先日、師の一人が亡くなった。
別に仲違いした訳ではなく、ただ疎遠になっていた。
島田晴夫師。
日本人で世界のトップに立ち続け、このままでは新しいトップが生まれないと殿堂入りになった伝説のマジシャン。
島田師の住まいはL.A.だし、なかなかお会い出来なかった。
私が初めてステージで演じたのがビリヤード・ボール・マニュピレーション、日本では四ツ玉と呼ばれる演目。
島田師が世界のトップになったマジック。
島田師は四ツ玉を更に発展させ、八ツ玉と呼ばれていた。
その時からいずれ師から学びたいと思い、費用を貯め始めた。
会えるかどうかもわからないのに。
月日が流れ、別の師が島田師を紹介してくれた。
この師は心の広い方で、私に知識・技術が得られる様に他の先生方を紹介して下さった。
この方のお陰で島田師から私はシガレット、シンブル、八ツ玉、カード・マニュピレーション、鳩出しを学ぶことができた。
島田師は世界のトップにも関わらず、気さくで物腰が柔らかかった。
私が東京まで学びに行くと着いた途端、そう、東京駅の改札前で、島田師はこう言った。
「松平君（私の本名）はもう（教えた事）出来るから東京観光に行こう！案内してあげるよ」
ええ〜っ⁉️💧学びに来たのに⁉️
連日東京を案内して下さったり、深夜まで色々な話をして下さった。
とても懐かしく、良い思い出。
教えて下さった事は私も含め、教わった多くのマジシャンの心の中で生き続けている。
寂しいけれど仕方がない。
島田晴夫師のご冥福をお祈りします。

さようなら、先生