私は(自称)勇者オメガ。
属性は(仮)魔法使いで、真の属性を探索中。
今日は北の森に向かう旅立ち前の
最後の打合せだった。
王都にある伯爵の屋敷で
今回の任務の説明を受けた。
まず
アルファ、ベータ、私の3人で
ヤーマン王都から北方の
キタ伯爵領へ向かう。
そこで
キタ伯爵家の騎士、賢者と合流し
北の森の魔女のもとへ
北の魔女から
子供の姿にされた伯爵家の跡取りの
呪いを解く方法をゲットする。
その道程で魔物が現れた際に
騎士と賢者を魔法で護衛するのが
私達のミッションなので
もし魔女が
呪いの解き方を知らかったとしても
報酬は払われる約束になっている。
しかし、
アルファは帝国貴族で
超絶な傲慢
ベータは防御系魔法使いだが
ビクビク臆病
なので
私が2人の言動を諌めながら
キタ伯爵と側近との
コミュニケーションの前面に立ち
フォローすることに。。
黙れ、アルファ![]()
しっかりしろ、ベータ![]()
と、
何度心の中で叫んだことか![]()
ねぇ。。![]()
これからずっと
私がフォローすることに
なるわけ?
家具や持ち物を売り
引き払う準備ができて
ガランとなった部屋に帰宅すると
がっくりうなだれた。
黒猫シータ(実は魔物)が
窓辺からスルリと床に降り
寄ってくる。
シータに
今日の状況をぶちまけた。
が、
シータは同情するどころか
笑い出したのである。
『ふぉっふぉっふぉ![]()
まるでシナリオが
用意されていたかのようじゃのう』
「はぁ?」
『“ルーラー” という夢のお告げ。
そして
アルファ、ベータという登場人物。
北の森、ユアン帝国への旅。
すべてが仕組まれた
シナリオのような展開じゃ
』
「ちょっと、どういうこと!?
ルーラーのことといい、
何か知ってるなら教えてよ💢」
『ふぉっふぉっふぉ![]()
自分で掴まねば意味がないんじゃ。
うーーーむ
1つだけヒントをやるとしたら、、
そうじゃの
アルファとベータの共通点は何じゃ?
それが
お前さんが
ズバ抜けて高いMPを
持ちながら
発揮できない
理由でもある』
「え!? 何なの?!
あの2人は真逆のタイプで
全然似たところなんてないじゃない![]()
いつも周りの目を窺い
これから何が起こるのか
相手がどう出てくるのかに
怯えてばかりのベータと
“こうあるべき” って決めつけて
自分の思い通りに行かないと
周りのせいにして
怒りをぶちまけるアルファと、、
」
『そして
自分は2人とは違って
わきまえてる、全体が見えてるって
思っていながら
実はアルファとベータの両極のどちらかを
行ったり来たりしてるだけの
お前さんとな
』
「。。。。」
『ルーラーとしての
在り方から
最も遠いところにいる
からのう。。』
“ルーラーとしての在り方”
という言葉を聞いて
ふとシータが言いたいことが
見えた気がした。
「ベータは
この世界をどうしたいかを
自分で決めるだけの
肝ができてないし
アルファは
あまりにも狭い視野で
独りよがりの未熟な決め方しか
していない。
自分と世界が
見えていない状況で
何かを規定して
力を与えたり
より大いなる意思に委ね
あるべき姿に導くのは
不可能」
突然口を突いて出てきた言葉は
自分の言葉ではないかのようだった。
シータが目を丸くした。
『これはこれは、、![]()
これから面白くなりそうじゃのぅ
先日
世界は自分の鏡
と言ったが
アルファとベータは
お前さんでもある。
自分のことは
なかなか見えんもんじゃが
あの2人を見れば
自分の何が
力を堰き止めているのかが
捉えられるし
あの2人が変われば
お前さんも
変わっているということじゃ。
まずは
自分の鏡からヒントを得て
自分の内側を見つめ直し
整えていく。
そして
外側の世界を観測して
自分が成長しているかを
確認していくことじゃ
』
つづく

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