ドラムの強烈な音圧で
隣に座っていた彼女は
露骨な態度で耳を塞いだ。

彼女は
音大卒でクラシック・ピアノを
専攻していた。

付き合い初めは
我慢してたけれど
2、3ヶ月したら
「ジャズはうるさいから嫌い」と
意思表示していた。


で、そんな態度を見ていた
ステージ上のハンニバル、
ソロが終わったあと、
演奏中にも関わらず
自分の耳許にやって来て
「後ろの空いてる席に移ったらどーだい」と囁いた。

主役に気を遣わせる我々って・・・

とにかく大丈夫ということで
その場に落ち着いた。
(というよりも、
せっかくいい席で
観てるんだから
移りたくねーよ、
というのが本音)


ハンニバルは
格好良かった。

体を前後に揺らし、
熱い演奏を繰り広げる。
このときハンニバルは
50代だと思うけど、
後にも先にも
あれほどデニムジーンズが
似合う人を見たことはない。


曲によっては
ジョン・ヒックスの奥さん?である
エリーゼ・ウッドのフルートも参加してた。

ヒックスのジャーマネ
やってるのかな。
多分、ノーギャラでの演奏
(この話、また次回)

就職も決まり、
人生で最もま~ひ~な
時間を過ごしてた
大学四年の97年の秋、
トランペッターの
ハンニバル・マーヴィン・ピーターソンの
演奏を聴かんがために
横浜の「ドルフィー」まで行った。

開演よりだいぶ早く
着いてしまったので
彼女と二人で座って、演奏開始まで待っていた。

そしたら、ハンニバルが
目の前に座り話かけてきた。

当然、彼は英語で喋ってたので
全てを理解できたわけではないけれど、
「今日のピアノは凄いぜ!」ってなことを
言っていたのが印象的だった。

で、結論から言うと
凄かった。
凄まじかった。

あのハンニバルが
一目を置くのもわかった。

そのピアニストは
ジョン・ヒックス

何が凄いって
言葉じゃ説明できないから省略。


で、話は戻って
演奏開始

ドラムのハイハット炸裂!!

その瞬間、
隣の彼女が耳耳を塞いだ。
露骨な態度で・・・