作りだすことに成功した。イプシロン型‐酸化鉄(e-Fe2O3)というこの物質は,鉄(Fe)と酸素(O)のみからなる最も単純な磁性体である。
(*本文より抜粋)

ご興味がある方は
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/takumi/08.html